0708-0714

7/8(木)
7時半起床。うんざりするような雨。コーヒーをいれて、キャロットラペを食べた。ラジオから合唱つきのド派手な曲が流れてきてゲーム音楽のようで笑う。今調べるとラヴェルバレエ音楽「ダフニスとクロエ」だった。

昨日も今日も、裸足にモンベルのソックサンダルで出勤。通勤電車の中で小関智弘「おんなたちの町工場」を読む。

おんなたちの町工場 (ちくま文庫)


雑誌「母の友」連載作品らしい。著者は長年旋盤工をしていた男性。まだ2人目にさしかかったところだが、先を読むのが楽しみ。Iさんと神戸の個人書店めぐりをした際、「荒野」でIさんが購入されていた本。わたしは見過ごしていて、柚木麻子「あまからカルテット」を買った。このお店に限らず、フェミニズム関連本が当たり前のように置いてある本屋が増えたような気がする。

職場にて、昨日、今日と聞こえよがしに陰口を言われている気がする。わたしが毎朝使うプリンターの近くに座っている男性社員。こいつは以前、わざわざ私の席に来て用件の前に雑談を振ってきたことがあった。その間わたしは作業を中断しなくてはいけないわけで、金輪際そういった失礼なことをされないように「何しに来たんですか?」と話を遮ったのだが、どうも傷つけてしまったらしい。もう「死ね」とか言ってしまいそうだ。自席のゴミ箱に塩を撒く。弁当のおかずはきゅうりの山椒レモン漬け、小松菜と豚バラの生姜蒸し。すりごまが入っている。

やがて退勤。図書館に寄って美術手帖の最新号を読もうとしたが、17時で閉館していた。本屋に寄って買う。帰宅、風呂。夕飯は海老とオクラのシンガポール風焼きビーフン、きゅうりの山椒レモン漬け、キャロットラペ。食後、尾崎裕哉がラジオで浜田省吾のカバーをしているのを聴く。曲名は失念したが、ウォウウォウ言わないヒリヒリしたちょっとエロい曲だった。

夜中、自分の一年前の日記を読むなど。暑さにどう対処しているか見ておく。白飯にお酢を入れたり、ホットコーヒーにバニラバーを突っ込んだりして涼んでいるようす。そうこうしているうちに眠れなくなってツイッターを見ていると、酔っ払いの男性にしつこく声掛けされ、ついてこられそうになった女性が憔悴しきった様子でツイートをしていた。「次そういうことがあったら黙って写真をとってみる。シャッター音もつけて」「今日着ていた服捨てる」


7/9(金)
8時前起床。会社など行かずに洗濯したい。ギラギラした日差し。ミルクティーを飲み、きゅうりトーストを食べた。ちょっと塩気が足りない。電車の中で美術手帖の最新号を読む。

美術手帖 2021年 08月号 [雑誌]

正午、退勤。大雨。昼はマフィン屋で「なんらかのスパイスカレー」を食べた。ほうれん草とチキン。毎日書き換えるのをやめたようだ。丸く盛ったサフランライスの顔にレーズンの目鼻。お皿に拡がる緑色カレーのアフロヘア。「花くまゆうさく大好きなんですよ」とマスターに伝える。「ほんまや、目が似てるね」ほんまや。髪型というより目が花くまゆうさく作画。チョコプリンもいただく。おいしい。スピーカーからはりんご殺人事件が流れている。前回もそうだった気がする。音源での樹木希林の存在感はごく控えめ。髪切ったんですねと言われたので、1年以上来ていなかったようだ。また来れてよかった。駅で出る改札を間違えて目星をつけていたカレー屋にたどり着けなくなってしまったこんな日はとくに、とてもありがたい。

「あやしい絵展」@大阪歴史博物館
土日は混雑するだろうから有休をとって来た。女性の生き人形から始まって少女雑誌の装画で終わる。女性を描いた作品、女性が描いた作品。主体としての女性、客体としての女性。そういう視点で見てもたいへん充実している。また見たい作品のメモ。

鏑木清方「妖魚」(福富太郎コレクション資料室)

魅入られた。

藤島武二「音楽六題」(ひろしま美術館所蔵)

展示室で見て気に入り、グッズがあったら買おうと思っていたのに制作されていなかった。

・北野恒富「朝のクラブ歯磨」ポスター(アドミュージアム東京所蔵)

顔がかわいかった。

・梶原緋佐子「暮れゆく停留所」(京都市美術館所蔵)

スナップ写真のような現実的な作品。

・秦テルオ「絶望」他(京都国立近代美術館所蔵)

展示室の一角が独立した画廊のような雰囲気になっていた。

上村松園「花がたみ」(松伯美術館所蔵)

普段は割と近所にいるらしい。また会いにいきたい。

ミュージアムショップで田中恭吉「冬蟲夏草」(和歌山県立近代美術館所蔵)の靴下を買う。展示替えで後期に展示されるので実際には見ていない作品。あとガイコツのチャームを買う。もはや作品とは関係のない企画商品だが、クネッとしていてめずらしい。

帰りに図書館に寄り、群像の最新号を読む。

群像 2021年 08 月号 [雑誌]

