0818-0824

8/18(木)

目が覚めたので雨音を聞きながらゴロゴロする。この音を雨というより「集合住宅のパイプの音」とツイートしている人を後に見たがまさしくそうだった。樋の中を大量の水が通っている音がする。朝の5時なのにツイッターのスペースをひらいている人がいて、私がフォローしている人も2人参加している。もう一度寝て7時に起きようとしたが、気温が低く寝心地が良すぎて寝過ごすところで危なかった。コーヒーをいれて、昨日買ったパンを食べた。ポンデケージョだと思ったのはかぼちゃのモチモチパンだった。家を出ようとしてシュークリームを食べ忘れていたことに気づき、迷ったが電車を一本送らせて立ち食いする。これからもシュークリームはこのパン屋で買おう。もう少しでビアードパパに寄るところだったが(自分の中でシュークリーム気運が高まっていた)大きさもクリームの量もちょうどいい。

家を出て、通勤電車の中で西口想『なぜオフィスでラブなのか』を読む。

なぜオフィスでラブなのか (POSSE叢書 004)

『戦う姫、働く少女』もPOSSE叢書だったが、本のサイズが手軽な割に読み応えがあっていい。『鳥は飛ぶのが楽しいか』でもっと労働小説を読もうという気分になっていたので、ブックガイドとしてもありがたい。

職場にて、弁当は炊き込みご飯とゆで卵。やがて退勤。帰宅、風呂。今日はクーラーをつけなくても過ごせる。夕飯はそうめんサラダ、牛肉とセロリのオイスターソース炒め、金麦。うなぎボ~ンも食べたのだが、食感が軽くてつい食べすぎてしまい、また胃もたれする。

8/19(金)

気候が良くて寝過ごしかける。飲まず食わずで出勤。

通勤電車の中で伏見瞬『スピッツ論』を読む。

スピッツ論 「分裂」するポップ・ミュージック

ずっと浜田省吾と同じマネジメント会社に所属していることを知る。歌詞だけでなく、サウンドについても書かれていて読み応えがある。職場にて、弁当はぶっかけうどん。納豆ときゅうりとワカメをのせた。

やがて退勤。帰宅、風呂。夕飯は赤い箱のシウマイとブロッコリー、こだわり酒場のレモンサワー。彼氏が来訪。療養期間中に送られてきた食料を携えている。賞味期限の長いパンが3個(チョコバナナ2、プレーン1)。すぐにオーブントースターで温めて食べた。マフィンのように背が高いので上部が黒焦げになった。サトウのごはん方式で調理するご飯3個パック。うち電子レンジないよと言ったら「会社に持っていけばいい」と言っていた。会社に持っていくとは何を意味するのか。5個あったチョコバナナのパンのひとつは自分で食べ、ふたつはうちに持ってきて、あとふたつは会社に持って行った。パートのおばちゃんが受け取ってくれたらしい。「いらない物を人にあげるのは、っっ罪です」という近藤麻理恵の声が脳内に響く。サトウのごはんどうしようかな。昼休みに給湯室で調理をするのは気が進まない。彼氏が再生している、芸人がカラオケをする動画。ハモりの歌声に合わせて歌うとつられるという内容で、あたりまえ体操だったが時々笑いながら楽しそうに見ている。若林がSPARKを歌っている動画の方が面白い。今は画像に音声がついたものしかない。もとは2011年のテレビ番組で、もう11年も経っていた。若林の歌でイエモンを知って好きになったというツイートが5個くらいあった。この歌唱のいいところは「確かめたい」のニュアンスがオリジナルにけっこう近く、力強いところ。好きでよく聞いている/いた曲を選曲したのではないか。音程と音色について考えさせられる。彼氏は吉井和哉のことを「ドラゴンボール超の歌の人で眞鍋かをりの夫」と認識していた。

8/20(土)

