1202-1209

12/2(木)
コーヒーをいれて、ピザトーストを食べた。よく晴れている。家を出て、通勤電車の中で『クッキングパパのレシピ366日』を読む。

クッキングパパのレシピ366日 (講談社+α文庫)

「おばあチャーハン」のレシピのイラストの中の手はちゃんとおばあさんの手になっている(荒岩のレシピは荒岩の手で、腕には腕毛が生えている)。

職場にて、弁当のおかずはかぶを花山椒とポン酢漬けにしたもの、鮭フレークの炒り卵。午後、後輩が郵便物から消印のついた切手を切り取っている。前任者の時から、とあるおっさん社員に渡すことになっているという。おっさんに「切手どうするんですか?」と尋ねると、何のこと?ととぼけた後、「ちょっと…」「強制じゃないから」と濁す。この返しで、得意先がらみでもないことがわかった。黙って頼まれてくれる事務員にはぞっとするほどしょうもない頼まれごとが回ってくる。恥を知りなさい。これは昔松島初音のブログで見た、無礼なファンに対する怒りの言葉。

やがて退勤。帰宅、風呂。夕飯はさつまいもご飯、かぶとウインナーのカレーシチュー。シチューを煮る間にちょっと楽器を弾く。食後、WEBマンガを読む。「ほっかほか!なにわリーマン」「九龍ジェネリックロマンス」、あとつづ井さんのマンガ。

村上龍五分後の世界』の中で、主人公がトロッコに乗り合わせた女性の荒れた唇にメンソレータムのリップジェリーを指で塗ってやる場面がある。女性はリップジェリーを知らない様子。『半島を出よ』にもポケットティッシュを知らないコリョのモノローグがあって、好きな部分。メンソレータムのリップジェリーがどういうものか気になって調べる。執筆されたのはだいぶ前なので缶入りの軟膏をそう呼んでいるのか。キザだなあ。とニヤニヤしたが、ちゃんと緑色のパッケージのリップジェリーが発売されている。

【医薬部外品】メンソレータム 薬用リップジェリー 8.0g

12/3(金)
起きてラジオをつけると、関東各地の震度が発表されていた。山梨県震度5。半開きになっていた楽器ケースをしっかり閉める。コーヒーをいれて、ピザトーストを食べた。家を出るまで時間があったので村上龍五分後の世界』を読む。

五分後の世界 (幻冬舎文庫 む 1-1)

作中で社会の教科書の一部として出てくる文章が村上龍のもので笑ってしまう。

家を出て、通勤電車の中で美術手帖の女性作家特集号を読む。

美術手帖 2021年 08月号 [雑誌]


職場にて、始業早々に地震。強い揺れが長く続く。揺れながらツイッターを開く。和歌山で震度5。数日前、冷蔵庫の上に額装されたきゅうりトーストの写真を出したばかり。これからは楽器と一緒に気にかけるようにしなくては。冷蔵庫のドアも気になる。ガスも計器をいじらないとつかないかもしれない。すぐに帰りたい。ふと見ると、一年目の後輩が心細そうにしている。「なんかみんな冷静ですね、机の下にもぐろうかと思いました」みんなどうしていいかわからなくてニヤついているだけで、もっと強い地震が起こっても誰も指示とか出せないよと思う。倉庫は大丈夫なんだろうか。セコムはピーピー鳴る。この場の地盤のゆるさなど説明。弁当のおかずはさつまいもご飯、コーンと粉チーズの炒り卵、ゆでたほうれん草。カルディの粉チーズのふたが開けづらい。タオルがないと開かないし、使い終わる前にちぎれそうな安っぽさ。やがて退勤。帰宅、風呂。夕飯はブロッコリーと豆を煮たもの。

12/4(土)
コーヒーをいれて、ピザトーストを食べた。

9時ごろ家を出て、電車の中で『イランの家めし、いただきます!』を読む。

イランの家めし、いただきます! (わたしの旅ブックス)

