1015-1021

10/15(木)
7:40起床。四つん這いでトイレまで移動。頭を下げたまま前進できて危険も少ないのがいいところ。コーヒーをいれて、しらすトーストを食べた。昨日行ったスーパーにはひとパック45g100円のしらすが売っていて、食卓にのせられるようになった。よく晴れているが、それも今日までか。週末の天気予報はまた雨。

通勤電車内で梯久美子「好きになった人」を読む。

好きになった人 (ちくま文庫)

写真家石内都の展示についてのエッセイがあり、横浜で見ておいてよかったと思う。半年ぶり3度目くらい。体感的によく言及されている。当時石内都についての予備知識はまったくなく、旅程の都合で行ってみたのだった。建物もコレクション展もその中の企画(ダリの彫刻作品とかにQRコードがついていて、ラジオドラマが聴ける)もよかった。

職場にて、弁当のおかずはさつまいも甘露煮にんじんレーズン和え、プーパッポンカリー。市販のプーパッポンカリーキットの味。やがて退勤、帰宅。夕飯は豚キムチ丼。もみのりやごま油をかけると、松屋のビビン丼に近づいておいしかった。昨日買った生鮭とじゃがいもでシチューも作っておく。風呂に入り、あとは何をしていたかあまり覚えていない。ツイッターにて、A子さんの恋人の最終巻が出たので読んでいる人多数。わたしのタイムラインは新刊が出るたびにこうなる。さぞ本屋で推されて平積みになっているかと思って店に行くとそうでもなくて、3巻まで出ている時に探し回ったのを覚えている。何件かはしごしてくずはモールの水島書房で本棚に123と一冊ずつ並んでいるのを見つけたのだった。

ラジオのニュースにて、高校生の就職活動開始。ブライダル、宿泊業の求人が激減していて希望変更せざるを得ない状況らしい。求人倍率が一番厳しいのが青森県で、男女ふたりの高校生がインタビューに答えていた。女子は標準語アクセントだったが男子が方言で得した気分。


10/16(金)
7:40起床。ピザトーストを食べて、お茶を飲んだ。今日は長袖を着ていくことにする。出勤する電車内で片山杜秀ベートーヴェンを聴けば世界史がわかる」を読む。

ベートーヴェンを聴けば世界史がわかる (文春新書)

片山杜秀の声で再生される。これは楽しい。こんなに楽しいんだったらどんな本も脳内の片山杜秀に読ませればいいのではないかと考えるが、本人の書いた文でないとこうはいかない。というか、口述筆記なのか。どうりで。

そして作編曲の受容はこうした条件から常に生まれる。楽器が幾つあって、何種類あって、演奏家が何人いて、技量はどうか。技術的にやれない難しい譜面では意味がないわけですから。条件、条件、また条件。それが音楽の父であり母であるのです。その制約を知らずして音楽は分からないのです。 

職場にて、朝礼で「忘年会ですけどもね、会社からOKが出ましたんで」と通達される。出すなそんなもん。10人以内とか、鍋をしないとか細かい条件があり、例年より補助が多めに出るという。メロン好きによると、「予算余ってるんやろね」とのこと。アホか。なぜやる方向で頑張るのかわからんような、負の答え合わせをしているような気分。弁当のおかずはきのことオリーブの目玉焼き。前回マーガリンで、次はオリーブオイルでやろうと考えていたのにバターを使ってしまった。おいしいけど。 やがて退勤。彼氏と合流し、大阪王将へ行く。金麦とおつまみオードブル、餃子のセットとチャーハン、白身魚から揚げのあんかけを食べた。

王将を出てユニクロへ寄り道。入口と出口はひとつに統合されているのは同じ。前に検温係が立っていたところにスマホサイズのモニタがあり、前に立って勝手に検温するようになっていた。傍で店員がしゃがんでトップスを畳んでいて、「こんばんは」と声をかけてくる。各所でのモニタでの検温に客が慣れたから人手がいらなくなったんだ!すごい!と興奮して「こんばんはー!」と返したが、後から、ユニクロはそういう店じゃない気がしてくる。彼氏が立つと「ピーッ」と音が鳴り、一瞬発熱かと身構えたが「マスクを鼻の上まで上げてもらえますか」と声がかかる。店員はいつでもそばにいるわけではなく、完全に無人のときもあった。


10/17(土)