11時くらいに起きてコーヒーをいれて、コーヒー味のロールケーキを食べた。洗濯もした。外は蒸し暑く、いくらでもゴロゴロしていられそうだったが家を出る。彼氏の発案でかき氷を食べにいくことに。そういう計画で近鉄奈良駅から歩き出すと、「氷」とかいた旗やかき氷の写真のボードをかかげた店が大量にあった。つげ義春の作品中の眼医者くらい密集しているところもあった。先週はまったく気づかなかった。かき氷はないと思うけど、と気になっていたお店へ行ってみる。焼き菓子をテイクアウトするつもりだったが「店に入ろう」と言うので喫茶利用することにした。ひっそりした雰囲気のお店は苦手なのかと思っていたが、静かで豊かな時間をふたりで過ごせてよかった。古民家の内装にあまり手を加えていないほうの古民家カフェだった。低い位置に梁があり、窓にはガラスがはまっていないところもあった。黒い猫がいて、棚の上の古新聞に頭を乗せて目を閉じている。コポコポと音がして顔を上げると猫が嘔吐していてギョッとした。ちゃんと新聞の上に吐いている。「も~、食べたいっていってもそうやって吐いちゃうでしょ~」と背中をさすりながら店の女性が声をかけている。今から思えばお客に聞かせる意図もあったのかもしれない。注文したハーブティと小豆パイが運ばれてきて、おいしくいただいた。彼氏が珍しく「ちょっとちょうだい」と手を伸ばしてパクパク食べている。おいしそうと思わないと手を伸ばしてこないし、さほどおいしくなければ二口目は食べない。食べすぎとは無縁の人間なのだ。だんだん腕がぺとぺとしてきて、冷房なしの部屋で過ごすとこうなるものだったなと懐かしく思い出す。扇風機が首を振り、猫が畳の上を行き来している習字教室の光景が蘇る。その後はあんみつを食べたりゲーセンに行ったりした。

小雨の降る中帰宅。コーヒー休憩。夕飯はローソンの辛辛魚まぜそば。ラジオから流れるピアノ曲が2手でも4手でもなさそうで困惑するが、自動ピアノによる演奏だった。「クラシックの迷宮」今夜はナンカロウの特集。

8/21(日)

起きてよそゆきのきゅうりトーストを食べた。楽器の練習をする。今日はアマオケの練習。

家を出て、電車の中で『歌うサル』を読んだ。

歌うサル: テナガザルにヒトのルーツをみる (共立スマートセレクション 37)

高校教師をしながら、年に2~3回、10日弱ずつボルネオでテナガザルの調査をしてきた研究者の本。一文が短くてよみやすい。、はコンマで。はピリオド。

昼食、どこで何を食べるかまったく頭が回らず、駅のコンビニでクリーム玄米ブランを買って練習会場まで歩きながら食べた。好物なのに、買って食べる時はいつも負けたような気分になる。思考停止の味。練習が始まって終わった。帰りに電車で一緒になったMが「あったら入るけどわざわざ探したりはしない」とサウナについて話すので「自分が享受できてるものをわかっておいたほうがいい」と言っておいた。女湯に高温サウナがあるビジホは少ない。「広島のドーミーインの女湯はミストサウナやねんけどなんで同じ設備にしてくれへんのか」と嘆くと、「何が平等かということだよね」と返ってきた。今書いていて気づいたが、共感してもらえたわけではないのか?まあいいか。あとはクリアファイルについて「会社の備品だと天下の回りものみたいものだけど」と言っていたのが面白かった。口語ではなかなか聞かない。帰宅、風呂。夕飯はぶっかけうどん。塩もみきゅうり消費。ニラも先端から溶け始めていてやばかったので食べられるところまで切って入れた。

夜、ツイッターのスペースを聞く。音楽サークルのクラブBOXに部員が溜まって授業に出なくなり留年する者も出てくる状態、2020年以降に大学入学した学生にとっては「喉から手が出るくらい羨ましい」。サークル活動をしていて、偶然何かが発生した経験がない。部員同士が親睦を深められず、幽霊部員化する。感染症対策をしながら活動すると運営や代表に負担が集中する。活動場所や活動形態の落としどころが見つけられず、大きなサークルから潰れていく。横になってぼーっとしてしまったが、さっさと日曜をあきらめて寝る体勢を整えて寝ればよかった。日記を書くとか、読書とか、練習のおさらいとか、やりたいことはできなかった。

8/22(月)