小特集「ケア」のエッセイ 19人の「自分をケアする料理」梶谷いこ「新にんにくのペペロンチーノ」。こんな感じで平日の夜に八百屋に遊んでもらうのはとても楽しい。小山田のどか、植本一子が自分の生活から失われたとか、取り戻すと書いている類の料理の一種がこれなのかも。実現には条件をともなう。大橋未歩アナウンサーの文章の仰々しさ。他に書いたものもちょっと読んでみたい。

帰宅、風呂。夕飯はなし。クーラーをつけて早々に寝た。22時ごろ起きて、お灸を据えたり、彼氏と遊ぶ約束をしたりする。サファリパークに行きたいらしい。


7/10(土)
起きたら家を出る10分前だった。這う這うの体で出勤。電車の中で小関智弘「おんなたちの町工場」を読む。本文中もすべての「女」の表記を「おんな」と開く必然性がわからん。職場にて、隙を見て昨日買ったマフィンを食べる。塩シナモン味。

正午退勤、アマオケのコンサートへ。昼食は松のやのヒレカツ丼。事前にネットで「後ろのプルトの人もとても楽しそうに弾いているオケです!」という出演者のコメントを見ていた。弾ける人がいっぱいいてしっかりした演奏だが、楽しそうかと言われるとそうでもない感じだ。曲目がモーツァルトに変わると楽しそうになった。楽しそうに、いきいきと弾くにも演奏技術が必要だとは常々感じているが、必要ならいつでもそれができるのがプロなのかも。終演後、客席からロビーへ移動する際、手をつなぐ女性ふたりが前を歩いている。左側の人が自分の手が大きくて恥ずかしいとはしゃいでいた。たいへんいいものをみた。生活圏にない100円ショップ、セリアが会場近くにあるので寄って帰る。マスクとバングルを買う。

帰りの電車で「代わりに読む人月報」を読む。1003のレジ横に置いてあったフリーペーパー。友田とんの泡で出てくるハンドソープの話。とても親近感がある。

帰宅。出先からずっと頭が痛い。夕飯はゴーヤツナそうめん。片付け中、横着したことによりどんぶりが割れる。「突然の別れ!」と声を出して嘆く。シンク下の観音扉、狭くて全開にできず、半開きだと保持しておくのに片手がとられる。本当にだるい。 


7/11(日)
9時前起床。気分がいいのでドラッグストアへ買い物に出る。食パン、豆腐、バニラバーなど買う。帰ってきゅうりトーストを食べた。しまってあったタオルケットを出して干す。昨年よりひと月遅い。ゴーヤと豚肉の味噌炒めをそうめんにのせて早い昼食。

家を出て、電車の中でヴァージニア・ウルフ短編集を読む。

ヴァージニア・ウルフ短篇集 (ちくま文庫)

話の導入部分で自分がつまづいていて、どうしても入っていけない。情景が浮かばない。目が滑る。違う人の訳でも読んでみたい。 

練習場へ着いて楽器ケースを開けると、部品の一部が割れて弦が張れなくなっていた。楽器屋へ連絡、幸い即時対応可能だったので駅へとんぼ返りし、また電車に乗る。あまり動揺せずに対処できているが、暑さで汗をたくさんかく。楽器屋にて、部品交換即完了。ある演奏会の話題になり「それ行きました」と言うと、「指揮どうだった?」と聞かれて困り、「ピョンピョン(してました)」と言ってしのぐ。「練習出れるよ!」と楽器屋を送り出されてまた駅へ。なんて息のしやすいマスクなんだろう、また買おうと考えながら歩いていたが、マスクの紐が切れていただけだった。100円ショップクオリティ。目の前のセブンイレブンでマスクを調達。豆腐バー、柘榴のゼリーパウチも買って駅のホームの端で食べる。タイミングといい、メニューといい、なかなかいい食事だった。
やたら行き来したが、出られてよかったと思える練習だった。

練習の帰りに数人で通天閣のふもとのギャラリーでおこなわれた室内楽のコンサートへ。どこまでも繊細な音作りが要求される編成の小ささ。連符の音の長さが全部違う。
道中、界隈の歩きやすさに驚く。シャッター街のようになっていて人が全然いない。歩きながら、金曜からわたしの手に取るものがどんどん壊れている、という話をする。どんぶり、楽器、マスク。どんぶりが割れるところで悲し気な顔をしてくれて優しい。ウケるかなと思って「突然の別れ」と言うと、ちょっとウケた。その時「食器との別れは大体突然」と真顔で返した人がいて、今思えばそっちの方が面白かった。相手にもシチュエーションにも内容にも左右されず、人の話の聞き方と態度がいつも同じ。

この日のビールのおいしさ。最高だった。 


7/12(月)
7時起床。コーヒーをいれて、レモンクリームの入ったデニッシュパン、キャロットラペときゅうりのレモン山椒和えを食べる。日差しが強いので1時間ほど干していた布団が温まっている。

家を出て、通勤電車の中で石井桃子「子どもの図書館」を読む。

子どもの図書館 (岩波新書 青版 559)