朝、鮭シチュー、食パン。おやつ、紅茶、ビーノ、くるみ、カラメルビスケット。夜、リンガーハット皿うどん、餃子3コ。

雨。夕方ごろ、やること、食べるものすべてをイオンモールにゆだねて彼氏と外出。イオンシネマが入っているイオンモールは劇場版鬼滅の刃の観客で金曜からごった返しているらしいのでそうでないところへ。狙い通りなのか単に雨天で時間も遅いからなのかお客はまばら。イオンのマネキンがすべてマスク着用で切ない気持ちに。

ビレッジヴァンガードへ行くと相変わらず入口には韓国のお菓子やインスタント食品が大展開されており、各種コンピレーションアルバムが大プッシュされ、クレヨンしんちゃんの総集編DVDが流れていた。ここ数年ビレヴァンではカルディに売っていない韓国の袋麺をチェックし、クレヨンしんちゃんをぼーっと眺めてグッズを漁り、あとは靴下を見たりしていた。しかしなんと昨日は店の奥の本棚のうち一段が壇蜜特集になっているのを見つけた。新刊はとくにないが、「秋だから」らしい。既刊のほとんどを面出し。ひと棚まるごとマガジンハウス特集で&premiumやクウネルのバックナンバーを並べた棚もある。和山やまのコーナーもある!以前より本棚が増えている気もするし、これは応援したい。本を増やすのに抵抗があり買わずに帰ってきてしまったが、買うべきだった。最後にビレヴァンでこんな気持ちになったのはもう10年以上前のことだ。

壇蜜さんといえば、ペットの猫を「彼女」と呼んでいたのを思い出す。ブログを確認すると今は「同居人」だった。濱野ちひろ「聖なるズー」でズーの人々は少なくとも成体のペットに対し赤ちゃん言葉を使ったり、子供をかわいがるように接することをしないという記述があった。こういうことかな。


10/18(日)
9:30起床。コーヒーをいれて、ピザトーストを食べた。昼前、映画館へ出発。電車内で木皿泉「ぱくりぱくられし」を読む。

ぱくりぱくられし

あまりに自説の補強ための引用が過ぎると、前後の文脈通して本当にそうなんだろうかと警戒心が沸く。でも日記を書いていると自分も似たようなことをしているし、何が気に入らないのか。

昼食は松屋牛めしと豚汁。松屋の豚汁はコンニャクが入っていないことがいつまでも残念。そんなことがずっと気になるなんてあほらしいと自分でも思う。

食事中に上着を脱いだ時にひっかけたらしく、手首についていたチープカシオのベルトが切れて床に落ちた。星占いで、15日ごろから行き違いやミスに注意、家電も壊れたりする、とあったので本当に壊れたなーという気持ち。木曜にわたしの確認不足で一往復完全に不要なやり取りをしてしまった時にもそう思った。今思い返せば送信ボタンを押す時にどこかがチクッとしたような気もするが、そのまま送ってしまった。継続して占いを見ていると踏みとどまれるようになるんだろうか。

1本目ペドロ・コスタ監督「ヴィタリナ」。主人公が頭をぶつけた時、天井の一部が落下して頭に直撃した時の、無言の、何もかもを諦めたような反応。全編ストイックな印象で、ラストのほのぼのとしたシーンが余計に切ない。2本目ダミアン・マニヴェル監督「イサドラの子どもたち」。踊り始める前段階の、作品を解釈するまでのシーンがよかった。スタジオの床にぺたんと座って、自分のまわりにテキストと、ダンスの譜面と、筆記用具を広げてああでもないこうでもないと試行錯誤するとか。

わが生涯イサドラ・ダンカン

テキストはこれの原著?

別のダンサーは少女で、ダンスの先生との共同作業。言葉やバランスボールを使って解釈を共有するとか。このダンサーは練習より本番が一番手ごたえを感じられると語ったり、先生に指摘を受けまくって多少へこんだ際、トイレの個室から洗面台までツカツカ歩いてきて鏡に顔を寄せ「私には絶対できる」とドヤ顔して立ち去ったり(演出?手を洗ってくれ~)していて面白かった。

 昨日のビレヴァンの本棚が面白くなっていたので映画館の近くのイオンに寄ってみたが、ここの本棚は相変わらずで「死にたいけどトッポッキは食べたい」の隣に「女医が教える気持ちいいセックス」(まだ動いてるのかこの本)が並んでいるというやっつけっぷりだった。あと、韓国コスメの棚の前から「今日はいいや、鶴橋で買お」と立ち去る高校生がいた。鶴橋で遊ぶ女子高生か・・・。