せっかく過ごしやすくなったのに変な冷え方をした。アイスコーヒーを飲みつつ白湯も飲んで、ヤマザキカヌレを食べた。通勤電車の中で文芸誌『オフショア』を読む。職場にて、仕出しの弁当を食べてひとりでニヤつく。味もよく品数も多い。鶏かと思った天ぷらは白身魚イカだった。やがて退勤。新大阪へ移動すると新幹線のきっぷ売り場窓口から長蛇の列が伸びていて焦る。平日ではあるが、まだまだ夏休みのようだ。自動券売機はすぐに順番が回ってきた。ホームの自販機でアセロラドリンクを買う。選んでボタンを押してから気づいたが、3月に博多に行った時もこうしてアセロラドリンクを買ったので結構な好物。博多行きののぞみの自由席は新大阪で満席になった。ひとりだったので座れた。窓側の席の男性はスーツ姿で、立ち上がるとよくこのスペースで収まっていたなというほどの長身だった。出入りする時には申し訳なさそうに手刀を切る。20時ごろ広島着。高い建物が少なく空が広い。歩道にじゅうぶん幅があって誰もいない通りも多い。マスクをしていない人もいるが、距離がとれるので抵抗感が薄い。見えているところまで思いのほか距離があり、徒歩だと体力を消耗する。ホテルにチェックイン。エントランスの体温計で37.2度と表示されて肝が冷える。体温は高い方だが37度を超えるのは初めて。37.5度以上だと入館を断られるらしい。ホテルを出て晩御飯を食べに行く。Mが「お好み焼きはカリカリ系がいいよ」カリカリ系の反対は何系なんだろう。「八昌ってとこが有名」と教えてくれたので、夜に営業している店舗へ行ってみる。だんだん繁華街というか歓楽街にさしかかり、根が田舎者なのでビビり散らかして非常に消耗した。黒いベルファイアみたいな車(大型車は全部ベルファイアだと思っている)のドアが歩道に向かって大きく開いていて「引き込まれ拉致られる!」と迂回したが中は無人胡蝶蘭の鉢植えがのっていた。「広島ホストはカオスじゃけえ」と看板。カオス!怖い!今から思い返してみると通りは賑わっていたものの店員ばかりだった。

八昌に入店、生小を頼んでカウンターに座る。調理を担当している、店主らしき男性が10枚くらい一度に面倒をみながら若い店員に指示を出している。タネにキャベツを混ぜ込んである関西風のお好み焼きより工程が段違いに多い。卵を片手で割って足元に投げ、割っては投げ。すれ違うのもやっとの厨房なのに床はどうなっているんだろう。調理中の体内にずっと継続して流れているリズムがあって、お好み焼きから目を離して伝票に目をやっている時も体が上下に動いている。「(お客を通すのは)セカンドじゃあ」「モヤシ入れてくれ、大至急じゃあ」厨房にオーダーが通っていなかった。人出が足りなかったからだと思われる。「おめー9時じゃねえんか!」年配の女性が汗を拭きながら店に走り込んできて、店の端で髪をまとめている。接客を始めると顔から深刻な表情が消え、サッと笑顔に変わる。「(提供が)遅くなり大変申し訳ありません、おいしいの作りますので!」この店員が入ると店が回り出した。カリカリ系のお好み焼きを堪能。マヨネーズをトッピングするべきだったかが最後まで気がかりだった。かかって出てくるわけではないのだ。ソースで十分なような気もする。

