0616-0622

6/16(木)

起きてラジオをつけるとバッハの無伴奏チェロ組曲が流れ出した。コーヒーを入れて、トーストにミートソースとチーズをのせて食べた。キウイも食べる。おつとめ品しか買ったことがなかったが、そうでない品を買うと熟れてやわらかくなるまで思ったより日数がかかることがわかった。

通勤電車の中でトランスビュー発行のフリーペーパーを読む。『石橋毅史 本屋な日々88』。ジョン・ホロウェイ『権力を取らずに世界を変える』の表題の良さについて書かれている。

職場にて、情報発信にいそしむ。無視されがちだが、それはもうどうでもいい。批判ばかりしている、悪口ばかり言っていると思われてもいい。メールを見て、早速黙らせようとしてくる手合いが自席までわざわざやってきて「その必要性ある?」。「あると思いますよ」と返すとブツブツ言いながら去っていった。リングこさえたってんから上がってこいや。勇ましい気持ちになる。こしらえる=「こさえる」という言葉を使うことはなかなかない、「つくる」で済ませてしまう。父親はよく使っているなと今朝考えていた。ここは「こさえたってんから」だなと思う。弁当のおかずはナスのキーマカレー、目玉焼き。

午後、「そうだったらいいのにな」みたいな妄想が捗る。具体的には遊び相手とそのプラン。こんな状態になるのは本当に久々なことだ。学生の時に毎日毎秒片想い相手の妄想をしていた時こんな感じだった。妄想でお腹いっぱいになって完結してしまうタイプだったが、次から次へと妄想が湧いてきたものだった。飽きずに同じシチュエーションの想像をしたりもした。言ったら現実になる気がしていて、この感覚は学生の時には持てなかったもの。

帰宅、風呂。夕飯は白飯、ぼんじり、にらもやし炒め。ちいかわのアニメ「ひとりごつ」回に夢中。寝る前にツイッターを見るとノーブラZINEの追加発注の連絡が2件来ていた。先週Hさんがスペースを開かれ、Kさん共々ZINEをベタ褒めしてくださったおかげでやる気になり新潟のイベントふふふのZINEエントリーできた。あわせて「売るぞ!」とツイートしたのも良かった気がする。ここ2年くらいのことを思えばそれまでの10年のツイッター利用などROM専同然だった。お灸をして寝る。

6/17(金)

6時前に起きる。夜洗濯をして外干しするとカメムシがつく

 

decoi0222.hatenablog.com

ので朝洗濯したいと考えながら寝たら起きられた。洗濯。コーヒーをいれて、マシュマロトーストを食べた。家を出るまで時間があったので楽器の練習もする。

家を出て、通勤電車の中で片山洋二郎『骨盤にきく』を読む。

気持ちよく眠り、集中力を高める整体入門 骨盤にきく (文春文庫)

ショートヘアにしてよかったこと。頭髪をまとめたり留めたりしなくなったので頭蓋骨に触りやすくなった。縮まったりゆるんだり、尖ったりするものらしい。

弁当のおかずは失念。午後、「何、ダメなの!?」と社内の人間にゴネられたが、躊躇なく「っダメです。」と断ることができた。理由を説明するよりオウム返しの方が即効性があり、電話を終わらせられる。お腹(丹田)にグッと力を入れるとなおよし。話を聞かない人間に対しては、間をとって気を放つ。人間も動物であることを実感するひとときだ。

やがて退勤。自宅と反対方向の電車に乗ってカロブックショップへ。18時を過ぎてもまだ蒸し暑く、リュックを背負っている背中が汗だく。何度目かそろそろあやふやになってきたが、ノーブラZINEを追加納品する。通販のお客さんが落ち着き、店に来たお客さんが見つけて他の本と一緒に買ってくれるらしい。長く取り扱っていただき本当にありがたい。

