1105-1110

11/5(木)
もう木曜日だ。天然の祝日ばんざい。今日は春から延期になっていた職場の健康診断。どうせ朝ごはんも食べられないしコーヒーも飲めないからギリギリまで寝る。8:00起床。パーカーをはおって出勤。電車内で河野智聖「身心をひらく整体」を読む。

身心をひらく整体 ――快気法で気持ちよく体を変える (ちくま文庫)

内容をちゃんと覚えていないからか東洋医学の本は毎回新鮮な驚きがある。職場にて、午前中は健康診断。視力が落ちていた。ウエストが細くなっていることをやんわり指摘される。「こんなもんですかね?」あまり考えずハイと言ってしまう。1.5cmくらいでも声掛けがあるんだな。

弁当のおかずはギョニソとセロリの卵炒め。オイスターソースの味。夕方、60オーバーの男性社員の布マスクが謎のくずし字柄だった。思わず「字めっちゃ書いてますね」と声をかけてしまう。「何を書いてるか読めるか、『天は人の上に人をつくらず・・・』違うけどな」何の嘘なのか。デタラメが口から流れるように出てくる。しまうのも速い。この人は勝手にボケてくるがすぐに撤収するので時間をとられなくていい。先日カロで作家さんと話していたことだが、一億総マスクの現在、思いのほか大胆な柄のマスクをしている人がいる。服は冒険しない割に顔にその柄持ってくる!?という驚きがある。

やがて退勤。帰宅、風呂。夕飯は冷やご飯でおじや。バリウム後に下剤を飲んだためかみぞおち付近が張っている。アメリカの大統領選の結果はわからず。寝る前、夜中目覚めたときに日中読んだ本のストレッチをしまくる。


11/6(金)
7:00起床。スッキリした目覚め。予約炊飯で炊けていたご飯の半分を弁当箱に詰め、もう半分にレトルトの「蟹のあんかけ丼」をかけて朝食にする。何回かリピートしているレトルト。今朝もしょっぱくておいしい。さくらラテ(カルディで春先に売られているのと同じものだが、季節外れ商品として格安スーパーに並んでいた)をいれて、小田原のどか編「彫刻1」を読む。

彫刻1:空白の時代、戦時の彫刻/この国の彫刻のはじまりへ

街なかの裸体の彫刻は美術教育の延長でなんとなく作られ、適当にタイトルをつけられ、なんとなく設置されてきたのではないかという指摘。街なかでタイトルを見て疑問に思ったり笑ったりしたこともあったが本当にそういう側面があったなんて。家を出て、出勤する電車内で宮嶋康彦「日本カバ物語」を読む。

日本カバ物語―檻の池に映った人間(ヒト)社会の明日

冒頭部分でもう、これは久々に伊谷純一郎みたいな情緒あふれる動物についての文章が読めるぞ、とにやにやする。職場にて、弁当のおかずはいなばのガーリックチリ味のツナ、ピーマン、ゆでたまご

夕方、来客の手土産のシュークリームをもらって給湯室で立って食べる。「甘っ」と声が出た。半分でいい。弊社に生菓子を持参していただいたところで「じゃお茶にしましょう」みたいなスペースも雰囲気も出現せず、こうなってしまうのだ。ショートケーキx1、ブッセx2、シュークリームx2の画像が送られてきて「そちらの部署5人でどうぞ」とメッセージを受け取った時は頭を抱えたが、後輩の機転によりショートケーキはイチゴ好きの1年目に渡り、後輩とふたりでおやつの時間をとってもらうことができた。

やがて退勤。帰宅、風呂。楽器を弾いた後夕飯。手羽先のトマト煮をカレーにした。ジャガイモの入ったカレーは久しぶりだ。夕食後ツイッターを見るとなんと犬山のモンキーセンターの不適切投稿が炎上していた。サルに対する言及ですらない。失礼だってことがわからず投稿しているのも絶望的だが、冗談としてもつまらなさすぎる。モップ君ファンの中には親善大使の竹下景子もいるんだぞ!バカ野郎が!


