0121-0127

1/21(木)
8時前起床。コーヒーをいれて、マシュマロ、くるみ、しょうがクッキーを食べた。ラジオからはシベリウス弦楽四重奏が流れている。「内なる声」という表題がシベリウスらしい、という解説に半笑いになる。よく晴れていて、重いのでコートは着て行かない。通りでは年配の女性3人で立ち話。昨日かおとついのこの時間、この場所に救急車が止まっていたことに関して。興奮した口調だが、即日うわさするわけでもないのが興味深かった。あくまでも朝の仲間なのか。職場にて、弁当のおかずはさといもゆかり和え、キャベツとちくわのカレー炒め、桜えびの卵焼き。この「桜えび」とか「ゆで卵」の表記を前回どのくらい開いていたか自分で忘れる。できれば統一したいのだが。コーヒーを「淹れて」ではなく「いれて」と表記すればインスタントコーヒーであっても問題ないと思っている。

やがて退勤。図書館へ寄る。6冊取り置きしている。年明けくらいから気になった本のタイトルをメモし、取り置きしている。それまでは図書館じゅうの棚をめぐって目についたものを借りていた。個人書店へよく行くようになり、買わなかった本のことが気になりだした。あと取り置き予約する理由としては、刊行されて日の浅い本はネットで話題になっていることが多いのでチェックできると楽しいから。帰宅、風呂。夕飯はなす、ベーコン、プチトマトのスパゲッティ。材料が無駄になった。という出来だった。気分の落ち込みと寒さと空腹で調理を失敗。スパゲッティを入れずにスープにすればグダグダにならずにすんだだろう。「チーズの暴力でなんとかするしかない」と口に出しながらスライスチーズと粉チーズを混ぜ込んで食が進むようにとりはからった。チーズの暴力?

食後、LINEを確認する。アマオケの代表連絡先によそのアマオケからメールが来て、同時期に演奏会をする団体で開催基準をそろえる必要があるのでお教えいただきたい、うちはこれこれこう、というような内容。既に役員間で当たり障りのない返信内容が練られて、送信された後だった。「謎のメールのご対応ありがとうございます」とメッセージを送る。こういうときにすぐ「謎」と言ってしまう。「理解できない」と大体同じなのだが、責めたり理解しようとしたりする気がないので謎。謎は謎のままでよさがある。


1/22(金)
8時半起床。今日は休みをとっている。コーヒーをいれて、ピザトーストを食べた。外はビーンブーツを履こうか迷うくらいの雨。歩き回るのでやめにした。9時半、病院着。10時、病院終わり。待合室のテレビのCMがガンガン頭に流れ込んできて辛い。ゴミを詰め込まれている気分。電車に乗る。車内で塩沢美代子・島田とみ子「ひとり暮しの戦後史」を読む。

ひとり暮しの戦後史―戦中世代の婦人たち (岩波新書 青版 924)

1975年の本。1975年は自分の中でいつまでもaikoの生年だが、書庫から出てきた、戦争未亡人の話題も出てくるこの本がとても古く感じる。宮本常一が「女の博物誌」で書いていた月小屋と、自分の祖母が同時代に存在したのがピンとこないことに似ている。

読んでいる間、隣のババアが「マスク忘れてきた、アホやなあ」と口に出して言う。黙れ。そういう時もあるだろうが、このわかってなさが辛い。

11時、松屋牛めし、豚汁、とろろの朝定食。ランチタイム中ずっと映画を観るのにぴったりな食事がとれた。「アイヌモシリ」。口琴の音で「リベリアの白い血」の劇伴を思い出す。違う人が担当しているけど。アイヌの民謡全開かと思えばそうではない。脚本もよかった。デボさんの弱さ、「デボさんがしたことは間違ってるって言ったよ」というさらっとした、しかしポイントを押さえた母親のフォロー。話し合いシーンでキャラクターが理解できるようになっていることに感嘆。ヒゲ整えた根性のない人、お肉のパックの人、バンドの人、男性中心の寄合で「何か(意見)ある?心配なこととか」と女性に話をふるという進行の優しさ。かっこよければの少年、アイヌの楽器を使いたい少女、アイヌを前面に出すことに疑問を抱く少年、都会の人が思うほど民族楽器を弾けない少年。登場シーンの短さの割にけっこう覚えている。

「天使」。終了後女性客に「なんか・・・前衛的すぎて・・・ハードやったわ・・・」と話しかけられる。連れか?でも衝撃が伝わってくるいい語りだった。擦弦楽器のシリアスさを存分に生かした音楽が素晴らしい。映像は、当時はああいうのが流行していて、下敷きになる作品があったのかな?前例のないものを作品にすることの大変さを想像した。図書館の紳士達とか、大勢のキャストにイメージを共有しないといけないわけだから。仕上がりが見えないまま梯子を登ったり降りたり席を立ったり座ったりしていたのだろうか。