この読みやすさは何なんだろう。

10時、天王寺着。Mと合流。ハルカス美術館の「コレクター福富太郎の眼」を鑑賞。展示室は思いのほか乳首だらけ。裸婦像が多いという意味。わたしもエッチで暗い絵が好きなので楽しく見るが、つきあわせたMが気になる。見る人を選ぶ作風だ。後ろを振り返ってMの姿を探すと、わりと時間をかけて見ているようでほっとする。キャバレーの楽屋裏を描いた絵巻物のような作品、伊東深水「戸外は春雨」がとくに気に入った。係員が「会話はご遠慮ください」という紙を持っていて、室内はしんとしている。やたら広いミュージアムショップを出たところでMは「結局、仕事でさんざん現実の女性を見て、絵の中の女性に夢中になった人ってだけじゃないのかな」と言っていた。作品よりキャバレー王福富太郎が気になったらしい。話しているとロッカーに荷物を置き忘れかける。ふたりともうっかりしたところがあるが、動線がよくないので美術館としてはあまり好きではない。ハルカスの展望台の手前という立地から今まで避けていて、実際行ってみてもやはり無理があると思った。展示はよかった。

昼食前に近鉄百貨店のシーキューブで菓子折りを買う。MはWAONのカードを出して「ポイントがたくさんつくからWAONのカードを作ったものの」と話し始めたところで残高不足がわかり、ペイペイで支払っていた。どういうところが使いにくいんだろうか。わたしはスギポイントしかない世界に住んでいるので関係ないが…と思いながらMに千円札を渡した。

昼食はわのわカフェでとった。ダルバートを注文。全体的にお酒が進みそうなガツンとした味付け。Mは「ネパール料理屋でこういうのはあまり見ない」とラーメンのようなものを頼んでいたが、麺も具もどんぶりギチギチに入って出てきて半分以上残していた。味は普通だったらしいが連れてきた手前、店にいる間中気まずかった。同席していても何も言えなかったが、レジで店員さんが「ちょっと難しかったですか?」と声をかけていた。いつも堂々として気持ちのいい方だ。「いや、量が多すぎて」と返すM。向かいのドライフルーツ屋は店を出た後、「ちょっと面白かった、ありがとう」と言われたのでよかった。Mは疑問に思ったことを「すみません」とかの声掛けもなく連れに話しかけるようなスピード感で店員に質問する。これはシーキューブでもそうだった。「ピスタチオに生ってシール貼ってますけどそのへんで売ってるのは生じゃないんですか?」ローストらしい。「うちのお客さん100人おったら90人は生のまま食べてる」と店のおじいさん。「現金持って行って1トン単位で買いたたかないとこの値段にはならない」とも言っていた。店内には孫とおぼしき赤ちゃんの写真がいっぱい。A4サイズに引き延ばされている。

午後、共通の知り合いの出演する演奏会へ。「あれだけ弾ける人が集まってるんだからもうちょっとガツンと(音量が)来てもいいのにね、ホールの音響かな」と言い合った。前にもこんな話をした気がする。アマオケは見るよりやる方が面白いと思う。

Mと別れて近くのシェア型本屋に寄り、棚の商品の並べ方を見る。プラスチックの文庫本収納棚より段ボールの棚の方が見栄えがいい。古本屋といえど、カバーがボロボロの本がたくさんある棚は購買意欲が失せる。その後GAPへ行ってダウンジャケットを買う。最後にカルディに寄ってレープクーヘンを探す。店員ふたりが「ホリデープロフェッショナル、ホリデープロフェッショナル」と品名?を唱えながら商品を探していて、わたしの頭の中からレープクーヘンが消し飛びかける。結局レープクーヘンはなかったが、ポップを見る限り大体同じ味なんじゃないかと判断して違うスパイスクッキーを買った。帰宅、風呂。夕飯はナッツ、ドライフルーツ、バナナチップスなど。おでんも作ったが、お腹いっぱいになってしまった。TMとクリスマス菓子についてLINE。買ったクッキーについて、「袋が変な破け方したけど裸でそのへんに置いといてもそうそう傷まへんのちゃうかというくらい甘い」と書き送る。