11/7(土)
7:00起床。冷やご飯に餃子とわかめのスープをかけて食べた。ウェイパーとごま油の味。雨。ラジオでピーターバラカンが話すのを聞きながら木下直之「せいきの大問題」を読む。

せいきの大問題: 新股間若衆

ろくでなし子のデコまん裁判について、今まで読んだ中で一番問題点がわかりやすかった。ろくでなし子の作品理解にもつながった。自身でまんこまんこと言っていこう、その際深刻にせず笑いながら、という狙いが作品名にあらわれているらしく、そこに感銘をうけた。自分の場合毛が生えてから女性器の呼称を知らない時期(ペニスに対するやつじゃなくてちんちんに対するやつって何?ないのかな?)が数年あり、VOWの投稿写真で初めて知ったのだった。衝動的な落書きの写真で、男性選者の「ははは、関西はオメコやけどな」みたいなコメントがついていた。その時の、自分についているものなのに完全に置いてけぼりな、居心地の悪さを覚えている。

出勤する電車内で河野智聖「身心をひらく整体」を読む。快気法はとっつきやすくていい。正午、退勤。昼食は図書館の食堂のカツ丼。食事中にアナウンスがあり、14時より館内ホールにて寄席がおこなわれるとのこと。予定がないのでやったぜ、落語デビューだ。開演までの時間に館内で「動物園動物のウェルフェア」を読む。

動物園動物のウェルフェア Zoo Animal Welfare

訳が直訳で厳しいが、海外の事例が豊富で興味深い。飼育舎、展示場は広ければいいというものでもない、環境エンリッチメントの父、ハル・マーコウィッツ(やばい、後で検索しようと思ってメモらなかったからウィキペディアのそれっぽい記述しかない。「交響曲の父」みたいに定着した表現だと思いきや、この本の中だけの話だったようだ。アメリカ(?)の本だから英語で検索しないといけないか)の話など。

当日券1800円、14時開演。入口で検温。でもそういえば連絡先は提供しなかった。「大阪コロナ追跡システムにご登録ください」と声かけあり。席について、出囃子が生演奏の時点でもう面白い。袖に回り込んで演奏風景を見たい。笛の音程が変に思えるけど和楽器だから音階が違うのかとか、でも三味線の音程はドレミファソラシドにはまりそう、とか考える。後で調べると三味線奏者はポスターに小さく名前が出ていた。他の鳴り物は出演者で回すらしく、ツイッターで虫笛の写真をアップされていた。虫笛は演目の中で登場。ネタ中に鳴り物を鳴らす「ハメモノ」が上方落語の特徴らしい。出演者は3人。キャリアによって出演時間が倍以上違う。出ずっぱりのベテランは休憩明けに着物が変わっている。ネタごとに変えるのか。若手は出演者がかかれた「めくり」をめくったり、座布団をひっくり返したりと設営も担当。進行のようすばかり気になるが、ネタ中もおおむねよく笑った。最後の演目は歌舞伎の劇中劇シーンがあり、このへんがわかる人にわかるネタなんだろうなという感じ。歌舞伎を知らないのでよくわからず。でも大筋を理解するのに問題はなかった。とっつきやすいネタの中では「おもしろい顔」の「嫁はん」がシナをつくっているのを見て盛大にえずく、という場面で場内爆笑。万人にウケるネタって難しい。寄席終わり。出演者によるお見送りは感染症対策によりなし。

業務用スーパーへ寄って冷凍スライス玉ねぎ、冷凍三色ピーマン、冷凍ほうれん草、冷凍れんこん、豚こま、牛こまを買う。帰宅、風呂、洗濯。夕飯は食パン、かぼちゃと豚肉のカレーチーズ炒め。カフェのワンプレートランチに入っていそうな味。合わせ調味料を久々に合わせた。オリーブオイルと片栗粉、酒、しょうゆ、カレー粉等。もう雨は降らないと思って軒下に洗濯物を干しているといつの間にか大雨が降っていた。慌てて取り込んだためNHKFM「クラシックの迷宮」の冒頭を聞き逃す。


