0304-0309

3/4(木)
7時半起床。電灯もストーブもつけたまま眠ってしまった。弁当の用意もしていない。コーヒーをいれて、水菜とツナを蒸してつまむ。卵焼きを作って弁当に入れる。よく晴れていて日差しも強い。通勤電車の中で梶谷いこ「『恥ずかしい料理』制作日誌」を読む。2周目でわかることが思いのほかたくさんある。日記も感染症も。なぜわたしのあのツイートをふぁぼってくださったのか。なぜアルミのフライパンを手に入れた際に狂喜されていたのか。今は昨年のGWあたりを読んでいる。一度目の緊急事態宣言発令時の会社員(「気楽な稼業」)の暮らし、平日は職場の上層部に翻弄されて休日は奇妙に穏やかでおいしいものを食べている感じ、ネット上ではクリエイターが様々な配信を初めて外は春うらら、というあの感じを追体験している。

職場にて、弁当のおかずは水菜とツナを蒸したもの。味付けはなし。もみのりをかける。あと卵焼き。午後、整体に行ってみたいとか、自力整体をやってみるのが先かと考えていて、大学生くらいのときに母親が自力整体を勧めてきたときはまったく興味がわかなかったことを思い出した。整体以外でも親の言うことがまったく響かないので言う事を聞かないが、これは活字になっていないからではないか。本とか、ネットで見たことまでもっともらしく感じてしまうのは活字になっているからか。ここ1年ほど、聴覚がポンコツで活字が大好きな自分を意識している。

やがて退勤。帰宅、風呂。NHKFM19時のニュースにて、政府は首都圏の緊急事態宣言を2週間延長する見通し。夕飯は咖喱屋カレーのチリトマト味。鶏ミンチとホワイトセロリのオムレツのせ。ナンプラーの味。この一皿は彩りも味もよかった。ホワイトセロリは筋がなくて使いやすい。夕食後、自分の日記を読んで冷蔵庫内のちくわが2週間前に買ったものであることがわかり、片栗粉と塩と青のりをつけて磯部揚げ風にした。チーズも添えて、白ワインで晩酌。ホロスコープの見方を調べる。いこさんの日記で山口一郎のホロスコープを見てひたすら面白がっているのを読んで。わかる人はパッと見で爆笑したり、何杯かお酒が飲めたりするんだろうな。


3/5(金)
8時起床。コーヒーだけ飲んで出勤。通勤電車の中で梶谷いこ「『恥ずかしい料理』制作日記」を読む。職場にて、弁当のおかずは鶏ミンチとホワイトセロリのオムレツ、ちくわ磯辺揚げ。

やがて退勤。図書館へ。雑誌コーナーで「母の友」を読む。

母の友 2021年4月号 特集・今の時代のコミュニケーション/付録・『ぐりとぐら』特製なまえシール

厚みはないが内面は充実していてカラーページも多く、イラストもマンガも線のきれいな作品が多い。前回手に取ったのは柴田聡子がエッセイを寄せていたからで、今回は「恥ずかしい料理」の書評をチェックするため。ひとつの書物が出版され、版元が宣伝、情報発信をして、やがて外部の人の書評が掲載されるところまで追いかけるのは初めて。こんな感じで広がるのか。

特集ワゴン棚は「萌えいづる春に偏愛本集めました!」カウンター前にこれだけ集めてもらえると他階のフロアへ行かなくてもいいくらい。月末までの特集なのでもう一度くらいここから借りられるか。顔ハメ看板の本を借りた。若菜晃子「地元菓子」もあった。

地元菓子 (とんぼの本)

これは家にある。いい本。図書館を出てイオンへ。今月末で閉店する店舗。エスニック料理の材料など動きの少なそうな棚は発注を抑えているようだ。残っていたナンプラーを買う。ダル用の豆を探したがインゲン豆しかなかった。カレー屋で出てくる好きなやつはひよこ豆じゃなくてムングダル(緑豆の挽き割り)であることを調べてきたのだが。そして家にあるひよこ豆とインゲン豆は何に使おうかな。帰宅、風呂。夕飯はフォー。あさりとセロリを入れた。食後、金星について調べる。

ツイッターにて、井上涼くるりの公式アカウントの投稿をリツイートしていてファンファンが脱退したことを知る。会社のようなバンドだな。そういうバンドがもっとあってもいいと思う。


3/6(土)
8時起床。電灯もラジオもつけっぱなし。尾崎裕哉の声を聞いた覚えがないので22時台に寝落ちしている。コーヒーをいれて、イオンのホットビスケットを食べた。ふたつで150円。安く感じたが成城石井のと単価は似たり寄ったりか。成城石井のホットビスケット、アメリカンクッキーに半量パックがあればな。ぐずついた天気の中出勤。電車内でブルボン小林「ザ・マンガホニャララ」を読む。