店を出てマップを開くと、以前店の前まで行ったのに臨時休業だったカレー屋pimerがそう遠くないところにあることがわかった。元はバーだっただろうという内装。扉やカウンターテーブルの手前についている手すりなどが年季を感じさせる。アクリルスタンドが立っていることもあり、テーブルセットがコックピットのようだ。ランチョンマットのように畳が敷いてあり、紙ナプキンには店のロゴとキャラクターが印刷されている。カトラリーを入れる箱には一席ずつ違う柄の布がかかっていて、中からスプーンを取り出すと「カレーの奴隷」という文字と店のロゴが入ったオリジナルスプーンが入っている。お箸も入っているのが安心。こうして「畳」とか「カレーの奴隷」とかいう単語だけ書き出すとキワモノのような印象があるかもしれないが、全体的には清潔感があってとてもおしゃれな感じがした。カレープレートはトマトのポタージュカレー、豆苗と豆のキーマカレーのあいがけ。あいがけというか、これらのカレーと副菜でひとつのプレートになっていた。チリソースのかかった鶏は柔らかく、ポテトサラダからはハーブのいい香りがして、ベビーリーフやオクラの他にモロヘイヤまで入っていた。カウンターで一人で食べているときあるある、「ご飯の量大丈夫でしたか?」という声掛けを受ける。連れもおらず、ながら食べをしている訳でもないのに食べるのが異様に遅い。今日気づいたが、ここで「ちょっと多いです」と言うと残させてもらえるのだろう。方向性は違うが、ちゃんと辛いのに重くないところがガネーシュNのプレートに似ている。入店してから出るまでノーゲストだったが、土曜の仕込み作業のついでに開けているようだ。スタッフが野菜の葉の枚数、低音調理器具の設定などその都度確認しながら進めていく。穏やかな時間が流れる。店の扉を開けて営業しているので蚊が入ってきて、スタッフが手を打ち合わせて仕留める。鍋に向かっていた店主が振り向く。

帰宅、風呂。ふと見ると半開きの楽器ケースから弦が飛び出ており、嫌な予感がしたがケースを開けると弦を固定する部品が割れていた。「嫌な予感がしたが」と書いたが、予感に追いつかれないうちに蓋を開けている。先日、幼児の手をひいたおばあさんがホームから電車に乗り込むなり「あら、座れないの~?困ったねえ~」と言ったのが聞こえたのと同時に席を立って譲り、その場を立ち去った。「朝のラッシュ時にわざわざ口に出して周りの乗客に聞かせるようなことか?」という感情が湧く前に動いたというか。どのみち開けるのだからパッと開ける、どのみち譲ったほうがいいという結論を自分の中で出すのだからパッと立つ。この故障は2度目だったこともあり、なんとか明日の練習に出たいが対応してもらえないかと楽器屋にメールを送る。その後明日会う人にLINE。戦慄してプルプル震えるプリンと、「がーん…」と力なく地面に横たわるパンダのスタンプが送られてきた。私が送るのを控えた、帯状の涙を流す顔文字もたくさんついている。こういう時に一緒に悲しんでもらえるとほっとする。私も人が悲しそうな時は大泣きの絵文字を送ろう。

6/18(土)
7時半に起きて何度かメール画面を見ていると、何かの拍子に朝5時台の楽器屋からのメールが表示された。通常営業日らしく、とりあえず何らかの対応はしてもらえそう。楽器の部品はどれもちょっと驚くような値段がついているが、アフターケア代と思えば安くない。私はアマチュアで練習に出たいだけだが、顧客がプロだと仕事に影響するわけで、大変な商売だ。よそで買った部品だとここまでしてもらえないだろうし、付き合いは大切にしよう。メールボックスを移動すると表示内容が更新されるようだ。コーヒーをいれて、レモンチーズトーストを食べる。出勤日だったが、会社は休む。それどころではない。洗濯、読書などして10時過ぎに家を出る。11時楽器屋着。即部品交換。部品の在庫は数か月後にしか入ってこない。

13時過ぎ、無事HとKYとAと合流。カレーのエースで昼食。元は喫茶店で、明るく親しみやすい内装。メニューには欧風カレーもスパイスカレーもある。トッピングしなくても卵がのっているし、1100円とお安い。キャッチーな見た目だが、今まで食べた中で一番パンチのある味のダルだった。ひとしきりスパイスカレーの話をした後で、Aが家にカレーリーフの苗があるほどのカレー好きであったことがわかって恥ずかしかった。Hには辛かったようで、水をたくさん飲んでいた。店を出た後で「水を飲んだら辛み成分が口中に広がるらしい」と話すと、「逆効果ってことですか?なんで言ってくれなかったんですか?」と言っていてかわいそうなことをした。最初にドリンクとサラダセットをつけなかったのに今から説明してラッシーを頼むのは面倒だなと思ってしまったのだ。最初からドリンクセットでラッシーを頼むように誘導するか、途中からでも即単品でラッシーを頼んで一緒に飲んであげるべきだった。部分的にではあるが、苦い思い出になってしまったではないか。