12/5(日)
コーヒーをいれて、ピザトーストを食べた。ちょっと楽器を弾いて、昼食にかぶとツナのスパゲッティを食べて、昼前に家を出る。アマオケの練習が始まって終わった。行き帰りの電車の中では、若菜晃子発行の冊子『murren』を読んでいた。練習中、ふざけた態度をとってきたおっさんがいたので「なんでやねん!」とタメ語でブチ切れたが練習場に怒りを置いてくることができず。帰宅、風呂。おでんに小籠包をブチ込んでグラグラ沸かして白飯と一緒に食べた。

寝る前に村上龍五分後の世界』を読み終えた。なんやかんや言って終盤の戦闘シーンは圧巻。『空港にて』収録作のような、同時進行描写が好きなのだ。

12/6(月)
コーヒーをいれて、ちくわトーストを食べた。スパイスクッキーも食べる。家を出て、通勤電車の中で若菜晃子『旅の断片』を読む。この思索がいい。

旅の断片

職場にて、弁当のおかずはかぶを花山椒とポン酢に漬けたもの、オクラと粉チーズの炒り卵。午後、アドベントカレンダーのチョコを取り出して食べる。3日分。職場に置いておくと休みの日の分が月曜日に回ってくる。やがて退勤。ドラッグストアへ寄る。JOYの新容器が出ていた。逆さに置いておいてそのままスポンジに垂らせるもの。同型のディスペンサーがあることは知っていたが、通販しかなくて見送っていた。今は片手でつけられるようにコットン用のポンプを使っているが、汚れがたまるのが気になっている。とりあえず買ってみることに。

その後手の消毒液を探すが、想定していたビオレママのイラストのついた手頃なサイズのものがない。白衣を着たキレイキレイの母親のパッケージのものはあった。上田三根子の描く人物は本当におしゃれ。今調べたらキレイママでいいらしい。キレイパパは電気製品のエンジニアでアメリカの工場に出張中。キレイキレイのはアルコールと明記していなくてなんとなく不安。他にもいろいろあったが上から押すタイプではなくトリガーがついていたりしてこれというのがない。結局「プロが使う」とか書いていて胡散臭いが「速乾」とあるものにした。

帰宅して気づいたが、泡で出ないボディソープを買ってしまった。この失敗は2回目。泡で出るタイプのものとそうでないものの間に、安い!と飛びついてしまうくらいの価格差がある。あと、粉末のミルクティーを買ってくるのを忘れた。売り場にブレンディの30本入り398円と、ネスレの24本入り298円があって、おいしいことがわかっているブレンディにしたいけど30本もいらないとか、この際ネスレでもいいではないか安いしと迷って後回しにしたらカゴに入れるのを忘れた。こういった些末なことを悩み続けるほど脳の容量がないし、ちょっとしたことですぐ動きが悪くなる。風呂。夕飯は厚揚げ丼。バターにんにくポン酢の味。食後、ふうせんかずらの貸し棚に置くペーパー作り。コラージュにはテレビ情報誌を使うのが一番はかどる。

12/7(火)
雨。コーヒーをいれて、マシュマロトーストを食べた。アーモンド(生)と大豆も。ラジオからは「ミシシッピ」という副題のついた交響曲が流れている。1楽章は雄大な川の流れを感じさせる曲だったが、終楽章ではサイレンが鳴ったりするどんちゃん騒ぎとなっていた。ビーンブーツを履こうか迷ったがスニーカーで家を出る。

通勤電車の中で城崎国際アートセンターのプログラムを読む。読んだつもりで捨てようとしていたが、今朝何気なく手に取って読み返すとなかなかいいので持ってきた。劇団「贅沢貧乏」の面々による滞在制作の振り返り。感染状況が悪化し、滞在制作前夜に話し合いが持たれたという。結果、個人で行くことに。「滞在先で”たまたま”メンバーに会ったら何か一緒にやろうって誘ってもいい。「昨日は演劇やりたいなと思ってたのに今日は違う気持ちになってたり。みんなで話し合う時も行きたいって言葉では言うんだけど、本当にそう思ってるのかどうかはわからなくて。もう誰か第三者に決めてほしいって思ってた。」「みんながどれぐらい何を不安に思ってるかってわからない状況だったよね。みんながお互いに気を遣い合ってて。そういう意味で団体の意思を決められる状況じゃなかったっていうことだよね。」「さっき言ってた気の遣い合いの上級編みたいなことを日々するのは結構しんどいんじゃないかなって思って。」「気を遣うって普段だったらすごい優しくていいことだけど、相手を追い詰めることになる可能性もあって、それを考えるきっかけになったなってすごい思う。」「滞在中に『未来の奴隷になりたくない』みたいな話したよね。未来にこうなりたいとか未来の予定のために今の自分を犠牲にしすぎてるんじゃないかっていう」