ザ・マンガホニャララ 21世紀の漫画論

ひとコマずつ引用されているのだが、そのチョイスとキャプションだけでも視点のよさがわかる。既刊は絶版、電子書籍の案内がされている。版元も文藝春秋ではなく、クラーケン。そうなるとクラーケンが気になってくる。

書店員の皆様へ
クラーケンの商品はトランスビュー扱い(直取引は随時返品可の委託。取次ルートは買切)です。
クラーケンコミックス/クラーケンラボの商品は日販、トーハン楽天ブックスネットワーク、中央社など、どの帳合の書店様にも鍬谷[クワタニ]書店扱い(委託、随時返品可)で納品いたします。どの帳合の二次経由でも委託となります。

金色のガッシュ!!の完全版を出していることがプッシュされている。やがて退勤。カレー屋へ。新地の駐車場の車はでかい。ダルバートダルバートスペシャル、週末ダルバートスペシャルの三択だったが注文時に整理がついておらず、週末ダルバートスペシャルを注文しようとしてダルバートスペシャルと言ってしまった。お腹がパンパンになったし満足したので別にいい。電車や街の人出から、もっと混んでいるかと思ったが空いていた。店のテレビでは上司にしたい芸能人ランキングが延々と放送されている。もうテレビのつくりが通常営業に戻ってしまった。戻った先がコレというのが嘆かわしい。

カレー屋を出て、シカクへ。初めて行った。ZINEがたくさんあり、陳列の仕方、見本も充実しているところなどに専門店ぽさを感じる。中村杏子個展「日々桃源郷」が開催中だった。自分が絵の部屋に入っていけるような楽しさがあった。ステッカーと、山本佳奈子 「大阪の中華食材店と中華料理屋への若干の所感」を買う。カロで「調査されるという迷惑」の隣に並べてあった理由がわかった。知らずにどちらも所持することとなった。

映画館へ。キム・ボラ監督「はちどり」を観る。

はちどり [Blu-ray]

韓国映画はテンコ盛りで過剰だなあとこの作品でも思う。死ななくていい(とわたしは感じた)人まで死ぬ感じが。しかしこの、特に家庭内の嫌さを掬い取って一本の映画にするという気概にはあっぱれという気持ち。自分が病気になったときの母親の「ふーん?」みたいな気のない様子、食卓での兄や姉のあてにならなさ(見事なキョトン顔)。父親も兄も暴力をふるっておいていきなりギャン泣きして許してもらえると思うなよ、とムッとするが、尺が足りなかったか。描きたいのは枠組みだろうし。

スーパーへ寄ってせり、わさび菜、アスパラなど買う。帰宅、風呂。夕飯はせり鍋。 開店閉店ドットコムというサイトをたまに見ているのだが、この日も見た。どこからか情報を集めてショッピングセンターからラーメン屋まであらゆる店舗の開閉情報を掲載してある。近畿日本ツーリストが数店舗立て続けに閉店していた。ビアードパパセカンドストリートが次々にオープンしているのは前見た時と同じ。


3/8(日)

11時半起床。せり鍋のシメのうどんを食べる。洗濯、そうじをして「ザ・マンガホニャララ」を読み終え、塩谷朋之「顔ハメ百景長崎」を読む。

顔ハメ百景 長崎天領ぶらぶら編

 

 

吉村昭が何本ものエッセイでベタ褒めしているので、長崎は気になる街。図書館にこういう本を入れるんだなという驚きもあった。ブックコートフィルムでくるんだ時に、薄くて小さい本のよさはとくに失われてしまいやすい。中身はオールカラーで楽しい。幼児用の足場がしっかり組んである上に後退できないとか、すごく低いところに顔の穴があるとか、穴どうしの距離が近いことが原因でハマるのが難しい看板があることを知る。以後意識して看板を見ることになるだろう。穴が開閉式になっていて元の顔がわかるようになっている看板があることも初めて知った。

夕方、アサヒのおつまみレシピで見た、みたらし団子を豚バラで巻くというののやってみたさがわたしを薬局に連れて行った。みたらし団子、食パン、牛乳、生ごみネットを買う。帰宅。いんげん豆の水煮とツナとわさび菜のサラダをつくって食べ、みたらし豚バラ団子をつくって食べた。寒かったので焼酎のお湯割りも飲んだ。昨日持ち帰ったフリーペーパーを読みながら。食後、「ザ・マンガホニャララ」で取り上げられていた「パレス・メイヂ」を読む。

パレス・メイヂ 1 (花とゆめコミックス)

