0709-0715

7/9(木)
7:00起床。小雨が降っているわりに明るい。カーテンの端を固定するのをやめ、片側を全開にできるようになったことは大きい。朝が過ごしやすくなった。昨日も今日も、ベランダのすぐそばの電線の上に長いことツバメがとまっている。マンションの軒下にかけられた巣のなかで雛が口を結んで待っているあいだ、親はここにいたのか。ツバメを眺めつつコーヒーを飲み、きゅうりトーストを食べた。

出勤、やがて退勤。帰宅、風呂、洗濯。小物だけ洗濯し、浴室乾燥機とサーキュレーターとドライヤー(靴下をはめてブイーン)を駆使して何とか乾かした。ラジオからニュースで「夜の街に加えて若者の会食で感染が拡大している」と流れてきて怒る。検査対象に既に偏りがあるというツイートも見たし、第一波から一貫して偏向報道をしている印象が強い。報道にかかわっている若年層の人ら、例えば原稿を読んでいるアナウンサーとかも、わたしと同じように年配の役員が会食に出かけるのを見送ったりしているんだろうか。

すきっ腹を抱えてオーブントースターの掃除をした後、夕飯は納豆スパゲッティ。洗濯物を干しながら調理をしたのでゆで加減、味などぼんやりした仕上がりになった。ヌルヌルした優しい味で舌が疲れない。あまりに食べごたえがなかったからか後でお腹が空いてコーンフレークとナッツを食べた。食後、マンガParkで川原泉ブレーメンⅡ」を読む。

ブレーメンII 1 (白泉社文庫)

動物の知り合いは鉱山で危険な仕事をしているから私たちはラッキー、ときれいな宇宙船内で働けることを喜ぶ動物たち。笑顔で話すのを聞いて人間のしたことを省みる主人公。移民問題やん。川原泉の描くニコニコ顔で、すごく悲しい気持ちになるときがある。「笑う大天使」でも一か所あった気がするけどどこだったかな。

ラジオからトニー谷の「あゝ家庭の事情!」が流れる。これが島尾敏雄「死の棘」の「カテイノジジョウをしないでね」の元ネタと思われる。ホンワカパッパとした曲調でシニカルな内容で面白いが、就学前の子供が知っているくらい大流行したというのはよくわからない。ホンワカパッパって前にも何かの曲をあらわすのに使ったなと記憶をたどると、aiko「桃色」だった。サイケだなあ。自分のホンワカパッパ対象に幅があり、いい加減な表現だ。


7/10(金)
7:00起床。コーヒーをいれて、きゅうりトーストを食べた。今日は食パンonハムonきゅうりonマヨネーズon黒こしょうのよそいきバージョン。家を出るまで時間があったので「ぶらりあるき沖縄・奄美の博物館」を読む。

ぶらりあるき沖縄・奄美の博物館

ガイドブック形式だが、著者のまなざしの優しさが感じられるいい文章。

出勤、やがて退勤。昨日くらいから「暑い」とこぼしてしまうようになった。帰宅、風呂。夕飯はやみつきキューリと厚揚げ納豆でビール。飲んだら寝てしまった。


7/11(土)

朝、きゅうりトースト。昼、豚のしょうが焼き定食。夜、ポポラマーマの冷製パスタとアサヒスーパードライ
9:00ごろ起床。雨の中いきなりドラッグストアへ化粧下地を買いに行く。ツナ缶なども手にして帰宅。朝食、身支度。リュックの中から竹串が出てきてビビる。何が刺さっていたのか全く覚えていない。

昼前に図書館へ出発。普段は無人改札なのに2人駅員がいて、不思議に思いつつホームへ向かうと階段の途中で頭から血を流した年輩の男性が座り込んでおり、駅員に向かって泣き言を言っていた。もう80らしい。派手に転倒したのかな。もらい泣きしそう。

図書館着、館内までセミの鳴き声が聞こえる。今年初だ。本を借り、館内の食堂で昼食。ここのキッチンでは食堂のおじちゃん然としたポロシャツの男性が調理を担当していて、感染症対策で閉館したときは行く先を勝手に案じていたが、他の配膳スタッフも変わらず戻ってきていた。おいしいのでまた食べられてうれしい。