映画の後、バス停で年配の婦人が話しかけてくる。えんじ色のコート姿で、すらっと背筋が伸びている。腕時計も赤だったので赤が好きなんだと思う。

【婦人がした、地下鉄とバスで使えるカードの話】
3000円で3300円分使える上に1回あたり数パーセントずつ割り引かれていた!家に何枚かストックしておいて何年も使い続けているのに気づかなかった。最後の端数は次のカードと合算できる。関西在住でない友人が遊びに来たときはこのカードを渡す。気分いいよ、3000円のカードポーンと渡して。案内はしない、3人とかで来られたら嫌やん。しんどい。どこでも行っといでって渡して、夜に落ち合う場所を決めておいて食事だけ一緒にする。カードの残額が余ったら郵送で返してくれる。そういう使い方をしています。以上。

富士日記の中のこういう部分が好きで真似しているのだが、村の人の語りを書きとること自体は泰淳のアイディアだとミズモトアキラの本で読んだ。なーんやと少しがっかりしたが、百合子が書いたあの箇所が光っていることには変わりがない。

バスに乗って、17時にカロブックショップ着。チキンカレー、ホットミルクティーを注文。お冷が水差しとともに出てきて、ミルクティーの砂糖は茶色い角砂糖。とても贅沢な気分。店主さんが「宮本常一さん、読んではりましたね」とおっしゃった時に「日記を読んでくださっているなんて嬉しいです!」と言えばよかった。驚いて反応できなかった。

カロを出てtoibooksへ。18時半着。仕事帰りらしきお客が何人かいて、職場の近くに個人書店があるのをうらやましく思う。自分でも以外だったがここでは小説を買った。早助よう子「恋する少年十字軍」。

恋する少年十字軍

トークショーが文字起こしされて記事になっていたのを読んでいたのが大きな後押しになった。

web.kawade.co.jp

 急に読者のほうへクルッと方向転換するような文体が楽しい。


帰り道、最近の輩のタバコは甘くておしゃれな匂いがする。輩に動揺してマフィン屋への曲がり角を見失い、到着できなかった。帰宅、風呂。バス停の婦人の顛末をLINEの日記オープンチャットに投稿。


1/23(土)
7時半起床。朝食は卵かけご飯。パンがなくなりそうなので朝6時に炊けるようにタイマーをセットしていた。雨。家を出て、通勤電車内で「コロナ禍日記」を読む。

コロナ禍日記 (生活考察叢書 1)

香山哲の思案に共感。円城塔は数字をこんな感じで頼りにしているのかと興味深いが、内容はほとんど理解できない。

正午、退勤。とくに用事もなくスポーツデポへ寄り道。感動的に軽い服の数々。こういうのを着て生きていきたい。ラッパーの人はスポーツウェアをかっこよく着こなしているイメージがあるが、小物や化粧でバランスをとっている人が多くそのまま取り入れづらい。何も買わずしまむらへ行くとミッフィーのジャージが売っていて買うか迷うが、やめておく。あと10歳若かったら「そういうのもあるのかしら・・・」みたいな感じで見逃してもらえそうだが、「あっ、人生捨ててはる」となりそう。10歳若くてもそのときどきのコミュニティがあるから無理か。

帰宅。カップ麺で昼食。夕食は白菜とウインナーのシチュー、白飯。久々に着るものについて考えた日になった。スタイリストが芸人に用意している服をかわいいなと思うことが多い。Aマッソの画像検索。あと、ナカムラエミの画像検索をして、わたしはあまりボーダーシャツが好きじゃないっていうか骨格が違うよなーと思うのをまたやった。ヤフーニュースでNMBの和田海佑を知り、23歳でNMBに入ってきたことなど興味深かった。しかし交際していると噂されている芸人がファンのツイートをふぁぼったり(年下の彼女の仕事の邪魔をするなよ)、同じスウェットで別々に写真にうつったりしていて興味が薄らいだ。危機管理しないと、と思うが23にもなって交際が明るみに出ることが危機というのもおかしな世界。 


1/24(日)
10時起床。また雨。朝食は鶏ひき肉と豆腐のあんかけ丼。16時、自由軒の(レトルト)カレーライス、枝豆、カレーせん、6Pレアチーズケーキ、カマンベールチーズ、金麦。雨で洗濯もせず、買い物に行くのをやめ、一日中憂鬱だった。休日もタイマーを使って平日と同じ時間に白飯を炊飯し続けると調子がとりやすいことがわかった。昼食はずれ込んで夕食はなしだが、満足のいく食事。