八昌を出て、また歓楽街へ繰り出す。隣のまねきねこのカラオケルームにお好み焼きを持ってきてもらうこともできるらしい。道中のいたるところでまねきねこを見かけたが、関西でも勢いがある感じがするので土地柄は関係ないかも。かなり古い雑居ビルの4階に「らっこ文庫」はあった。2階のフロアは真っ暗、3階の廊下にはゴミ袋がぼんぼん置いてあってやはり人気がなく怯え、4階にお店の看板を見つけて安心するも大きめのはしゃぎ声が聞こえてやはり怯え、でも声は隣の別の店からのものだった。扉を開けて店に入ると喧噪は消え、ジャズが流れていて、柔らかいオレンジ色の照明の光に包まれた。古い調度品を残して改装してあっていい雰囲気だった。蒸し暑い中戦々恐々としながら歩いてきた身にはひんやりした空調が心地よかった。いわゆるバーのような内装だが、3人のお客が本を読んだり書き物をしたりして紙と向き合う時間が流れていた。壁には本が並んでいる。村田沙耶香川上未映子、大前粟生、仲西森奈、上坂あゆ美。マンガも少し販売されていたが失念。カウンターの中の扉付きの食器棚の中に『NANA』と『天使なんかじゃない』が納められていた。店主の私物かもしれない。接客が一段落してカウンターの中で信田さよ子と上間陽子の対談本を読んでおられる。店のクチコミに「店主が優しい」と書いてあっていまいちどういうことか読みとれないまま来たが、一見が過ごしやすい接客でほっとする感じがあった。抹茶のリキュールを使ったオリジナルカクテルはメニューの端の「何頼んでもだいたいおいしいと思います!」という手書き文字のコメントに説得力を持たせる味だった。アイリッシュコーヒーもパフェもチーズケーキも食べたかったが満腹だったので断念。大浴場の時間も迫っていた。今振り返ると部屋風呂でよかったな。高温サウナのない大浴場なんて!ホテルに帰り風呂、就寝。

8/23(火)

7時ごろに起きて朝食会場でバイキング。髪を整髪料でぴしっと撫でつけた男性スタッフの名札を見て「日本人だな」と思う。最近はビジネスホテルで外国人スタッフに接客を受ける事が多かったのでそう思った。名物の子持ちこんにゃくが食べられた。昨日八昌で頼まなかったものと再会できた!もみじまんじゅうもあったがやめておいた。朝食バイキングの名物コーナーは食べられるガイドブックのようで便利。鰯のマリネが輪切りのオレンジの上にきれいに盛られていて、余裕を感じさせる品ぞろえだった。なんとなく避けていたアパホテルだが、サービスはいい。ペットボトル2本の水もありがたかった。ホテルの部屋に入る時点でこの分量の水があると捗る。これは覚えておこう。

8時半にホテルを出て、ひろしま美術館へ向かう。暑い!大きな公園の緑が深く、木陰で日差しをしのぐ。年季の入った建物があり、老若男女が行列をつくっていた。やがて扉が開き、講義室のようなところへ入っていって席についているのがガラス越しに見える。何事かと思ったがおそらくここは図書館で、自習スペースが閲覧室の中になく、講義室が解放されている。広島市立中央図書館は昭和40年代の建物。廊下の幅は狭く、随所に段差があり、大仰なスロープがあり、なかなか見ない古さ。震度6地震で倒壊の危険がある。移転計画があるらしく市民アンケート調査を行っている最中。ガラス越しに見える中庭がきれいだったり、モニュメント含めとにかく重厚感があったりとなかなか味わい深い建物なのだが次に来たときはもうなさそうだ。展示ホールで被爆体験事業企画展「音楽から伝えるヒロシマ」を見た。これは面白かった。武満徹も林光も山田耕作も原爆をテーマにした作品を制作していて、図書館が楽譜を所蔵している。映画『おかあさんの被爆ピアノ』のパネルに武藤十夢の姿が。東京で幼児教育を学ぶ大学生が自分のルーツを探るという無理のなさそうな筋書き。方言も話さないしピアノの天才でもない。なんとなく良作ではないかと予想。佐野史郎被爆ピアノを収集する調律師役。広島交響楽団についての展示も。もともとアマオケだったという話をMから聞いていたので新聞記事の切り抜きを興味深く読む。

ひろしま美術館で『THE新版画』を見る。盛況だった。原画と並べて展示できるのも、数十回に分けて刷っていく過程をスライドにして展示できるのも版元の渡邊庄三郎のおかげか。普通のキャプションに加えて版画の技法や作家の人となりを「庄さん」と「バレン君」が語りあうボードもあり、親しみやすくてよかった。前を行く年配の女性ふたりが「すごいね~」「版画とは思えんね~」とずっと喋っていて、静かにしてくれないかと思ったが全作品に対して同じ調子で「すごいね~」とコメントするので耳が慣れたのか自分の中の嫌な感じがなくなった。