図書館を出て、大阪くらしの今昔館の企画展「和紙の建築模型 建築起こし絵図」をみにいく。和紙の保存状態、発色のよさに驚く。出口近くに修復作業のパネルがあったのでそのおかげか。絵巻物が好きなので、数少ないといわれる土木作業の様子を描いたものがみられてよかった。あとは大工の肖像画も装束姿だったのが意外だった。なんでも見てみないとわからないものだ。

今昔館を出て電車で移動、このあたりで竹串にサーターアンダーギーが刺さっていたことを思い出す。冬に待賢ブックセンターでふるまっていただいたもの。スッキリした。町田洋「船場センタービルの漫画」がよかったので船場センタービルへ。とくに漫画公開の影響は感じられなかったが、いつも通り買い物客の静かな熱気で満ちていた。

ビルを出て、近くの気になる古着屋に入ってみると思いのほか小さなお店で丁寧に接客されてたじろぐが、いい買い物ができた。アクセサリーは気になるけどあまり生活のなかに取り入れられないんですよ、というと、買ったときの値段とその後の扱いの関係、モチーフから意味や物語を見いだせると愛着がわくという話などをしてくださった。後者のお話の時にはエーデルワイスのブレスレットを持って。これは覚えておいたほうがいい話。結局買ったのはスカーフの留め具を説明するときに「こういうのを留める」と持ってきてくださったはおりものだった。まともな接客というのは大体こういうものなのかもしれないが、楽しい買い物だったなあ。自分の目がハートになったのがわかった。

古着屋を出て、気になる服屋に入れた勢いで気になるファミレスポポラマーマへ直行。関西にあまり展開していないらしい。看板メニューを頼まず季節限定メニューを頼んでしまうというのをまたやったが、生ハムと半額ビールがよく合っておいしい。早めの夕食をとり、ドリンクバーも頼んで2時間くらい滞在。各所でとってきたフライヤーやパンフレット、天王寺動物園の新聞に目を通す。メモ:修景補助制度、キバタンのこばちゃんはキバタンと暮らしていなかったから飛べず、繁殖行動できないかも、ズーラシアからフランソワルトンの嫁来る、ハズバンダリートレーニング。

途中、雨が降っていたようだったが店を出る時にはやんでいた。今日一日折りたたみ傘をリュックに入れていたが、使わずにすんだ。帰宅、風呂。日記をかいた。


7/12(日)
7:00ごろ起床。数日ぶりに晴れ間が見えている。洗濯機を回す。福間健二特集で映画「急にたどりついてしまう」を見て買ってあった和そばで、劇中の料理を再現。ピーマンとちくわの入った焼きそばで麺が和そばだった。味付けがよくわからなかったのでネットのレシピを参考に白だしとにんにくで味付け。まずくはないが、和そばを食べる習慣もないのでもう作らないと思う。

食後、玄関ドアのそうじなど。昨日買ったはおりものを今日着るべく、合わせるズボンやブラウスにドライヤーをかけて乾かす。昼前に出発、電車内で杉浦日向子のムックを読む。

杉浦日向子 増補新版: 生誕60周年 江戸から戻ってきた人 (文藝別冊)

ここ一年くらいで図書館でちくま文庫の漫画と、エッセイを一冊読んだくらいなのでこのムックでテレビや講演会の仕事の様子を知ることとなった。扉に「呑々草子」表紙 のヌード写真があしらわれていて、表紙のポニーテール姿とのギャップに衝撃を受ける。

新装版 呑々草子 (講談社文庫)

川上未映子山田詠美のグラビアを連想した(それぞれのグラビアが撮影されることとなった経緯は知らない)。

扇町駅でIさんと待ち合わせをし、サッチェズカリーへ向かった。階段を上って駅から出た途端、青い空、白い雲、公園で思い思いに過ごす人、人、人が目に入り、楽園ぽくておお、と思った。この瞬間ばかりは感染症のことは気にならなかった。それくらい久々づくしの光景が嬉しかった。

開店前に店の前に待機している時点でもう、ききたかったギャル服の機能性の話をきけたし、全編通して初対面の人との間にこんなに話がつもってることがありますか?という会だった。Iさんとは面識がなかったが、この日記を読んで声をかけてくださり、お会いすることとなったのだった。世の中が停滞しているときにこんなことが起こるなんて、インターネットは優れものだ。じょうずに話を聞いてもらっただけのような気もするが、近況報告をしなくてよくて楽ちんだったので友人にもここのアドレスを教えていこうかな。