夕方、Sちゃんよりメール。「恥ずかしい料理」を読んだよ!という内容。

恥ずかしい料理

驚く。「少部数だから売ってる本屋は限られてるけど、見つけたらぜひめくってみてね!」というなんともいえないメッセージを送っていた。「ただきゅうりはあんまり好きじゃないから、きゅうりトーストは今は実践しないかも」と書いてある。誠実な人だなあ。誠光社での写真展にお伺いした際、図書館流通センターに数十冊出荷したと聞いたのを思い出して図書館に配架されているか調べてみる。大阪では西淀川の図書館で「発注中です」となっているのを見つけた。予約も入っているらしい。全国の横断検索はできず、数か所で調べてみると埼玉の図書館にはもう配架されていた。

夜、「コロナ禍日記」を読む。思ったより職業、居住地、作風など幅広い執筆陣。表紙の著者の文字、50音順で並べてうまいこと組んだな。図書館で順番待ちもせず借りられたが、今が読むタイミングとしてドンピシャだ。だいたい2020年2月から5月の日記が収録されている。緊急事態宣言が明けるまででひと区切りのようだ。夏頃に同様の企画の本がいくつか出版された時、まとめるのが早すぎるんじゃないかと感じたが違った。


1/25(月)
7時半起床。朝食はあさりと豆腐の味噌汁、白飯。やっと晴れた。少しの時間だが布団を干す。空気がおいしい。家を出て、通勤電車の中で野口昭子「回想の野口晴哉」を読む。

回想の野口晴哉 ちくま文庫(の-7-3)

こういうときは偉人伝に限る。圧倒的才能でばんばん治療をし、人望も財力も手に入れていく。

職場にて、弁当のおかずはなすとオクラのおかか和え、から揚げ、枝豆。やがて退勤。スーパーへ寄り、しいたけやチンゲン菜、合い挽き肉、しょうゆダレにつかった鮭、キムチなど買う。すっからかんだった冷蔵庫の中身が復活した。夕飯はキムチやっこ、鮭とネギとじゃがいもを焼いたもの、白飯。食前から食後にかけてきのこを冷凍し、弁当をつくり、洗濯をした。NHKFM19時のニュースにて、東京都の感染者が34日ぶりに700人を下回るというニュース。その間に濃厚接触者の追跡をやめ、高齢者を優先的に検査しているという補足はされない。ツイッターでは映画秘宝の公式アカウントによる不適切なDMが炎上。

aikoの新しいアルバムのタイトル、ジャケットが発表される。

【Amazon.co.jp限定】どうしたって伝えられないから [初回限定仕様盤B(CD+LIVE DVD)](「オリジナル・ノート+ステッカー」(Amazon ver.)付)

「どうしたって伝えられないから」一発で覚えられない、細かいニュアンスの込められたタイトルだ。わたしがスニーカーが好きなのはaikoの影響だが、近年メディアに登場するときはブーツを履いていることが多く少し寂しい。パンツは柔らかそうなデニム。どうしてaikoがベストジーニストを受賞できないのか疑問に思っていた時代がわたしにも確かにあった。20年前の話。世間を知らなさがまさに子供。


1/26(火)
7時半起床。コーヒーをいれて、クロワッサンを食べた。今日も晴れ。通勤電車の中で「整体対話読本 ある」を読む。無印のノートカバーA5がぴったりだった。単行本につけようと買ったノートカバーだったが、たいていの本はノートより表紙がごついか中身が分厚いかなので合わなかった。 

整体対話読本 ある

楽したい、働きたくないというスタンスでいると結果的に運動量が制限されるので、かえって調子がとれず元気がなくなる体質の人もいるという話。働くことは動くこと。最近部署内でお互いのことを仕事しないと批判しあっている人らに揉まれ、部署内で平準化したほうがいいのかとか、自分が持っている仕事を共有したほうがいいのかとか考えていたがやはり放っておく。

職場にて、放っておくと決めた矢先に上司に呼び出しを受けたり、また揉め始めたりして腐る。弁当のおかずはさといもゆかり和え、合い挽き肉とチンゲン菜の炒め物。しょうゆとオイスターソースの味。やがて退勤。小雨の中フードをかぶってしのいだ。帰宅、風呂。夕飯は大根とベーコンの炒め煮、目玉焼き、白飯。

NHKFM「ベストオブクラシック」は遠藤真理のコンサート。ピアノは加藤昌則。NHKFMリスナーにはなじみ深い二人。レパートリーの幅広さに驚く。コンサートなのでMCはないが、笑える演目を用意してある。 

「チェロ・ソナタ第1番 ハ短調 作品32」
サン・サーンス:作曲
(チェロ)遠藤真理、(ピアノ)加藤昌則
(20分00秒)

