1210-1216

12/10(木)
起きたら家を出る時間だった。何のリアクションも取らずにひたすら身支度して家を出た。いつもより2本遅い電車。電車の中で五島勉イソップ物語の謎」を読む。

イソップ物語の謎―隠された予言 “人類の遺産”が発信する戦慄のメッセージ (ノン・ブック)

なぜか心理テストがついていてなつかしのオカルト本らしい構成。「話の原型」として著者がイソップ童話を紹介しているところの描写がいい。キツネとツルは互いの家に招かれた際「怒りと空腹でくらくらした」らしい。

会社着、始業時刻ぴったりにタイムカードを打刻。午前中、荷受けスペースに筒形の荷物が何本も届いている。中身はカレンダーだが、例年より本数が多い。営業マンが持参できなくなり、送付しているようす。弁当のおかずはピーマンとなすびの炒め物、さといもゆかり和え、炒り卵。

やがて退勤。映画の前に夕飯を「サケトメシ」でとった。ミャンマープレートは新型コロナウイルスの影響で材料が入ってこないらしい。チキンカレーとチェッターヒン(ミャンマー風のポークカレーらしい)のあいがけにした。ガリビアも注文。店の外から店主の顔がチラッと見えたときにアフリカのお面をしているように見え、イベント営業かと思ったが違った。金髪パーマがラスタカラーのヘアバンドで頭上にまとめてあり、スウェットにはクリーミーマミがプリントされている。たまにしか来ないが、いつ見ても強いアイテムの数々がばっちり統括されている着こなし。

カレー屋を出て、映画館で「恋するけだもの」を観た。殴り合い、ののしり合い、やがてスナック「くぼちか」に登場人物が集結する展開で戸梶圭太にハマっていたころの血気盛んな気持ちを思い出した。主演はボーイズアンドメンという名古屋発のアイドルグループにいた人で、ミニシアターでかかるような作品にもよく出ているらしい。シネヌーヴォがたまに若い女性だらけの異様な客層になる日があるが、こういう流れか。今日は閑散としているが、舞台挨拶の日は違ったかも。帰宅、風呂。寝る前にNHKFM「夜のプレイリスト」で高橋久美子スピッツの「ハヤブサ」をかけているのを聞いた。

ハヤブサ

気が合いそうだ。最近朝が辛い上に目覚ましも聞こえないのは単純に寝るのが遅くなったからか。


12/11(金)
歯医者に行くため午前休をとっている。ギリギリに起きて歯医者へ。受付にラップを数枚重ねたものが垂らされていて、アルコール消毒液が置かれている以外は数年前に来た時と同じだった。検温もなし、歯医者さんの装備も同じ。違う世界線に迷い込んだ気分。15分くらいで終わった。「こっちの(虫歯)は今日はいいや」とつぶやいていたし、全体的に深追いしないタイプの歯医者であることが通っているうちにわかってきた。「こっち」の様子を見ておいて、異変があったらまた来よう。

帰宅、洗濯。ちょっと楽器を弾く。昼食にツナマヨスパゲッティを食べた。正午すぎに家を出て会社へ。電車内で外山滋比古「知的創造のヒント」を読む。

知的創造のヒント (ちくま学芸文庫)

くどく感じる。大学の基礎ゼミのおじさん先生が言っていた「君たちぃ、ババアになったら何読んでも面白くなくなっちゃうから今のうちに本を読んどきなさい」という教えが胸に響く。

駅から職場に向かって歩いているときの日差しが、卒業式の後みたいな感じだった。風は冷たいけど日差しが暖かくて、この後なにも予定がないけど帰りがたい感じ。出勤、やがて退勤。今週は帰りの電車でケーキ屋の紙袋を持ったサラリーマンをよく見る。飲み会もなくて家に帰るしかないし、ケーキでも買うかという感じかな。百貨店へ寄り道。きのこや小松菜を買う。ここの食品売り場でも刺身などパーティーメニューがよく売れている。帰宅、風呂。夕飯はツナ鍋。金麦もあける。


12/12(土)
朝、マシュマロトースト。昼、汁なし辛ラーメン。夜、おくらマヨカレートースト。昼食がもたれて調子が狂ったが、楽器を弾いたり読書してのんびり過ごした。マンガ図書館で公開されている小坂理絵「ヒロインをめざせ!」2巻を読む。

ヒロインをめざせ! 2 (講談社コミックスなかよし)

小さい書影しかない。終盤のシリアス展開にビビったが、そういえばそうだった。このあたりは本誌で読んでいた。この話の舞台がヒーロー養成学校で、次に連載するのがギネスブック掲載を目指す部活(何部かがミソだったはずだが忘れた)ってところに、小坂理絵と「なかよし」の絶妙な距離感が出ている感じがする。