美術館にいるときから頭のなかが広島風つけ麺でいっぱいだったがめぼしい店がなく、地下道にあったもみじ饅頭の自販機の前では逡巡してご飯の前だからとやめ、このあたりから空腹で思考能力が低下し、チェーン店に寄るのはもったいないから寄れず、暑さと疲れで朦朧とし、路面電車の行先に横川があったので乗り、降り口でハンカチを落とし、前に座っていた学生風の若い男性に拾ってもらった。見かけによらず肩の叩き方、ハンカチの差し出し方の柔らかい感じが年配の女性のようだった。何が違うんだろう。一切こっちに圧を感じさせないような所作だった。横川着。ブティックの店先のトップスに「ほんまかい値」という札がついている。昨日繁華街で見たくにまつには「やっとるよ」という札がかかっていたな。本屋のオープン時間までにお昼を食べたいところ。カレー屋があるので入る。メニューブックを開くとカレー、ハンバーグカレー、チーズカレーの三種。フランス料理店のようなテーブルセットが一組だけある店内の様子からもなんとなくそんな気はしたが、一口食べて赤ワインの味がして「違った!」と思った。次から創作カレー屋に入るときはビーフカレーではないことを確認しよう。カレー屋を出て、フレスタというスーパーで時間を潰す。ここが楽しかった。結局本屋が休みだったので横川には何をしにきたかわからない展開になるところだったが、フレスタが私を魅了した。店内ではサンフレッチェ広島の選手のインタビューが流れ(「チームに来て〇年、一番よく行く場所がフレスタです」)魚売り場は見慣れない魚がぴかぴか輝いていて安い。さすが瀬戸内だ。総菜売り場のお好み焼きは昨日食べたのと同じ形状の広島風で、そばにはあなご飯のおにぎりと鮭の親子おにぎりが並んでいる。ソース売り場にはオタフクソースが何種類も並ぶ。パン屋のタカギベーカリーコーナーが大きい!しかも食パン等の定番商品はコーナー外にも並べられている。ヤマザキの次のような扱いだ。荷物になるので一つも買わなかったがめちゃくちゃ楽しかった。本そのものと同じくらい本棚の眺めが好きで、YoutubeでBGM探しをしているとサムネイルを見て時間が過ぎる。品揃えに目がいく性分。

いい加減地図を読むのが嫌になり、電車で近づけるだけ近づこうとJRでひと駅、ニュートラムでひと駅移動した。JRを降りた時にココスとマクドナルドが見えて後ろ髪を引かれる思い。知っている好きな店に入りたかった。ニュートラムに乗って降りたらココスとマクドナルドがあって混乱した。向かう方向も把握せず目と鼻の先に移動するのに一旦地下に降りてお金を払って乗り物に乗っている。しかしアストラムラインの椅子はふっかふかだった。乗っていれば動物園に行けるということもわかった。なんとか基町ショッピングセンターの中のギャラリーに到着。佐藤麗生個展「メンタルスケッチ夢嵐」。今回の旅の目的。ニュートラムの駅から閑散とした道をずっと歩いてきたのが嘘のように盛況だった。居合わせた人らが「私の購入した作品はどれでしょう」とクイズをしている。なんと豊かな遊びか。「絶対当たらないと思うよ」「ずっと飾っとくことを考えたら限定的じゃないものがいいと思った」「頭の中から離れなくなっちゃったからこれは買わないと、と」正解を盗み見る。悩んで購入された顛末を聞くとすごくいい作品に見えてくる。「色もね〜きれいでね〜」と言い合っておられて「ほんとにね〜色がきれいでね〜」と乱入しそうになる。配色もいいし塗りの質感もいい。ツイッターで見ていた線画にグッと心を掴まれてギャラリーまで来て、油絵を見られてよかった。緻密な線とぼんやりした線がありますねと感想を言った方がいて、そこからハイパーリアリズムの作品を描いておられたことが聞けたりした。情報をいくらでも詰められる技量をもった上で情報の少ない絵にする。楽器の音の話で似たような話を聞いたな。大きな音で練習しないとだめだなと思った。グッズの会計の際、佐藤さんに関西から来たと言うと「なんかあげるものないかな」とその場でクラフト紙にスタンプを押してくださった。その場ではこれが何かわからなかったが、蔵書票だった!本屋プラグラジオで嶋田さんが言ってたやつ!これは嬉しい。おいとましようとすると店の外まで一緒に出てきておすすめスポットを教えてくださった。本屋がお休みの日に来てしまったと話した時の残念そうな顔が忘れられない。さっき会ったばかりの人にそこまで親身になれるものなのか。お心遣いに感謝し「めちゃくちゃ気さくなおっさんのやってるスペース」の前まで来たもののドアに手をかける勇気がどうしても出ない。基町ショッピングセンターは原爆スラムのあったところに建っている。建築としても面白いので散歩してみてはという助言にしたがい散策。あちこちでおばあさんが井戸場会議をしている…この方々はこのあたりの出身なんだろうか…だとしたら戦時中は…などと考えながら。あちこちにいると思われたおばあさん達はひとつのグループで、私が同じところをぐるぐる回っているだけだった。ショッピングセンターから出たら団地の中に迷い込んで駅とは反対?に行ってしまうし、ショッピングセンターから駅の方に出ようとしたらまた気さくなおっさんの謎スペースの前に出るし、扉を開ける勇気は出ないし、いつ帰れるんだろうか。考え事をやめて集中すると来た道筋がわかった。危なかった。広島駅に戻ってばくだん屋でつけ麺を食べた。