練習が始まって終わった。そうそうあることではないが、人の家で楽器を弾いて、合間にお茶をしたりするのは本当に楽しい。「リビングにソファを置いたら、お遊びをする場所がなくなっちゃうんですよね」。そうそう、こうして家に呼んでくれる人はアンサンブルすることを「お遊び」と呼ぶのだ。母親が弾いていたという古いアップライトのピアノが置いてあり、音楽のある家庭に育った人だというのがわかる。

帰宅してラジオをつけるとクラシックの迷宮の最後の一曲を聞けた。ホフマンのハープ五重奏曲。実際やるとなると室内楽作品の割に経費がかかるだろうが、とても豪華な響きがする。風呂。何も食べずに横になる。

6/19(日)

起きてコーヒーをいれて、マシュマロトーストにスライスレモンをのせてシナモンをふって食べた。これはおいしい。今日は朝から夕方まで楽器の練習。電車の中では『生活の批評誌』の最新号を読んでいた。タイトルは「そのまま書く」のよりよいこじらせ方。どのページも食い入るように読んだ。雑誌でこのようなのめりこみ方ができることは少ない。ラーメン屋に長蛇の列ができていたので、昼食はファミリーマートのチャーシューまぜそば。500円を超えるが、ネギもきゅうりもたくさん入っていて、タレもおいしかった。油もごま油ではないし、再現しろと言われたら悩む味。タレに商品名を書かずに製造ラインで管理できるのはなぜだろう。コンビニの前のテラス席で食べた。もう何週か後には暑さでこんなことはできないと思う。練習が始まって終わった。このコミュニティの中では嫌いな人間は作りたくなかったな。大学の先輩に「人を『嫌い』に放り込む」と表現されたことが思い出される。傷ついたり期待したりしないために放り込むのだが、その代わり一挙手一投足が鼻について仕方がない。耳をそっちに向けてはいけない、自分のパフォーマンスも落ちるし何もいいことがないとわかっているのだが難しい。帰宅、風呂。夕飯は白飯、肉味噌、成城石井の五目豆。食後、読書。

6/20(月)

コーヒーをいれて、レモンマシュマロトーストを食べた。昨日に引き続き同じトースト。スライスレモンの酸味と、溶けたマシュマロの甘味。こういう味のケーキがありそうだが、タルト生地でもパイ生地でもスポンジでもなく食パンなのであっさりしていて軽い。

家を出て、通勤電車の中でチョン・セラン『シソンから、』を読んだ。

シソンから、 (チョン・セランの本 04)

孫たちが、シソンの著書を読んでMMがしたことを理解する場面。作者のシソンですらわかっていなかったことがわかるのは、あらゆるハラスメントの概念が言語化された現代に生きているから。

職場にて、作業服メーカーの営業担当の男性が女性用の安全靴について話しているのが聞こえてくる。「女性用といえばピンクとか水色でしたが、『こんなん小学生が履く靴』『駿足ちゃうねんから』と言われまして。男性用の配色と一緒でいい、それが可愛いということなんですね」。現場からか商品開発からかはわからないが、女性の意見が取り入れられている様子。子供用と同じような色展開になるのは、「履く靴」ではなく「履かせる靴」だからだろう。「うちはご要望にお応えして女性用の3Lのつなぎを用意しています。男性用を着るしかなかったらしいんですが、ボタンとか違いますよね」。5年くらい前に女性用のスニーカーの配色がダサい、男性用と同じ展開にしてくれればそれでいいのにというツイートを見た覚えがある。その時は自分の足がメンズサイズがギリギリ履けるくらい大きくてよかったなとしか思わなかった。私は女性用の華奢な靴が履けないのだから、と。スニーカーの企画、販売に携わっている人の大多数は男性。そんなところで分断されている場合ではなかった。弁当は肉味噌炒り卵。しそゆかりご飯。

やがて退勤。郵便局でレターパックを、ドラッグストアで食パンとマスクと湿布と点温膏を買って帰宅。ハイボールも買った。レモンサワーに押し出されてチルドコーナーからは退散、常温のところにあった。夕飯は納豆スパゲッティ。食後、原稿に手を入れて完成させる。スーパーへ行ってノーブラZINEの印刷。閉店近いので人が少なく、ゆったり作業できた。帰宅、風呂。上がってラジオをつけるとファンク風の「抱いてhold on me!」が流れてきた。サビで転調して音域が下がる。ものんくるによるカバー。ゲストトークで語られていたように、原曲に力がある。これでさよならの三連符!