あと「コビトカバに会いたい」も読んだ。写真集をお茶しながら眺めると休日っぽさが出る。

コビトカバに会いたい

見比べるとカバとはけっこう違う。


12/13(日)
9:00起床。朝食はかぶと豚ミンチの煮物、白飯。10時過ぎに家を出て、アマオケの練習へ。電車の人出は少な目。連れだって歩いているのはカップルや部活の学生くらいのもので、あとはひとりでどこかへ向かう人だった。全体的に若い。古井由吉「木犀の日」を読む。

木犀の日 (講談社文芸文庫)

スルスル読めるが、何の話をしているのかがよくわからないという不思議な文章。


練習前に本屋へ行き、NHKテキスト「100分de名著 ディスタンクシオン」を買う。  

NHK 100分 de 名著 ブルデュー『ディスタンクシオン』 2020年 12月 [雑誌] (NHKテキスト)

ツイッターで評判になっていたので気になった。たくさん平積みされていたので、よく売れているんじゃないだろうか。今年度は確か「ペスト」の号もたくさん見たな。「育ちがいい人だけが知っていること」(二重カギカッコめんどくさいからいいや)に一冊ずつ違う柄のポチ袋が封入されている。

「育ちがいい人」だけが知っていること

言及せずにはいられなかったが、なんだかクラクラするから小さくした。

本屋を出て、トライバルカリーで昼食をとった。入口で注文後の待ち時間にマスクを外して話していたグループ客が注意されていた。シャバッシャバのカレーが好みといったって、うまいもんはうまいですよねと開き直りたくなるゴロゴロこってりカレーだった。トッピングも卵からあまり見かけない名前のアチャールまで10種類以上あったと思う。お腹が温かくなるカレーだった。スパイス感ってこういうときに使う言葉なのかな。

練習が始まって終わり、帰宅。夕飯はプチトマトとパクチーのにゅうめん。ナンプラーの味。楽器を弾くのに力んでしまい身体ががたがた。湯船につかる。夜中、NHKFM「ミューズノート」を流していると、リトルグリーモンスターの芹那大森靖子を語っているところが面白かった。「聴かな無理って時期が周期的に来るんですよ」「・・・代弁じゃないな、(大森靖子は)代弁って言葉あんま好きじゃないと思う」「よく言ってる気がする、生き死にのことを。」長年追いかけているんだろうなというのがわかる。これは収録で、同日に放送されたMステでは欠席していてファン(「ガオラー」が総称らしい)に心配されていた。今まさに無理な時期なんだろうか。


12/14(月)
7:30起床。コーヒーをいれて、はちみつシナモントーストを食べた。予報通りの寒さ。空もどんよりしている。手袋をしてパーカーのフードをかぶればへたなコートより防寒できるというのが今シーズンの気づき。出勤する電車の中でNHKテキスト「100分de名著 ディスタンクシオン」を読む。

職場にて、弁当のおかずは豚ミンチとかぶの煮物。うまい。昼休み、チェリまほの最新話をニコニコ動画で見る。安達が考えた新商品の企画書を黒沢に見せるシーンに「いらね~」と心無いコメントがついている。でもわたしの感想もそれで、こういう時劇中企画の限界を感じる。まだコンペの結果が出ていないので劇中で評価されるかはわからないが、ヒット商品であるという設定に疑問を感じて集中が削がれるのはドラマ「恋のチカラ」に登場するヒット商品「えんぴつネズミ」でもそうだった。「イラストうまい」「企画書丁寧に作ってある」というコメントもついていて、こういうところをちゃんと見ないとなと思った。

午後、ボーナスの明細が配られる。まだ反映されていないだけなのか、額面からは新型コロナウイルスの影響は感じられない。ありがたいことなんだろうな。なぜか査定がちょっと上がっていた。お、なんやなんや、ガス抜きのつもりか?というのが正直な感想。帰りの電車内で民間PCR検査クリニックの広告を見かけた。来院不要、唾液検査キットを使う方式。10回チケットだと1回あたり9,000円。スーツ姿の照英がガッツポーズをとってほほ笑んでいる。TVCMだと脈絡というか、彼に付与されたキャラクターがどういうものかわかるのかも。見ませんが・・・。

帰宅してラジオをつけるとNHKFM「夜のプレイリスト」の再放送が流れてきた。先週の分なので高橋久美子の一日目。くるりの「TEAMROCK」を流していた。

TEAM ROCK

映画「ジョゼと虎と魚たち」に夢中になろうが

ジョゼと虎と魚たち Blu-ray スペシャル・エディション

トランペッターが加入したことを知ろうが、岸田繁交響曲(略称はシゲ1、シゲ2)を書いて京都市交響楽団と仕事をしているのを横目に見ようが、楽曲にはさほど興味がわかないままのくるり。今晩聴いた感想は、「落ち着きのない人らだな」。活動全体でも、一曲単位でも。そこまでしてもらわなくてもちゃんと聴きますから、と言いたくなるような展開の過剰さを感じる。