11/8(日)
8:00起床。コーヒーをいれて、トーストに柿をのせてシナモンをふって食べた。9時過ぎ出発。電車内で岡本かの子「家霊」を読む。

家霊 (280円文庫)

ハルキ文庫の280円シリーズ。こないだビレヴァンで買った。百年文庫で「金魚繚乱」を読んで好きだと思ってから5年くらい何も読んでいなかったが、こうして手にとれて本当によかった。

 

(015)庭 (百年文庫)

 

やっぱりいい。繊細な人もおおざっぱな人も、男も女も生き生きと描かれている。

今日はアマオケの練習日。早めに行って書店へ寄り、スケラッコ河出文庫のフェアのイラストを担当しているらしいので売り場を見に行こうという算段。対象店舗であることを確認して行ったはずが、数冊に帯が巻かれているだけだった。まあいいや。河出文庫は一冊も持っていないが、どういう作品があるのか興味があった。文藝賞関連で若手作家の作品が入っているようす。あとは千葉雅也や140字レシピの人とか。Mさんは「長野まゆみのイメージです。石井桃子作品を集めてます」とメールをくれていた。そういうのを考えたこともなかったな。いきなり聞かれてスッと出るもんなのか。対象商品を買うとスケラッコイラストのしおりがもらえるそうだが、今日はいいや。

書店を出て、ゴーゴー藤カレーへ。チキンと海老だしキーマのあいがけ、スパイス卵。今日も米がパラッパラ、(チキン)カレーシャバッシャバ、副菜コリッコリでうまい。年配の女性4人グループが並んでいて、客層の広がりを感じた。この店には4人席がないが、2人ずつに分かれてくださいと言ってもハイハイと応じてくれそうな慣れた感じがあった。先に帰ったからわからないけど。

練習をして、終わってスッと帰った。帰宅、風呂。夕飯は牛肉チャーハン。ウェイパーの味。NHKFM「ブラボー!オーケストラ」で東京フィルのサントリー定期(指揮:渡邊一正)のライブ録音が放送されていた。ドヴォルザークの8番で大盛り上がり。吉松隆もこの曲のことはパロディというか、堅苦しいドイツ交響曲を笑い飛ばすようなところがあるとコメントしていた。変な合いの手を何度でも全力で入れていきたい。 


11/9(月)
6:30起床。みそクリームスープとかかれた粉末にお湯を入れて飲んで、しらすトーストを食べた。首は冷えているし目はショボショボだし会社など行きたくない。なんとか家を出てずんずん歩くと多少スッキリした。電車内で宮嶋康彦「日本カバ物語」を読む。飼育下のカバの陸上出産例について。図体が大きくて飼育するスペース、費用もかさむ割に花形ではない動物の悲しみ。

職場にて、朝イチで嫌な頼まれごとをして最悪な気分になるがとにかく手を動かす。弁当のおかずは豚の生姜焼き、オクラ。やがて退勤。ドラッグストアへ寄り、冷凍うどん、卵、牛乳、シートマスクなど購入。帰宅、風呂。夕飯はエースコックカップわかめそば。フタに「わかめ3.5倍」「やりすぎ」「EDGE」と書いてあって辟易したが、「わかめ祭」と書かれたの円の中で柳沢慎吾がハッピを着て笑っていたので買ってしまった。

ラジオのニュースにて、第一生命の外交員だった89歳の女性が顧客から総額19億円をだまし取っていたというニュース。弊社に出入りしていた保険会社の外交員が訪問を自粛しているのか昼休みに姿を見せなくなって久しいが、そういえば今日は第一生命の外交員が来ていた。フォローしようがないくらいズブズブな事件だが・・・。その後の「ベストオブクラシック」ではマーラーの3番が流れていた。スケールがでかすぎてついていけない。なんて長ったらしい曲なんだと思ったが、やがて終わった。今月のみんなのうたは、ホタルライトヒルズバンド「金魚のジョン」。気に入ったので今調べたが、メモ書きどおりの曲名だった。こういう起承転結のある曲は活舌が命。その後、最近昼休みにたこやきマントマンのOPを聴いているので(午後から何が起ころうとも軽快なメロディで頭の中が満たされる)たまたま持っていたさねよしいさ子のCD「うてな」をかけてみた。

 decoi0222.hatenablog.com

 クレジットのローマ字(あるあるだが不便)に読む気を失いつつ解読して調べると、プロデューサーは栗コーダーカルテットの人(栗原正己)だった。歌うというか、発声そのものの快楽に満ちたボーカルの後ろでいろいろ実験的なことをしている感じが出ている。あまり聴かないけど面白いアルバムだなと再認識。