『シソンから、』を読み終える。あとがきにあるように、差別に関する最新の話題が盛り込まれている。早いうちに日本で翻訳されたのも、自分が手にとれたのも幸運だった。

足の裏に湿布を、むくみのツボに点温膏を貼って寝た。お灸の代わりになるかと思って買ってきた点温膏だが、ならなさそうだ。皮膚の薄いところに貼るとかぶれそう。どうやって使おうか。

6/21(火)

7時前に起きてコーヒーをいれ、キウイとマシュマロレモントーストを食べた。三日連続で同じトーストを作ったのでマシュマロがなくなった。家を出るまで時間があったのでaikoのセカンドアルバム「桜の木の下」をかけてノーブラZINEの折り作業。「お薬」も「傷跡」も間奏が東京ジャズ。これはジャズを聴かない者の表現だが、間奏と思えないくらい尺がたっぷりあるという意味。「桃色」のふわんふわんのエフェクトがかかったギター。

雨の中家を出て、通勤電車の中で『21世紀を生きのびるためのドキュメンタリー映画カタログ』を読んだ。

21世紀を生きのびるためのドキュメンタリー映画カタログ

外山恒一の書いたものを読んでみようかな。

弁当のおかずは成城石井の五目煮豆、卵焼き、おくら。

やがて退勤。大雨の中、本の入ったリュックをかばいつつ図書館へ。返却時に司書さんがバーコードをピッとやると管理票が出力されたので、『ホール』も『シソンより、』も予約が入っていたことがわかった。面白かったよ、いってらっしゃいという気持ちになった。

大阪王将で夕食。坦々カツカレーを注文。中華の気分だったのに、行く先々でカレーが待ち構えている。黄色っぽく、カレーの香りが弱い。ラー油が前面に出てくる。食べ進めるとだんだんカレーっぽくなってくる不思議な味。カツは業務用だった。

帰宅、風呂。夜学舎のスペースを聞きながらノーブラZINEの折り作業。文学フリマ遠征、とても楽しそう。その後かぐプラのスペースも聞く。椎名うみ青野くんに触りたいから死にたい』の無料公開話。優里の痛切な思いを吐露された藤本と同じように慄く。どのキャラクターもよそでは見られない魅力を持っているが、読んで一番びっくりするのはやはり優里のセリフ。

6/22(水)

朝方、足の裏がめちゃくちゃ熱い。湿布と同じ面積だけ貼ってみたが、薬効が強い。鎖骨の下の肩寄りに貼ったのは熱くないので、血が滞っていたりツボに当たっているということか。なんとなく肩の筋肉が柔らかくなっている気がする。

コーヒーだけ飲んで出勤。通勤電車の中では『根のないフェミニズム』を読んだ。

根のないフェミニズム フェミサイドに立ち向かったメガリアたち (ajuma books)

20日ネット掲示板にフェミサイドの犯行予告が書き込まれたという。21日19時~24時にかけて、八王子駅半径10キロメートル以内で女性(高校生、大学生、会社員)を背後から襲うという内容。J-CASTニュース。昨日ツイッターで知った時は本当にぐったりしたが、手元に借りてきたばかりの本があって助かった。最初の方で

会員制サイトメガリアの内部分裂について詳しく書かれている。韓国の有名なフェミニストがトランス差別をしていると指摘されているのを見かけるが、このあたりの経緯と関係ありそう。

職場にて、弁当はうどん。わかめと薄揚げとネギと梅干しを入れた。

やがて退勤。駅のベンチで読書。『根のないフェミニズム』と同じ色の夕日がホームにさしている。カルディへ寄って、冷凍スライスレモン、もやしのキムチ、塩豆、インスタントのミーゴレン、極細パスタ等買う。マシュマロはレモン味しかなく、コーヒーのドリップパックは割高だったのでスーパーで買う。帰宅、風呂。夕飯はきのこの目玉焼き、塩豆、もやしのキムチ、さつま揚げ。金麦も開けた。金麦といえば岸井ゆきの。「愛がなんだ」(こっちはロング缶!)だけではなく「友達のパパが好き」の中でも金麦を飲んでいるらしい。

食後、ノーブラZINEの折り作業。矢野利裕のYouTubeチャンネルで生活の批評誌の編集長依田さんとトークしている動画を流しながら。無印良品について。矢野さんが「無印良品はどうですか」と話を振ると弾けるような笑い方をされた。「ついに来た」と覚悟を決められたか。笑いと、その後思うところをバーッと話されるまでが印象的だった。一回浸かって出てきた人の話は面白い。浸かっている只中の人の話より立体的だし、情報量が多い。きちんと向き合われたからなのだと思う。