ラジオのニュースにて、Gotoトラベル、12/28~1/11まで全国一斉停止。感染症対策全てにおいてグズグズしているイメージしかないが、そういえば一斉休校は突然だったな。夕飯はなすとピーマンと納豆のみそ汁、白飯。

NHKFMではベートーヴェン生誕250周年記念特番を放送している。19時半から23時まで。連続5夜。12月に第九以外のベートーヴェンの楽曲が流れまくるなんてすばらしい。司会はふかわりょうと大林奈津子アナ。交響曲第5番の解説を宮川彬良が(「さがるぞー」)、ピアノコンチェルト全曲の解説を加藤昌則が担当。加藤昌則は「鍵盤のつばさ」のひとり喋りでは勝手にボケてそのままスタスタ歩いていくような飄々とした感じだったが、ふかわりょうとは親交が深いのか煽ったり被せたりしてくる。クラシック番組でこんなにグイグイ来る人はなかなかいなくて新鮮。今朝再放送を聞いた「かけるクラシック」ゲストだった指揮者の水野蒼生も、物腰は柔らかだったが語り口が若くて新鮮だった。「できねーんじゃねーかと思ったわけですね」とか、リスナーが選ぶベートーヴェンの楽曲ランキングで早々に第九が出てしまった時の「嘘でしょ?」とか。調べたら1994年生まれだった。

ツイッターにて、THE WでAマッソがゆりやんレトリィバァに負けて悔しがる人多数。貼られた過去のネタの動画を再生すると、ゆりやんが昭和の女優とか、カツオなどの要素の一部分だけを抽出してくるのに耐えられず爆笑してしまう。そこに着目するんだなというのだけでずっと面白い。声「質」をとらえて再現できるというのも楽器うまい人あるあるで尊敬する。


12/15(火)
6:00起床。外は真っ暗。早く起きられた。寒さに慣れたのか?コーヒーをいれて、ほうれん草としいたけの炒め物、炒り卵をつくってトーストと食べた。家を出るまで時間があるのでNHKテキスト「100分de名著 ディスタンクシオン」を読む。参与観察をする社会学者として何人か挙げられていた中に打越正行がいたのでクローゼットから「ヤンキーと地元」を出してくる。

ヤンキーと地元 (単行本)

導入部分がキャッチーでいいんだよなーと読み返すと、ただのド下ネタだった。打越氏と沖縄の若者の距離感がわかっていいエピソードではあるのだが。

まだ余裕があったので日曜の練習の録音をラジオのスピーカーから流した。指揮者の先生との顔合わせの日でもあり、練習の始めのあいさつ部分は声が遠ざかったり近づいたりする。オケ全体を見まわしながら話されていたのかもしれない。いい先生だな。本番を迎えられればいいのだが。「ベートーヴェンは自由を求めた人だと思うんですよね」とのこと。家を出て見上げると青い空のところどころに灰色の厚い雲が浮かんでいた。昨日より一段と寒いが、コートを着ずに防寒。シルエットがあまり好きではない。じゃあ人前でフードをかぶってモジ男君みたいになっているのはいいのかよと自分でも疑問だが、別にいい。

職場にて、弁当のおかずはほうれん草としいたけの炒め物、炒り卵、鮭フレーク。やがて退勤。図書館に寄り道。岸政彦の本と、田中恒子の本を予約していた。田中恒子はアサダワタル「住み開き」でインタビューされていた住居学者。テレビは見ないときには扉を閉めて隠す、とかソファはコタツ使用時など背もたれになっているだけで邪魔と話していて、気が合いそうだと思ったので。重かったので借りなかったが、辛酸なめ子が高校生むけの書籍を出していた。意外な仕事。

愛すべき音大生の生態

イオンへ寄って、冷凍あさりと冷凍揚げナス、きんぴらごぼう白身魚フライを買う。帰宅、風呂。夕飯は白菜と肉団子の煮物、白飯。

大阪府が「外出自粛要請」を12/29まで延長。飲食店に対する時短営業要請の対象エリアを大阪市全域に拡大。府民に対しては「できるかぎり不要不急の外出を控えて下さい」の「できるかぎり」をはずして「不要不急の外出を控えて下さい」と表現を強めた。13日のオケの練習を実施するかどうか話し合った際にこの「できるかぎり」を実施の理由にするか中止の理由にするかで議論になった。その時はピンと来なかったが、今回削除されたところをみると行政の言葉づかいの中では大事なポイントだったらしい。そういうのを捉えられるくらいちゃんと読んでいてえらいなと思う。自分の場合楽器を始めて、アマオケに入ったからこういう賢い人らとやりとりできるのだし、そのことは音楽活動の場のオマケにとどまらないくらい幸運なことだったとここ数年ずっと思っているが、コロナ禍だとさらにありがたい。そこからのディスタンクシオン

