あけてもめでたくない 2016年12月26日-2017年1月8日

光りの墓/世紀の光 Blu-ray

 いけそうならよろしくおねがいしますしか言わない

 泣くなら、ひとり/壇蜜

泣くなら、ひとり 壇蜜日記3 (文春文庫 た 92-3)

これは信頼できる暗さ

 

はじめの一歩 8 9 10/森川ジョージ

はじめの一歩(10) (講談社コミックス)はじめの一歩(9) (講談社コミックス)はじめの一歩(8) (講談社コミックス)

 残像や観客の頭に顔が描きこまれていたり、ヒキのコマの中にジオラマみたいにちょこちょこ人物がいたりして見応えがある。一歩のデカチンいじりはけっこう執拗で時代だなあという気もするが、「お前ホモなのか!?」「逃げろ~!」「尻をかくせ~!」「一歩のはデカいぞ~!」と皆で追いかけっこしている場面は楽しそうなだけにショッキング。

Dr.スランプ 1/鳥山 明

Dr.スランプ (第1巻) (ジャンプ・コミックス)

絵柄はできあがってるけれど毎回何か仕掛けてくる連載初期。

 

ブータン、これでいいのだ/御手洗瑞子ブータン、これでいいのだ (新潮文庫)

ここまでかざらない文が書けるなんて

 

深読みシェークスピア/佐々木 充

深読みシェークスピア-『真夏の夜の夢』と月のフォークロア (ブックレット新潟大学39)

困ったときのブックレット

 

橋のなんでも小事典/土木学会関西支部・編橋のなんでも小事典―丸木橋から明石大橋まで (ブルーバックス)

めちゃくちゃいい本だった。わかりやすくかつ読み応えがあり、

読者への期待に満ちている。巻末のブルーバックスの理念に泣いた。

 

聞き書 奈良の食事

聞き書 奈良の食事 (日本の食生活全集)

正月に帰省する際に持って帰ると父親から即ウラがとれたりして楽しかった

 

カモイクッキング/鴨居 羊子

カモイクッキング―くらしと料理を10倍たのしむ (ちくま文庫)

著者による挿絵が繊細

 

いつもカメラが/内田 ユキオ

いつもカメラが

懐古趣味ながら語り口は慎重

 

性をめぐる生物学/斉藤 徹

性をめぐる生物学

 ネズミをとおしてヒトが語られている部分も

 

2016年12月26日-2017年1月8日

旧年中に買ってそのままになっていた古本に手をつける。80年代くらいまでの本は今読むとバランスが変だったりするけれどその分勢いや、温かさや、読者への期待や親しみがあって面白い。残酷さや暗さがあってもそれが突出しているというか、安心してやっているというか、振り切っている。読んだ後に残る気がする。あと面白がっている場合ではないのかもしれないが未来への希望みたいなものも行間から湧き出ている。

震災以後に出版された本はトーンが変わってしまっている。なんか明るいなと思ったらたいていそれ以前の本であることが多い、というのは前々から感じていたことだが80年代や、その前にさかのぼるとさらに明るく、おおらかであることがわかった。たまにそっちの世界に逃げ込もうかな。

おおらかといえば「光りの墓」もそうだった。

こちらはタイの現代映画で、絶妙なバランスで成り立っている感じがした。おおらかさはいち要素であって、厳しくもあり寂しくもあり、暗くもありほの明るくもあった。感想が言い表しにくい映画だけれど、よかった。すごく安らぐけれどけっこう暗い、ところが「息を殺して」に似ている。