和山やま推されてるかなーと覗いた大きめの書店ではフィールコミックスの棚からして見つけられず。あとよくあることだが、売れ筋の本のラインナップを見て具合が悪くなる。幼児向け教材うんこドリルの「ちえ」って・・・と思うが、手に取ってみる元気もない。最近、これこそ自分が考えていたようなことだと思わされてしまう本の危うさについて考えている。何かをすぐに断罪したり、仮想敵を作ったりしてでもそういう錯覚を起こさせようとしてくる手合いがいると思う。今のところ、個人経営の書店ではそういった気持ちになることが少ないことがヒントになるのではないか。

大型書店の客っていうのはそんなに、代わりに怒ってもらったり最適解を一発で示してほしかったり、ただ肯定したりしてほしいんだろうか。本は本でしかない。うまく怒れない人、何かを決めるのに多大なエネルギーを使う人は一時的に救われるかもしれないが、自分で考えないと問題が解決しない。鷲田清一東日本大震災の被災地で講演会をした際に現地でスタッフをしていた人が、観客が講演の内容ではなくキラーフレーズのようなものに耽溺しているのを見て、本当に被災地の人々のためになっているのか悩んだという話を聞いたことがある。この感覚に近い。

最後に最寄りの無印良品に寄り道したところスタンドカラーのシャツが大々的に売り出されていた。男女で生地や色合いが微妙に違う。もとから私服はカジュアルな方だったし骨格もがっしりしているが、ショートカットにしたことによってさらにメンズ服が似合うようになった。「ウィメンズのLで生地はネル」のものから「メンズのXSで生地はオックスフォード」のものに着替えたときの似合い方が面白かった。逆順で試着しても同じ判断ができたかは怪しいし勘違いかもしれないが、しばらくは小男のようないでたちで暮らそうと思う。

帰宅、風呂。夕飯はたらこスパゲッティ。寒いので毛布を出した。葛根湯も飲んだ。冷えるのは冬ではなく秋らしい。確かに「冷え」は温かさとの差分だ。


10/19(月)
7:30起床。コーヒーをいれて、しらすトーストを食べた。冷凍の水菜と炒めたらグチャグチャになったうえ生臭かったので失敗。焼けたパンにしらすをのせて、オリーブオイルを回しかけるのがいいようだ。予約炊飯をしようとして通常炊飯してしまう。今晩は半日近く保温されたやつを食べるはめに。雨が降りそうな中出勤。電車内で片山杜秀ベートーヴェンを聴けば世界史がわかる」を読む。職場にて、弁当は鮭フレークご飯、ゆでたまご

やがて退勤。帰宅、風呂、洗濯。夕食はツナキムチポテト、白飯。じゃがいもにしつこく火を通すとうまい。ナイター中継を流す。野球に何の思い入れもないのでこの上なく平坦な気分になっていい。見せ場が少ない(お客も少なかったらしい)ゲームなので「どうですかやはり、指先が冷えるとピッチングに影響が出ますか」「中にヒーターがありますよ」と雑談でつないでいる。「メキシコで1℃のときに試合をしたことがありますよ、外野手は目だし帽をかぶってます」ふーん。クラシック番組は全般的に好きだが好きに濃淡があり、「またマーラーか」などと思ってしまう場合がある。

食後、「やらないと気がかりなまま」「やったら楽しいから」と声に出しながら楽器ケースを開けて練習した。家だとベッドで大の字になって休憩できるのがいいところ。練習後、ツイッター赤い公園の津野さんの訃報を見つけて声を出して驚く。状況からみて自死。自分より年下の人だとなおさら悲しい気持ちになる。安藤裕子スクリーンショットで長文を投稿している。津野さんとの思い出とかではなく、今の社会そのものを憂いたもの。

 津野さんのラジオを聴いてキャッキャしてるようす

decoi0222.hatenablog.com

 


10/20(火)
7:45起床。コーヒーをいれて、鮭おにぎりにチーズをのせて食べた。霧が出ている。起きてカーテンを開けていきなり快晴の日は1年のうちわずかだということを忘れていた。出勤する電車の中で梅若マドレーヌ「レバノンから来た能楽師の妻」を読む。

レバノンから来た能楽師の妻 (岩波新書)

まだ生い立ちの部分。戦火から逃れて各地を転々としている。海外から日本に逃げてくる人の存在を意識したことがなかったが、そういえば成田美名子「NATURAL」の主人公もそうだった。

NATURAL 4 (白泉社文庫)

ペルーより命からがら逃げてきた少年が主人公で、娯楽要素をあわせもった漫画になってるのは何回考えてもすごい。事情を抱えた人に対して「知り合いにいるからわかるよ」と声をかけることの無神経さについて「ずるい言葉」で読んでドキッとしたが、思案するのと声をかけて伝えることとの間にけっこう大きな段階があって、まずはそれを意識するのがよいのではと解釈している。