NHKFMではベートーヴェン250の特番2日目。宮川彬良による交響曲第3番の解説。1楽章の和音について。ピアノで弾くと不協和音、オケで鳴らすとそれが和らぐ。でも作曲はピアノでおこなっているはずなので、ある程度激しい不協和音を想定していたのではないかという話。その後仲道郁代によるピアノソナタの解説。昨日の加藤昌則はBGMに被せて喋りまくっていたが、今日はスタジオ内のピアノ演奏を挟みながらの解説。ワンフレーズ弾くだけでも空気がサッと変わり、奏者の予備動作が浮かぶようだ。解説者の言葉が染み入るひとときだった。 

カレー好きのMからメールが来ている。「(前略)姿勢はアマチュアイズムとして美しくて好きだけど(後略)」。メールの半分はカレーの話題、もう半分は所属オケの話題。世間話の中で「美しくて好き」とか言ってのけるあたりに育ちの良さを感じる。親の話は聞いたことがないが、やばい子供エピソードがある。小学生だか中学生のときにドラえもんの映画(銀河超特急)を見てBGMを「なんていい曲なんだろう」と気に入って、それがメンデルスゾーン真夏の夜の夢」中の曲だったという感受性の半端なさ。ピアノ編曲版があるという情報に即到達する情報収集力。「先生これ弾きたいです!」と言ってみるという屈託のなさ(当時の演奏技術上の問題で却下)。純粋培養のクラオタだ。こういう人のことを考えると、今から何読んだってかなわないよなと思う。闘ったりするわけじゃないから別にいいのだが。 


12/16(水)

7:45起床。コーヒーだけ飲んで出勤。昨日に引き続き風が強くて寒い。電車の中で植本一子「家族最初の日」を読む。

家族最初の日 (ちくま文庫)

のど飴を買い込むECD。「働けECD」を再構成したものだというが、この時期の日記と向き合うのはつらく、時間がかかったんだと想像できる。時期によってECDの父親の呼び名が変遷しているのが興味深く、今までに読んだ作品でも注目していた。この作品でも早々に登場。2010年の記述なのでおそらく初登場。「石田英一(75歳、義父)」だった。やっぱり最初から飛び道具というか、おもしろキャラだったんだ。のちに「吉祥寺のオヤジ」になる。ECDが入院し、家に度々遊びに来られて辟易していた時期。その後も変わったはずだが忘れた。理解しがたい親戚となんとかやっていこうと奮闘しているのがわかる。

職場にて、弁当のおかずはきんぴらごぼう白身魚フライ、梅干し。「きっしょ」とか言うような年齢ではないし、今は飛沫もやばいだろうと思う。しかし、職場のオッサンが後輩に「最近、朝駅で会わなくなったけど何分の電車乗ってるの?」と絡んでいるのを見て「きっしょいなホンマ、ホンマにきしょいわ」が出た。 

やがて退勤。ドラッグストアに寄る。冷凍うどん、冷凍枝豆、風呂に入れる塩、卵を買う。帰宅。最近は夕食後に風呂に入っている。湯船につかるため。夕飯はパクチーとトマトと餃子のスープ。ウェイパーとナンプラーの味。フライドポテトは羊名人とパクチーの味。これはオモコロかロケットニュースで見た。あと白飯。

NHKFMではN響定期公演のライブ中継が放送されている。井上道義は今月2回目の共演。入国制限の影響で海外指揮者が来られず、今日は代打。前プロのプロコフィエフバレエ音楽「シンデレラ」を気に入った。12時の鐘が鳴り響く「真夜中」の絶望感がすごい。ゲストは音楽評論家の一柳富美子。持っている知識をぱんぱんに詰めて早口で喋る。アニソンアカデミーのしょこたんくらいのスピード。クラシック音楽やリスナーへの愛を感じる。メインがチャイ4なので時間が余り、チャイコフスキーが嫌いだったというベートーヴェンの後期の弦楽四重奏曲をかけてくれた。このことが書かれている手紙についてはまだ発表していない研究内容らしい。その後、ベートーヴェン250特番は3日目。宮川彬良による交響曲第7番の解説。7番は曲を締めくくる打ち込み(「自分!自分!自分!て感じがする」)が比較的あっさりしていて、もう曲中で主張をやりきったからではないかという話など。