職場にて、弁当のおかずはあさりこんにゃく、目玉焼き、パリパリごまわかめふりかけ。ふりかけはこれでおしまい。

やがて退勤。帰宅、風呂。夕飯はこんにゃくとしいたけとピーマンの炒め物。ごま油で炒めてにんにくバター醤油でソースを作るという白ごはんドットコムのレシピ。しかしこんにゃくの下処理が終わったところでいきなりフライパンにマーガリンを入れて熱してしまい、仕方がないので小松菜を炒めた。これは弁当のおかずにする。多めに切ってあったピーマンをウインナーとなすとソース炒めにする。これも弁当のおかずにする。残ったウインナーでソース炒め後のフライパンで目玉焼きを作り、天かすとネギをのせる。これも弁当のおかずにする。こうして夕飯はどんどん遠のいていったが、なんとかレシピ通りにこんにゃく炒めを作り上げることができた。納豆卵かけごはんと食べた。こんにゃくの下処理はきちんとした方がいい。あさりこんにゃくは塩をもみこまなかったのでぼんやりした味になった。

食後、貸し棚に並べる本の値付け。もう一度読み返すことはしないとしても、こうした作業を通して改めて蔵書と向き合えるのはいい機会。並び順も迷う。均一棚を作りたいが、ジャンルごとにもまとめたい。つくづく、ふうせんかずらくらい棚が大きいと遊び方が広がって楽しいし、観光地にあるというのも特徴的だと思う。イベントの日に一日中観察していた、お店やお客さんの様子からも想像が膨らむ。お店の存在を知らずに入ってきたような観光客のカップルや家族連れも、案外じっくり棚を見ていた。

12/8(水)
曇り。日中晴れ間があったとしても、もうなかなか朝からぴかぴかの晴れにはならない季節。コーヒーをいれて、レモンチーズトーストを食べた。家を出て、通勤電車の中で『LOCUST』4号を読む。長崎に行った人、長崎に行かなかった人。昨日読んだ城崎国際アートセンターのプログラムには城崎に行った人、城崎に行かなかった人のことも綴られていた。ミラクルひかるのことも綴られていた。ミラクルひかる!?と思いよく読むと、豊岡の演目に参加しているという。ネットで調べると豊岡出身らしく、過去には成人式に呼ばれたりしている。

職場にて、弁当のおかずは小松菜とアーモンドをマーガリンで炒めたもの、ウインナーとネギと天かすの目玉焼き。昼休み、カロブックショップのオンラインショップにノーブラZINEが掲載されているのを発見。

calobookshop.shop-pro.jp

内容説明も写真も最高。自分ではどうしてもうまく撮れなかった、小口の部分がかわいらしく鮮明に写っている。シールがランダムに貼られていることにも触れられている。こういったことを販売ページに書いておくものなのか。覚えておこう。思いつくまま手を動かしてつくった冊子をこんなに丁寧に取り扱ってもらってありがたい気持ちでいっぱい。

やがて退勤。ミニストップセブンイレブンに寄ってZINEの印刷。帰宅、風呂、選択。夕飯は白飯、あさりこんにゃく、れんこんと厚揚げのオイスター煮。ウーウェンのレシピ。れんこんの「面の大きい乱切り」に苦戦。火の通りがよくなるらしい。食後、ZINEの製本。これで50部つくったことになる。手が早くなった。その後、貸し棚に並べる本の値付け。最初からジャンル分けするのはやめて、売れ行きを見て考えよう。