サッチェズカリーの本棚に戦前の教科書風の冊子が置かれていて、火事が「クヮジ」と表記されているのを見て笑ったり、エスカレーターに乗る人々のイラストに驚いたりしたのが楽しかった。この時「エスカレーターボーイがいますね」と言うと「けっこう危ないですからね」と返ってきたのだが、このスピード感が印象的だった。たいがいこの間に「エスカレーターボーイて何すか(笑)」と返ってきてウケたことにヘラヘラするという流れがあるから。この感じを覚えておくと、他の方ともより楽しくお喋りできるかもしれない。

帰宅、炊飯、風呂。夕飯はにら饅頭、水菜の炒め物、卵豆腐、白飯。ピクシブ忍たまのイラストを見ているうちに寝落ち。

[Iさんに聞いた、ギャル服の機能性の話。]
このズボンはSLYのネットショップで買った。シャリシャリした素材なので着心地が悪いことを覚悟していたが、なんと綿の裏地がついていた。ギャル服の機能性はセレクトショップより優れている場合があり、侮れない。例えばEMODAのスカートにはすべてインナーパンツがついているらしい。河原町オーパのSLYは元ギャルのおばちゃんがお客として店内にいる場合があり、紛れて入店しやすい。心斎橋オーパのSLYはそういったことがなさそうなので入りづらいかも。以上。
富士日記風にメモ↑

昔ペチコートについて思ったこと

 

decoi0222.hatenablog.com

 服屋が一枚でちゃんと着れる服を売ってくれるとすごく助かる。世の中がよくなると思う。


7/13(月)
7:00起床。小雨。コーヒーをいれて、きゅうりトーストを食べた。弁当に入れるハムエッグ作り。これできゅうり、ハム、冷凍ほうれん草はおしまい。出勤する電車内で新井素子くますけと一緒に」を読む。

くますけと一緒に (中公文庫)

ぬいぐるみ文学として二階堂奥歯の日記で紹介されていたうちの一作。コバルト文庫みたいな文体が気恥ずかしいし挿絵までついていたが、肩パットの入った喪服を着た女性のイラストに国産古着好きとしてテンションが上がった。文体の割に語彙が豊富でちぐはぐな感じがする。新井素子は手に取ったことがなく、この本も書庫から出してきてもらったものなので界隈のようすがまったくわからない。

やがて退勤。雨で買い物をする気が起こらず帰宅、風呂。夕飯はキャベツとツナとミックスビーンズのサラダ、きのことツナの炊き込みご飯。シソをちぎってかけた。キャベツ、豆、シソ消費メニュー。食後、「花よりも花の如く」を読む。柱のコラムで久々に女性キャラが登場したので服を描くのが楽しい、という旨のことを成田先生が書いていて気付いたが、能の世界は完全に男社会なんだな。


7/14(火)
7:15起床。雨。コーヒーだけ飲んでピクシブを見る。朝イチでしなければならないようなことではないのだが・・・。身支度、出勤。電車内で山口瞳「年金老人奮戦日記」を読む。

年金老人奮戦日記 (男性自身シリーズ)

山毛欅(ぶな)などの難読漢字が続出する。その都度字引をひいて、手で書くうちにそらで書けるようになっていくんだろうか。昔の物書きにはそれだけでもうかなわないと思ってしまう。武田百合子島尾ミホのように、作家である夫の原稿を清書するというのも現代からするとちょっと考えられない。

職場にて、隙を見てバランスパワーのスイートポテト味を食べる。何味にするか選ぶ際に、ソフトタイプのものは邪道だとよけていたのに見落として買ってきてしまっている。もうちょっとで博多の通りもんとかになれそうな(目指してはいないだろうが)リッチさがあった。弁当はツナときのこの炊き込みご飯。

やがて退勤。楽譜のプリントアウトをするためコンビニに寄った。3か月ほど行っていない店舗だったが、戦場跡のようになっていた。レジ待ち列ガイド用の足型、給付金受取手続きに必要な書類のコピーの仕方の張り紙など。ラミネートしてあったがヨレていて、現場の激しさを物語っていた。雑誌スペースを削ってつくったバーベキューグッズ売り場はそのままだった。引き続き、身内で肉を焼く、できれば野外で、という娯楽が支持されているようす。楽譜がリュックに入らなかったのと、場の雰囲気に気圧されたので買い物せずに店を出た。

