これは信頼できる暗さ
はじめの一歩 8 9 10/森川ジョージ
Dr.スランプ 1/鳥山 明
絵柄はできあがってるけれど毎回何か仕掛けてくる連載初期。
ブータン、これでいいのだ/御手洗瑞子
ここまでかざらない文が書けるなんて
深読みシェークスピア/佐々木 充
困ったときのブックレット
めちゃくちゃいい本だった。わかりやすくかつ読み応えがあり、
読者への期待に満ちている。巻末のブルーバックスの理念に泣いた。
聞き書 奈良の食事
正月に帰省する際に持って帰ると父親から即ウラがとれたりして楽しかった
カモイクッキング/鴨居 羊子
著者による挿絵が繊細
いつもカメラが/内田 ユキオ
懐古趣味ながら語り口は慎重
性をめぐる生物学/斉藤 徹
ネズミをとおしてヒトが語られている部分も
2016年12月26日-2017年1月8日
旧年中に買ってそのままになっていた古本に手をつける。80年代くらいまでの本は今読むとバランスが変だったりするけれどその分勢いや、温かさや、読者への期待や親しみがあって面白い。残酷さや暗さがあってもそれが突出しているというか、安心してやっているというか、振り切っている。読んだ後に残る気がする。あと面白がっている場合ではないのかもしれないが未来への希望みたいなものも行間から湧き出ている。
震災以後に出版された本はトーンが変わってしまっている。なんか明るいなと思ったらたいていそれ以前の本であることが多い、というのは前々から感じていたことだが80年代や、その前にさかのぼるとさらに明るく、おおらかであることがわかった。たまにそっちの世界に逃げ込もうかな。
おおらかといえば「光りの墓」もそうだった。
こちらはタイの現代映画で、絶妙なバランスで成り立っている感じがした。おおらかさはいち要素であって、厳しくもあり寂しくもあり、暗くもありほの明るくもあった。感想が言い表しにくい映画だけれど、よかった。すごく安らぐけれどけっこう暗い、ところが「息を殺して」に似ている。