ちゃんと史実を押さえた上で創作していると評価されていたが、わたしは史実を知らないんだった。陛下の横髪が後ろにカールしているのがマンガの黒髪ロングのシルエットとして新鮮な感じがする。後ろや横からでも顔がどっちを向いているかはっきりし、コマの中に方向性が出ていい。


3/8(月)
7時半起床。コーヒーだけ飲んで出勤。用意をせずに寝落ちしたのでそのへんにあるものを弁当にする。通勤電車の中で田中宣一「暮らしの革命 戦後農村の生活改善事業と新生活運動」を読む。

暮らしの革命―戦後農村の生活改善事業と新生活運動

図書館の蔵書検索システムに「公民館 結婚式」と入力するとヒットした本。どれだけ記述があるかわからないが、他の項目も面白そう。日本の贈り物は互酬性で、そのことが慣例の見直しがうまくいかない一因になっている。

職場にて、弁当は豆とツナとわさび菜のサラダ、大きなハムタマゴパン。昼休み、radikoのタイムフリーでaiko出演番組を聴く。TOKYOFM「Monthly Artist File -THE VOICE-」。最近、アルバムのプロモーションで1時間番組を担当したりしている。アルバムの収録曲が書かれたカードを引いてコメントをつけて流す、という即興性の強い進行もそつなくこなし、エンディングのフリートークもファンが気になっていたしゃべくりセブンとNYLONの仕事でのエピソードをポンポンと語っていてやっぱりラジオがうまいなと思った。ヌーブラのエピソードをぶっこんでくるあたりヌルコムとノリが一緒。NHKFMにはなぜか来ないので、ヌルコム以外では聴いたことがなかったのだ。ロキノンのインタビューを受けないことを不思議がっているツイートも見た。

やがて退勤。格安スーパーに寄ってしょうがクッキー、咖喱屋カレーのチリトマト味、激安の割に飲めた謎ブランドのインスタントコーヒーを2つずつ買う。しょうがクッキーとカレーは通算10箱弱食べている。帰宅、風呂。夕飯はアスパラの炊き込みご飯。黒胡椒と炊いてバターで炒めたアスパラを混ぜ込んだ。あとそうめんを使ったチヂミ。キムチとチーズを入れた。代用品を使うレシピは山本ゆりさんのを参照すると行き届いていていい。「水で濡らしたフライ返しでおさえながら広げていくとうまいこといきます。濡らさんかったらめっちゃくっついてきてイラッとします。」

食後、「暮らしの革命」を読む。公民館での結婚式は簡素化を願う当事者から生まれたもので、農村の青年団員の結婚問題を改善するねらいもあった。前日の挨拶回りを省略して拡声器で式の案内をしてはどうかという意見に笑ってしまったが、議事録によると何度も検討されていて大真面目な様子がうかがえる。この意見は採用されたらしい。他の章のキーワード:「若妻学級」「生活改良普及員」「山本松代」GHQの肝いりで始まった生活改良事業は普及員に女性を採用し、モノやカネでなく教育をゆきとどかせるためのものだった。普及員が改善しようとしていること自体は現代と共通するものがあると感じた。


3/9(火)
7時半起床。コーヒーをいれて、ホットビスケットを食べた。味がついていないものなんだなと思いつつ何もかけずぎちぎちの断面を眺めていたら食べ終わった。瀬尾幸子「これでいいのだ!瀬尾ごはん」を再読してから、味をつける前に食べてみるようになった。

これでいいのだ!瀬尾ごはん: 台所まわりの哲学 (ちくま新書)

素材ごとに味がちゃんとあることがわかる。ラジオからはドヴォルザークの弦楽セレナーデが流れていて幸先がいい。職場にて、弁当のおかずは豆とツナとわさび菜のサラダ、卵焼き、アスパラの炊き込みご飯。醤油やだしを入れない炊き込みご飯は冷めたら味気ないことがわかった。

昼休み、昨日に引き続きradikoaikoの番組を聴く。FM802BINTANG GARDEN aiko VS You Vol.2」。酔った安田顕から早朝に電話がかかってきて「今ビリーホリディを聴いているんだけどaikoさんは弾き語りをやったほうがいい」と言われたらしい。弾き語りについては触れなかった。あまり人前でやらないのは例えばボーカリスト志向のような、パフォーマンスについての考え方によるものだろうか。歌いながらめちゃくちゃ動くもんなあ・・・。