「「チェロ・ソナタ」から第3楽章」
シェック:作曲
(チェロ)遠藤真理、(ピアノ)加藤昌則
(4分53秒)

「NATHA-VALSE」
チャイコフスキー:作曲
加藤昌則:編曲
(チェロ)遠藤真理、(ピアノ)加藤昌則
(2分52秒)

「熊蜂の飛行~または自分を「熊蜂」だと思い込んでいる悲しき蝿の悲しき運命~」
リムスキー・コルサコフ:作曲
加藤昌則:編曲
(チェロ)遠藤真理、(ピアノ)加藤昌則
(3分00秒)

「「夜のソナタ」から第3・第4楽章」
加藤昌則:作曲
(チェロ)遠藤真理、(ピアノ)加藤昌則
(11分46秒)

「花詠み人」
加藤昌則:作曲
(チェロ)遠藤真理、(ピアノ)加藤昌則
(4分06秒)

「Around the world 映画で巡る世界一周メドレー」
加藤昌則:作曲
(チェロ)遠藤真理、(ピアノ)加藤昌則
(11分38秒)

サウンド・オブ・ミュージック・メドレー」
リチャード・ロジャース:作曲
加藤昌則:編曲
(チェロ)遠藤真理、(ピアノ)加藤昌則
(8分56秒)

ムーン・リバー
ヘンリー・マンシーニ:作曲
加藤昌則:編曲
(チェロ)遠藤真理、(ピアノ)加藤昌則
(2分42秒)

「森の静けさ 作品68第5」
ドボルザーク:作曲
(チェロ)遠藤真理
(5分05秒)
<エイベックス・クラシックス AVCL-25369>

「コラール」
加藤昌則:作曲
(ピアノ)加藤昌則
(7分00秒) 

食後、「コロナ禍日記」を読む。王谷晶の日記の文体に抵抗があったが、徐々になじんでくる。怒りながらがっつく米がおいしそう。わたしも明日の朝米を食べたくなり、予約炊飯する。成城石井で買った卵が198円と思えないくらいおいしいからこれで卵かけご飯にしよう。殻は固いし白身はつるんとまとまっているし黄身はぽっこりツヤツヤだ。新商品らしいのでお試し特価かもしれない。今後は特価でも298円くらいまでしか下げないのではないか。

その後、幸田文「動物のぞき」も読む。

動物のぞき

見事。好きな作家が増えて嬉しい。キリンの章で延々と競馬場の馬の話をするところが最高。

ツイッターにて、イオンの就業時間内禁煙に怒る人多数。弊社のジジイは普段から喫煙所でダラダラしている癖にサーバーダウンなどの非常事態においても喫煙所へ逃げていくようなバカ野郎どもなのでそれくらいしてくれればいいのにと思う。「ひとりで考えられへんのか?」とわたしとメロン好きの間で話題に。溜まり場に溜まりたくなる感じがわからない。しかし、この発想をそのまま対策に結び付けるのは安直だと思う。


1/27(水)
8時前起床。朝食は卵かけご飯。キムチともみのりものせた。気温は高く、曇っている。通勤電車の中で田辺聖子「小町・中町浮世をゆく」を読む。

小町・中町 浮世をゆく (ちくま文庫)

だいたいこの表紙どおりの中身。晩酌中継だ。

職場にて、弁当のおかずは鮭とじゃがいもの炒め物。部屋の窓を開けて風を浴びながら食べる。外気最高。観葉植物の向きを変えて、奥の葉っぱにも光があたるようにした。最近花粉が飛び始めたようで、花粉症の症状が出ている人をツイッターで見かけた。言われてみれば痒いので、目を触らないように気をつけたい。

やがて退勤。ここ数日暖かいので、街にパンプスを履いて足の甲を出している人が増えた。ドラッグストアに寄って冷凍うどん、ケチャップ、チョコレート、バランスパワーなど買う。帰宅、風呂。夕飯はうどんカルボナーラ。具材、解釈の振れ幅が大きい料理なのでつくる度にツイッターに画像をアップしている。フライパンの温度が高すぎたのか卵が麺に絡む前に熱されて炒り卵状になる。今「ぐざい」と打つと「Ξ」が出てきた。ギリシア文字らしい。ラジオからはブラームス交響曲第1番が流れている。いつ聴いても深刻で音程がとりにくそうでリズムを刻むのがしんどそうな曲。夕食後、彼氏が職場の様子はどうかと連絡をくれる。ラインで思う事を投げていると、何が不満なのか整理されてきた。助かった。NHKFM「ミュージックライン」は緊急事態宣言発令以降、ゲストトークが再びリモートになっている。