子ども向けの私設図書館「かつら文庫」の運営記録。「おそれいります」と言いながら入ってきて「ごきげんよう」と帰っていく名門私立小学校の女の子など、ひとりひとりの読書記録が収録されているのが面白い。「かつら文庫」発の名作絵本も多数あることを知る。

職場にて、マスクの紐が切れて両面テープでくっつける。昨日と同じマスク、同じ場所。弁当はぶっかけうどん。焼きなす、トマト、オクラ、うすあげを入れた。

やがて退勤。帰宅して部屋着に着替えようとすると、見てわかるくらい左足がむくんでいてビビる。風呂。夕飯はゴーヤ豚汁、白飯、冷ややっこ。塩もみきゅうりと辛ラーメンの粉、すりごま、ごま油をのせた。これはおいしかった。ラジオからは新倉瞳のリサイタルの模様が流れている。昨年夏に無観客で収録されたもの。3ヶ月ぶりのホール演奏になったという。フォーレシチリアーノとエレジーはチェロのために書かれたという点で、チェリストにとっては大切なレパートリー。チェロのために書かれた曲でリサイタルのプログラムを組むのは難しい、という話。食後、楽器をちょっと弾く。

寝る前、三陰交にお灸。

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せんねん灸のホームページをひらくとブラウザのタブにお灸のイラストが出現した


お灸とは血が滞っていないところに据えるもので、だからツボに当たると熱く感じないということをようやく体感する。


7/13(火)
8時前起床。横になって寝ると足のむくみは取れる。コーヒーをいれて、マヨネーズトーストを食べた。ラジオからはのっぺりした1812年のような曲が流れている。今調べるとリスト「交響詩「山の上で聞く」」オネゲル交響詩「夏の牧歌」」どっちかかな。

電車の中で三岸節子「黄色い手帖」を読む。

 

 


戦時中、気持ちが折れないように自治会の班長としてしゃかりきにはたらいていたという。職場にて、弁当のおかずはなすとピーマンとウインナーのソース炒め。

やがて退勤。帰宅、風呂。夕飯はさわらのピリ辛ケチャップソース炒め、白飯。合わせ調味料に酒を入れすぎる。食後、ひょんなことから入手した生年月日でホロスコープを見る。さそり座の火星。乙女座オーバーロード

NHKFM「ミュージックライン」のゲストは黒木渚。ゴリラが好きらしい。どこが好きかというと、繊細な性格。真ん中から割けそうなほどムキムキの背中。ドラミングの軽い音。時折見せる、おざなりなドラミング。とても気が合いそうだ。


7/14(水)

6時すぎ起床。コーヒーをいれて、はちみつトーストと、ブランチュールのチョコミント味を数枚食べた。たくさん汗をかくようになったので洗濯物を溜めたくない。夕立というかゲリラ豪雨にそなえて取り込んで家を出るつもりで洗って干すが、室内干しが嫌でそのまま出勤。

通勤電車の中でアントニオ・タブッキ「島とクジラと女をめぐる断片」を読む。

島とクジラと女をめぐる断片

次回のSANBONラジオのお題に合わせて手に取ったタブッキ。ヴァージニアウルフより読みやすく感じるが、頭に入ってくるようなこないような。

職場にて、弁当のおかずはカニカマのいり卵、かぶの酢漬け。昼休み、いっくんTVの動画を見る。ROCK FUJIYAMAチャンネルの面々(マーティフリードマンROLLY鮎貝健)がゲスト出演し、かっぱえびせん永谷園の麻婆春雨、ブックオフのCMソングをメタル風に演奏。マーティ「F弾いてください、GだとメジャーだけどFだとメタルになるよ」「日本のCMソング短いよね」「(指を鳴らしてテンポをとりながら)向こうのはゆっくりだし長い」鮎貝健がやって見せた、日本のものと比較して壮大な「向こう」のCM:「おはよう~♪今日も元気だ~♪コーンフレーク~♪みんなで食べよう~♪」鮎貝「ELTのツアーパンフレット持ってきたんで後でサインしてください」マーティ「僕もシングルCD持ってきたのでお願いします」

イヤホンをしていても外の雷鳴がドカドカ聞こえてくる。やがて昼休みが終わり、窓の外の建物が何も見えなくなるほどの猛烈な雨が降り出した。電灯とパソコンがチラチラする。駐車場の一角の喫煙所にいた社員がズボンをずくずくにしてフロアに戻ってくる。タバコに火をつけた時は「ポツ ポツ」としか降っていなかったのにあっという間にどしゃ降りになり、強風で屋根の下に吹き込んできたという。「逃げられへんかった」。

やがて退勤。あれほど猛烈な雨を室内から見ていたのに、通勤時に傘のいらない日だった。帰宅、風呂。ベランダの洗濯物は一度雨に降られたようだが、乾けばなんでもいい。放置。夕飯は白飯、鮭のホイル焼き、冷ややっこに塩もみきゅうり、すりごま、辛ラーメンの粉、ごま油をかけたもの。食後、昨日に引き続きホロスコープを見る。ホロスコープを見てみようかなと思え、生年月日が手元にある友人は夏生まれの人ばかり。