また、aikoに影響を受けてファッションが好きになり、古着屋で働いているがムカつくこと多し、特にサービス残業!というリスナーから「aikoはムカつくけどやっている事ある?サービス残業についてどう思う?」とメッセージが来る。作品制作の現場と定時の組み合わせの悪さ!こんなん答えられへんやろと思ったが、これを採用して「私はサービス残業させている側の人間やと思う」と話す。「体育会系の現場で育ってきたからさみしいと思ってしまう、アカンけど」「だから少しでも現場が楽しくなるように振舞っているけどそれが届いているかはわからない」と。SONGSに出演した時に大泉洋と「スタッフにうっとうしがられてたらどうしよう」という話もしたらしい。ふたりとも長年のキャリアがあり、現場ごとにそれなりの待遇を受けているがそのまま受け取っていいものなのか。aikoの場合は「虎の巻」のようなものが代々のマネージャーに受け継がれていて、ライブの日はポカリスエットと水を半々に混ぜたものを用意する、など書かれているらしい。自分の持つ権力が及ぼす影響について意識していて安心するトーク。この内容をラジオでリスナーに向けて発信されるとそれはそれでやりづらいのかもしれないが。

やがて退勤。図書館へ寄り、予約した本を受け取る。金曜も見た特集棚がよくて借り過ぎて重い。帰宅。お腹が空いたのでチキンカツを食パンに挟んで立ち食い。風呂に入り、納豆ご飯を食べた。

食後、宮嶋康彦「たい焼の魚拓」を読む。

たい焼の魚拓 単行本


「日本カバ物語」の著者の本が特集棚に出ていた。カバでもたい焼きでも、ちょっとしたドラマを付与するのがうまい。ほろっとする。店主にインタビューすると高確率で「泳げ!たいやきくん」フィーバーの話になるが、それも制作当時、2000年くらいまでのことかもしれない。わたしは天然物(ひとつの焼き型で一匹しか焼けない)どころかたい焼きそのものをろくに食べたことがないかもしれない。たい焼きの皮はパリパリが主流であることもピンとこないほど。フニフニのイメージはたい焼き風のまんじゅうとか、モナカアイスのものか。数年前にベーコンエッグたい焼きを食べた覚えはある。おいしかった。

田村美葉「すごいエスカレーター」

すごいエスカレーター


特集棚にあった。最近著者のSNSかホームページを見かけていたが、充実していてもブラウザで読み通すのは難しい。本としての質量、始まりと終わり、あと図書館の返却期限はわたしにとって必要なもの。

オールナイトニッポンMUSIC10の枠が山野ビッグバンドジャズコンテストの特番になっていて、興味深く聴いた。今年はバンドごとに動画を用意してオンライン演奏会形式。そういえば新歓用サークル紹介冊子でビッグバンドがこのコンテスト出場を実績として書いていた気がする、というくらいで音源を聴いたことはなかった。「この曲!昭和の香りがします」「私達世代は泣いてしまいます」と紹介された曲の懐メロ具合がわからない。ビッグバンドのレパートリーは未知。


3/10(水)
8時前起床。飲酒もネットもしないで寝たのに昨日からずっとうっすらだるい。気候の問題か。LINEの日記のオープンチャットのメンバーも不調のようだ。コーヒーをいれて、マヨネーズトーストを食べた。弁当用にベーコンエッグを焼く。通勤電車の中で山下泰平「『舞姫』の主人公をバンカラとアフリカ人がボコボコにする最高の小説の世界が明治に存在したので20万字くらいかけて紹介する本」を読む。

「舞姫」の主人公をバンカラとアフリカ人がボコボコにする最高の小説の世界が明治に存在したので20万字くらいかけて紹介する本

よく借りられているのかそこそこくたびれている。ブログやツイッターだといちいち原本画像が引用されるところが普通のテキストで、この点に限って言えばブラウザの方が魅力的だ。明治時代のスピード感を説明するのに海水浴が例示されていて海水浴史好きとしては嬉しい。資料が集めやすかったかららしい。

職場にて、弁当のおかずはベーコンエッグ、豆とツナとわさび菜のサラダ。やがて退勤。帰宅。空腹でぐったり。ナッツとしょうがクッキーを食べて風呂。ここ数日、空腹でぐったりするが食べるとやや胃もたれ気味になる、の繰り返し。火曜くらいから「今日が金曜じゃないなんて信じられない」と感じている。ちょっと横になって小林真樹「日本の中のインド亜大陸食紀行」を読む。

日本の中のインド亜大陸食紀行

阿佐ヶ谷書院が気になって図書館の蔵書を調べると、3冊あった。もう一冊はそうと知らず数年前に借りて読んだ「南インドカルチャー見聞録」。

南インドカルチャー見聞録

カラーページの発色がよかったことを覚えている。発色の良さと、ページ数の割に軽いことが3冊に共通している。知らない材料、料理、地名が入り乱れて日本語なのに内容がサッパリな箇所があるが、自分の興味に合わせて調べるのがよさそう。夕飯はスパゲティナポリタン。いつもはウインナーだが、今回はベーコン。成城石井のベーコンは何種類かのスパイスが効いていて、どこを齧るかで違う味になるので何度も驚く。奮発した甲斐があった。