11/10(火)
5:00に一旦起きる。夜に妙な食事で満腹になってしまうと安眠の妨げになることがわかった。日曜から目の疲れがすっきりしない。次に目が覚めたのが家を出る時間だったので午前中は休みをとってサボろう、という夢を二度寝中に見た。「次に」からが夢。実際に起きたのは8:00。さくらラテを飲んで、煎り大豆を食べた。寒いのでパーカーのフードをかぶって出勤。電車内で木下直之銅像時代」を読む。 

銅像時代――もうひとつの日本彫刻史

 

銅像をのせる台座の章。建築家が設計を担当してきた歴史があるという。職場にて、弁当のおかずは肉じゃが。やがて退勤、帰宅。夕飯はうどんカルボ。レシピごとの振れ幅(和洋どっちに振るか、どこまで手を抜くか)が大きいというか、包容力があるというか、なんでも許容しうる料理なのでつくる度に写真を撮ってツイートしている。今日は粉チーズと青ネギなし。なんだかいつもより甘かったのはなぜだろう。玉ねぎかな。

ラジオのニュースにて、最近また感染者数を報道するようになった。9日夜には政府の新型コロナ感染症対策分科会が記者会見を開き、「全国的に見ても感染が増加していることは間違いない」として、「5つのアクション」を提言している。

「5つのアクション」は、(1)今までよりも踏み込んだクラスター対応として、接待を伴う飲食店・外国人コミュニティ・高等教育機関・職場それぞれのクラスターに応じた効率的な支援や対応、クラスター探知の仕組み、対策の好事例の自治体間及び国との間での迅速な情報共有、また、(2)対話のある情報発信として先月発表した「5つの場面」「感染リスクを下げながら会食を楽しむ工夫」(後述)、(3)店舗や職場などでの感染防止策の確実な実践、(4)国際的な人の往来の再開に伴う取り組みの強化、(5)感染対策検証のための遺伝子解析の推進、からなる。

今度はアクションですか、みたいな感想しか持てない。発言力をもっているんだからGOTOのタイミングや構造に異をとなえたりしてほしい。今後も各所で場当たり的な対策が続くんだろうか。

ラジオからはマーラーの5番が流れていた。またマーラーかよとヤジりつつ最後までチャンネルを変えずにいると、終わり方が締まっててかっこいいなと思うことができた。食後、今週はイマイチ調子が出ないので湯船につかった。すっきり。

寝る前に天王寺動物園のスタッフブログを見た。今読んでいる「日本カバ物語」は90年代の本なので存命のカバについて語られていることは少ないが、「テツオ」が登場している。展示場では個体を認識しづらいが、スタッフブログでフォローすればいいのか。テツオは歯が口から飛び出ていて、それが水槽を傷つけるため手前のプールにいることはないらしい。そういうことならたぶんわたしはテツオの全身を見たことはないな。展示場の奥や物影は動物園のお客から身を隠せる大切な場所なんだということも「日本カバ物語」には書かれていた。読み進めるにつれて雇われ園長やワシントン条約ライガーレオポンなどの奇獣づくり、大島動物園の交雑サルについてなど興味深い話題がどんどん出てくる。ちょっと調べたところ伊豆大島の動物園のサル山は今はワオキツネザル山になっているらしい。交雑サルは2015年の千葉の高宕山(たかごやま)自然動物園のアカゲザルとの交雑サルのように殺処分されてしまったんだろうか。これも昨日「交雑サル」でググってはじめて知ったこと。