帰宅、風呂の前にカーテンを全開にして窓辺の床に座り、夕焼けに赤く染まった雲が流れていくのを眺めた。昨年まではこういうことはしなかった。寄り道に忙しかったのかも。その後風呂。夕飯は麺づくりの担々麺味。水菜をのせた。スープがおいしかった。食後、やはり3か月ぶりくらいに楽器を弾く。右手も左手もよれよれで頼りなく感じるが、定期的に楽器を触っていた頃も頼もしく感じたことはないので気にしないことにする。タイミングが合えば余計な力が必要なくなり、省エネになるのでは?曲中に、思いついたときは膝を打ったんじゃないかというくらいドラマチックな転調箇所があるのだが、一度しかやらないところにモーツァルトの美学を感じた。

楽器をしまった後、新井素子くますけと一緒に」を読了。文体は慣れた。あとがきも同じ文体だったので、様式美なのかもしれない。平成の始め、新井家のぬいはまだ400体だったのか・・・(2019年は4000体)設定、物語の収束のさせ方など、ぬいぐるみを愛し、ともに暮らしている作家ならではの説得力があった。悪夢からなかなか目覚められず、何ページにもわたって死んだ親から叱責されつづけるところが怖い。


7/15(水)
7:30起床。カフェオレをいれて、魚肉ソーセージを食べ、バランスパワーのアーモンド味を食べた。家を出るまで時間があったのでマンガParkでジョージ朝倉ピースオブケイク」を読む。

ピースオブケイク(1) (FEEL COMICS)

あまり親しみを持てない絵柄、設定だが主人公に「タロイモ的な木を部屋に置きたいなー」という旨のことを言わせていて、ここがフックになってるのかなーと思う。

家を出て、駅で通勤途中と思しき女性がネックゲイターをつけているのを見かけた。マスクより息苦しくないからだろうか。この間図書館でも、テキスタイルブランドが好きそうな女性がネックゲイター形式の手作りグッズを着けていたのを見かけた。電車内で井手口彰典「同人音楽とその周辺」を読む。

同人音楽とその周辺: 新世紀の振源をめぐる技術・制度・概念

クラシックは原曲に相当するものを録音の形でもっておらず、かわりに極めて強い強制力をもった楽譜が個々の録音を厳密に(楽器編成からアーティキュレーションに至るまで)規定している。

 これは覚えておいたほうがいい特徴。

昼休み、矢野顕子 (ピアノ・ヴォーカル) と 上妻宏光 (三味線・ヴォーカル) によるユニット「やのとあがつま」の動画を見る。昨日寄ったコンビニの店先にプレイガイドのポスターが貼ってあったのだ。いずみホールでコンサートをするらしい。弁当のおかずはベトナムオムレツ的なもの。ナンプラーは醤油より少な目にしないとしょっぱい。

やがて退勤。やよい軒へ。夕飯はなすみそと焼き魚の定食。ひとり客は男性が多い。カウンターに座ると前の人の箸使いだけが見える状態になり、毎回不思議な眺めだと思いながら見ている。「やのとあがつま」のPVはロボットアームの箸使いだったがこっちは生身。帰り際に「初めて来たのですが」と言いながら入ってきたおじさんがいて、おとなしく誘導されていた。数年前に見たツイートの、やよい軒の入口のところで「こういった店には初めて来るのですが!!!」と大声で表明して店内を制圧した強い客を思い出して笑けたのでぜひもう一度ツイート全文を読みたかったのだが、見つけられなかった。こういった店は店ごとにどこまでセルフかわかりづらいので、早々に表明したくなる気持ちはわかる。そういえばわたしが食べ始めてすぐに、スッと入ってきて券売機をスルーし、向かいの席に座って静かに待っているおじさんがいて勝手にハラハラしたが、テイクアウト客だった。ほぼ言葉を発することなく弁当を受け取って帰っていってシームレスだった。

店を出ると雨が降っていた。だるかったがスーパーへ寄り、シソ、プチトマト、ちりめんじゃこ、ダブルソフトなど買う。帰ったら寝るだけなので普段より時間がとれる状態なのに、お腹がいっぱいで買い物がはかどらない。店を出て雨の中マンションへ帰り着くと、ツバメの巣に親が飛来してエサやり中だった。緑のたぬきカップが成長した雛でミチミチになっている。カップ麺容器の巣では増築、補修など厳しいと思われるが無事に巣立ちできることを祈る。帰宅、風呂。眠いので22時ごろ寝た。