10代から知っておきたい あなたを閉じこめる「ずるい言葉」

職場にて、弁当のおかずはツナキムチポテト、スクランブルエッグ。最近、料理の手つきが雑になってきて卵を割るのを失敗する。本当は目玉焼きにするつもりだった。

昼休み、youtube赤い公園のライブ映像を見た。白い衣装、口を一文字に結んでギターを弾く津野さんが若い。白い衣装を脱いで、口元の緊張がとれて、新しいボーカリストを迎え入れて、それでもまだまだ若くて悲しくなった。

やがて退勤。まっすぐ帰宅。夕飯はコロンビア8のレトルトカレー。思ったよりずっとおいしかった。食後、楽器を弾く。すぐ集中が切れるが、「明日も弾くからいいや」くらいの気持ちでスッと切り上げられた。今日は湯船につかることにする。寒かったので風呂場でサウナに思いを馳せた。

寝る前に「レバノンから来た能楽師の妻」を読む。理解しがたいことに直面したときも堂々としていてかっこいい。結婚後厳しい態度を見せるようになり「口答えするな」とまで言われたことに対し、まだ理解できていない部分があるとしながらも、能楽師独特の親子関係やしつけに原因があるのではないかと考える。とか、子育て中にバイカルチュラルの子どもの成育環境、それが及ぼす影響について指導教官をつけて研究する。とか。こういうタイトルの奮闘記にありがちな「来日当初は理解できなかったものの、伝統の大切さ、周囲の方々の温かさやなんやかんやで受け入れられるようになりました」みたいないいかげんさが一切ない。


10/21(水)
7:30起床。めかぶスープに卵をおとして、マヨネーズトーストを食べた。今朝は晴れているがまだ日が昇っておらず、ベランダに金色の陽が斜めにさしている。ラジオから「小さな恋のうた」のカバーが流れているが、原曲と比べてテンポが遅すぎて変な感じ。出勤する電車内で梯久美子「好きになった人」を読む。

職場にて、弁当のおかずはさわらと小松菜ときのこの炒め物。カレーとマヨネーズの味。昼休み、赤い公園「PARK」のメイキング映像を見る。コーラス収録時、石野さんが津野さんの指示のニュアンスをくんで一発OKを出すシーンが最高。歌がその箇所にさしかかった瞬間メンバーの顔が「これこれ!」と明るくなり、津野さんは「シンセじゃん」と石野さんの技量に驚く。制作が本当に楽しそうで切ない。こういうのを見ると遺されたメンバーの今後が気になるが、津野さんがそれを考えなかった訳がない。別のインタビューで津野さんが、石野さんが加入してからバンドへの執着心のようなものが出てきたという旨のことを語っているのも読んで、バンドで作詞作曲を担うということのプレッシャーを想像したりした。

やがて退勤。まっすぐ帰宅して即、横になって読書。仕事は暇だったのに疲れた。木皿泉「ぱくりぱくられし」を読了。巻末にデビュー作のラジオドラマ「け・へら・へら」のシナリオが収録されている。ドラマを見ないので木皿泉の作品は未見だと思っていたが、youtubeで「やっぱり猫が好き」を何話か楽しんだのを思い出した。NHKFMを流しているとラジオドラマが始まることがあるが、大抵チャンネルを変えてしまう。この時間から配偶者が交通事故で死んだり親に認知症の症状が現れたりするのはしんどいし、転校生も迎え入れられないし戦国時代にタイムスリップされてもついていけないので、という気持ち。「け・へら・へら」だと最後まで聴けると思う。

風呂を済ませて夕飯。エースコックのMEGA鰹というカップ混ぜそば。うまい。これはラーメン屋に行かないと味わえないんじゃないかと考えながら家に帰ってきてしまったが、求めていたそれっぽい魚介だしの味がする。白飯も入れてしまったので炭水化物でお腹がぱんぱんになった。久々の感覚。

食後、ナタリーの記事を読む。スカートの澤部、ミツメの川辺、トリプルファイヤーの吉田が東京インディーシーンの10年について座談会をしている。アルフレッドビーチサンダルも東京インディーシーンに入るらしい。内容はほぼ忘れたが、3マンライブをしたときにメンバーの顔缶バッジを作った(澤部のだけ大きい)ら飛ぶように売れ、撤収中に吉田のバッジが2つ落ちていたという話が印象に残った。

22時、名取裕子のラジオが始まったので嬉しく思ったがオープニングしか記憶がない。眠ってしまったようだ。