11/23きのこ帝国企画 エコーズVOL.3@梅田クアトロ

愛のゆくえ(通常盤)

 

「伸ばした髪が乱れる」って書いてたのに直してたら消しちゃった。

わたしは新参者だけど(「愛のゆくえ」レコ発NHKFMミュージックラインゲスト出演新規)動画のコメント欄が「昔と違う」「インディーズのがよかった」「メジャーに行って望まざる音楽をやらされている」などと荒れているのを見た。

これに関してはラジオでの佐藤氏の「バンドとしては1回やったことはもうやる意味がないのに」という発言を先に聞いていてよかった。主題歌を依頼された長年のファンでもある監督に「ロンググッドバイみたいなのを」と言われ続けて「じゃあもうロンググッドバイ使えばよくないですか?」と言ってしまったという葛藤のエピソードの中での発言だった。

そうしてできた曲「愛のゆくえ」、その曲から構想が広がってできたアルバム「愛のゆくえ」を聴いてみると「権力をもった人のわがままは聞いてみるもんだな」という気になる。一回やったことではないこと、しかし今までやったことが存分に生かされた新しい作品を生み出せたというのがすごい。

いろんな人が評価してたのになんでちゃんと聴いてみなかったんだろう、もっと早く出会いたかった、検索したら学生のコピバン情報いっぱい出てくる、今の学生うらやましい、という気分だったけれどこのタイミングで出会えたのは鮮烈でラッキーだったとライブを観て強く感じた。対バンのNakamuraEmi氏に出会わせてくれたのもそう。同世代でよかった。2009年がどうたらとか歌われたらその数字だけでいろんな感情が戻ってくるという特典。ああいう曲を作っていた人が今こうして目の前に女性の魅力全開で立っているという衝撃。

佐藤氏かわいい佐藤氏かわいいという感想がいっぱい出てきてわたしもそう思うけれど、顔だけでなく歌唱とか、MC(「どう?かっこいいでしょう」「じゃ、やりますか」)とか、過程とかすべてに打ちのめされて出たひとことなんだろうとわかった。

セットリストにしても、新旧入り混じっていて、これだけ作風の今昔をいわれているバンドなのに一夜の中で継ぎ目が感じられなかった。反響を取り込むのが早くて上手だとこういうことができるのもしれない。

ネットで予習している限りではあーちゃんの情報が少なかったけれど、とても存在感があった。ずっと下をむいていたので印象がとにかく髪。頭を揺らすので乱れるけれどさらさらにセットされていて、顔を上げると完成形にもどる。表情もとてもよかった。好きなギタリストのひとりになった。