1209-1215

12/9(金)
起きてジャニーズの楽曲を流してへらへらしていたらまたしても時間がなくなって朝ご飯はなし。家を出て、電車の中では『台湾文学ブックカフェⅠ女性作家集 蝶のしるし』を読んでいた。

台湾文学ブックカフェ1 女性作家集 蝶のしるし (台湾文学ブックカフェ 1 女性作家集)

チアン・オー「コーンスープ」。新型コロナウイルスの蔓延の始まりと恋愛の終わり。冷蔵庫の中のコーンスープは別れの日の朝に恋人の部屋から持ち帰ったもの。構成が見事だった。駅から職場へ向かって歩いていると、福祉施設の玄関前に車いすを押す職員がいた。車いすには赤紫色のジャケットを着て、同じ色のハットをかぶったおばあさんが座っている。スロープをくるくる上り下りして「ここは横からも入っていける。そんな悪くないでしょ?」と声をかけられていた。さわやかな光景。でも今週は毎日のように道路にゲロが吐かれている。忘年会シーズンらしくもある。職場にて、隙をみて薬果を食べて朝食にした。昼食の弁当のおかずは失念。やがて退勤。帰宅。楽器の練習。21時、家を出て彼氏と鳥貴族へ。半袖Tシャツ姿の感じのよい店員達。アイメイクがうまくてじっと見てしまった。ラメというかグリッターというか、もっとピンポイントでキラキラだったが、何だったんだろう。家の冷蔵庫に入っているのに、飲食店でこだわり酒場のレモンサワーを頼むというのをまたやった。あったら頼んでしまう。一番搾りも。杯を重ねられないから置きに行ってしまう。350円になってから一度来ているはずだがまた「もう350円なんか」と言いながら堪能した。彼氏が藪から棒に「中居くんガンなんかな」と言う。知らんよ。会計後、店員が店の外まで見送りに出てきて、しかも「寒い中ご来店いただきありがとうございます」とまで言ってくれた。半袖Tシャツ姿なのに!鳥貴族でこんな接客が受けられるとは。家に帰ってバニラバーを食べた。夏からずっと冷凍庫に入っていたものなので小袋の中にまで霜がついている。

12/10(土)

掃き出しの窓いっぱいに雲のない青空がひろがっていて、「いい天気」「いい天気」と言い合ってどこも行かなかった。「いい天気でした」と布団に戻っていく彼氏。サイドテーブルにスマホを置いた拍子にポーズスケルトン(手のひらサイズのガイコツのフィギュア)が押し出されて落ちたが、放置しようとするので拾うように言った。右手がとれているかもしれない。別売りのパーツと交換できるようになっていて、すぐにはずれてしまう。「手ある?」「手なくなってる」「ぉおい!」ふざけて大きな声を出して気づいたが、ひとりでいる時のほうが大声でたくさん発言している。ひとりごとの声量がこれくらいだ。手はサイドテーブルをどかすとすぐにみつかった。雑に置かれたポースケはぐでんぐでんのポーズだったが、人体にとれないポーズではない。ポースケは可動域がちゃんとしてる、と話すと嬉しそうにしていた医学生を思い出した。17時ごろにライスペーパーピザをつくって食べた。ココアをのんで、子供用の食品サンプルキット(ハンバーガー)を組み立てて遊んだ。木曜に部屋の片づけをして出てきたものを彼氏がみつけて躊躇なく開封。完全に失われたと思われたタイミングが今巡ってきた。18時ごろにケンタッキーへ。セルフオーダーシステムが導入されていた。「チキンポットパイつけようか?」「さっき自分のにつけたけど」「確定ボタンを押した時に数量がゼロになってたからカートに入ってない」何の感情も乗せずに指摘とフォローだけしてくれる。自分だけ気づいて得意気になることなく、状況を笑うでもなく、システムに文句を言うでもなく。多少は私がやってしまいそうなことでもあるのだが、やらないことがありがたい。食後、解散。スーパー2に寄って買い物。土曜の20時、総菜が値引きされていて楽しかった。手羽中、じゃこ天、おでん、カニカマ、豚肉アスパラチーズカツ、コロッケ、ピザトースト、冷凍豚ミンチなど買う。帰宅、風呂。手羽中とかぶのスープをつくる。台所に立っていて考えたこと。関西に「シンプル」の「ル」にアクセントを置く言い方があって、その言い方で「シンプルにどういうことなん?」と聞かれたことがある。それには「まず送ったメールを読んでくださいよ」と返した。これを思い出すので耳にするたびに苦々しい気分になる。でもジャニーズジュニア春の大運動会の末澤の「ちゃうねん、シンプルに間違えてん」がそれだったので上書きできた。今度からそっちにする。

12/11(日)

8時半に起きてカフェラテを飲んで、ピザトーストを食べた。着るものと、昼ご飯が決まっていて落ち着いた朝。楽器の練習をする。今日はアマオケの練習。家を出る前に手羽中とかぶのスープ、コロッケを食べる。昨日買い物へ行っておいてよかった。今週は安泰だ。多分。玄関ドアを開けると、浴びなくても日差しが柔らかいことが目の端でわかる。風は冷たい。電車の中では宮尾登美子『美しきものへの巡礼』を読んでいた。

美しきものへの巡礼 (文春文庫 (287‐3))