閉店間際のロッテリアに寄ってえびアボガドバーガーとオニポテとボスシェイクのセットを食べた。旅行を終えるのが惜しかったのかもしれない。店の外でメニューを眺めている時、コアラのマーチのコアラのイラストが入っているのが不思議だったが、「ロッテ」リアか。レジ横には44円でコアラのマーチの子袋が売られていた。たい焼きが入った冷蔵ケースも置かれているが、これはよくわからない。

8/24(水)

起きたら胴回りが全周筋肉痛で何事かと思う。身支度をしていて思い至ったのは、旅の道中ずーっとリュックを前がけにしていたからか。ある程度重量があると腹筋で内臓をかばっている感覚がある。美術館でもコインロッカーを使うのを忘れていた。ミルクティーだけ飲んで出勤。

通勤電車の中で松田青子『自分で名付ける』を読む。

自分で名付ける

お産の体験談を読むのは気が進まないが、松田青子は好きなので読む。やっぱりいい。淡々としていてユーモラス。この作品はとくに前向きな感じがする。手に取る読者を意識しているのかもしれない。

職場にて、お昼はサトウのごはん方式のご飯パックとみそ汁と納豆。外食疲れしているのでこういったメニューにした。午後、社内のTEAMSでグループチャットのメッセージに怒りの顔の絵文字でリアクションするというのをやってみる。サムアップしている手とハートマーク、笑い、びっくり、悲しい、怒りの顔。5種類の絵文字をつけられるのだが、ちょっと前に本社のミスでお客からクレームが来た際、支社の社員が怒りの顔をつけていて面白かったので。顔が真っ赤になっていて眉が吊り上がり、目を見開き口は固く結ばれている。アップデート以前は真っ赤ではなかったと思うのだが、かなり激しい怒りの表現だ。「なぜ起こったのか、再発するのかが気になりました」と返信もすると、ミスをした社員をよく知る人から「おっちょこちょいなので許してあげて下さい(笑)」とメッセージが来る。私が親しくしている人からも「そんな怒らんといたってくださいな~」と。とりあえずミスをした社員が割と好かれているらしいということがわかった。相手によらずしょうもないことをされてムカついたら怒ったらいい、あとチームスの怒りの顔のマークは面白いので使ったらいいという持論を展開しておいた。

やがて退勤。帰宅、風呂。全身が重い。たまらず横になる。重力に逆らえない。動画は見られる。はらだまほとそこに鳴るの動画を見た。なんとか体を起こしてツナマヨスパゲッティをつくる。きのことほうれんそうを入れる。味付けは失敗しそうだ、今日は無理。キューピーのパスタソース「ツナマヨ」があって助かった。