てまり、屏風、市松人形、ケーキ。職人のところへ行って取材した内容はもちろん、大正生まれの筆者がそれぞれのアイテムに寄せる思いも興味深い。「大正十五年の項に『この年の女子の断髪流行、ハンドバッグ普及』とあり、この頃から従来のアクセサリーだけが目的のオペラバッグから脱して、男の旅行鞄に一歩近づいた実用性のあるバッグを女子も持つようになったかと思われる。」なんというスモールステップか。練習が始まって終わった。「練習では成功体験を積み重ねていきましょう」と言われたことをメモ。忘年会に行く人に「なんで来ないんですか~?」と聞かれる。「やめとこうかなと思って」「その心は?」まだ理由を言わずに不参加にできる、感染症対策だと解釈してもらえると思ったのに。人差し指で波線を描いて、「また増えてきてるから」と返しておく。私はカスの陰キャ、未熟で内向的なところがあって大人数の飲み会に全然行きたくない。嫌いな人間がいるだけで行かない理由になる。帰宅。夕飯は肉豆腐、豚肉アスパラチーズカツ、かぶの酢漬け。味からしてそうなのだがやってわかった、ポン酢って酢漬けに使うには酢が弱い。食後、きのこ帝国とplentyの動画を見てしんみりする。さほど聴きこんではいないのだが、同世代で、もう活動していないバンド。きのこ帝国「夜があけたら」の「いつか救えるわけが ないだろ」の辛辣さに新鮮にびっくりして笑ってしまった。初めて聴いたわけではないのだが。その後plentyのラストライブ動画を見た。感情を押し殺しているのか、ベーシストの虚ろな表情が気になって2時間近くの動画を全部見た。今から聴きはじめられそうなくらい歌詞が聞き取りやすい。どっしりテンポも頼もしい。別の動画で、「bpmが速いから踊れるわけではない」というようなことも語っていた。

12/12(月)

昨日の朝「今日は日曜日だから」と二度寝したのと同じ強度で「仰向けで目覚めたから横向きでもう少し」と思って布団をかぶりなおした。無理のある理屈。10分で起きられてよかった。カフェラテを飲んでコロッケを食べた。ピザトーストを食べる時間はなかった。通勤電車の中では『台湾文学ブックカフェⅠ女性作家集 蝶のしるし』を読んでいた。乗り換えしようと電車を降りると遅延で改札に入れないくらいごった返している。電光掲示板を読むこともせずきびすを返してホームに戻り、あいたベンチに座った。迂回ルートも探らないしすし詰めの電車に乗り込むこともしないと決めている。職場に連絡だけ入れて、混乱が落ち着くまで好きに過ごすのだ。ひっきりなしに電車のくるこのホームで、このベンチは遅延に関係なくマイペースな人が集まっていることが多い。時間つぶしではなく、一心不乱にゲームをしている人。パーカーのフードをかぶって寝ている金髪の人。手ぶらの人。私も持参した座布団(携帯用のをいつも持ち歩いている)をしいて座っていて、出勤途中ではなさそうな面々に仲間入りをしていた。弁当のおかずはブロッコリー、ゆで卵、かぶのポン酢漬け、豚肉アスパラチーズカツ。昼休み、「僕らAぇ!groupっていいますねん」の大晴パートが後藤まりこみたいでかっこよかったので久々にミドリを聴いた。やがて退勤。松屋で夕食。ビビン丼に豚汁をつけようとしたら券売機の階層のはざまに足をとられ温玉がふたつになってしまった。ビビン丼のページには豚汁温玉セットのボタンしか表示されておらず、ビビン丼にも温玉がついていることはわかりきっていたのに後ろに人が並んでいたので違うページに探しにいくことができなかった。見つからないかもしれないし。それはそうとしてビビン丼はもう頼まない。10年くらい前の味を今でもあきらめられていないが、もうやめる。もう未来永劫ビビン丼にきんぴらごぼうが入ることはない。肉とキムチしか入っていなくてこれではキムカル丼ではないか。食べたことないけど。食後、映画「裸足で鳴らしてみせろ」を観た。「オーファンズブルース」をなら国際映画祭で観て以来、工藤監督のことが気になっていた。スクリーンを見ていると映し出されているのが撮りたいショット、シチュエーションであることが強烈に伝わってくる。ところどころ客席からひっくり返りそうになるほどの急展開をするのだが、筋が通っているからといってここまで自分の心に残る映画はなかなかないわけで、そこを大事にしたい。

12/13(火)
夜がぜんぜん明けない。冬の雨の日の朝ってこんなに暗かったか。こんな中出勤するのか?と不安に思っていると明るくなってきた。ピザトーストを食べて出勤。通勤電車の中では金原ひとみ『ミーツ・ザ・ワールド』を読んでいた。

ミーツ・ザ・ワールド (集英社文芸単行本)

楽しい!にゃんたんのゲームブックくらい楽しい!腐女子が主人公の歌舞伎町の冒険。キャバ嬢とルームシェア。ナンバーワンホストとのイベント遠征旅行。モノローグが異様に愉快。職場にて、昼食は赤飯、ナスとニラの豚汁。午後、同僚に白浜みやげの「かげろう」を分けた。彼氏が箱で我が家に持参したもの。5個入りのパックを開けると個包装はセロハンなので、すぐに食べないと風味が落ちて湿気てしまう。という焦りから人にあげ、「彼氏さんにお礼言っておいてね」とのコメントを受けて彼氏に報告した。ことごとく考えていたのと逆のことをしてしまっている。包装紙を捨てたから賞味期限がわからなくなっていて自分ひとりで食べるべきか迷っていたし彼氏は賞味期限に厳しいから何も言わないつもりだったのに。彼氏からは「賞味期限まだあったんか。長いな。」と返信があった。やがて退勤。帰宅。夕飯は手羽中とかぶのスープ、みりん干し、白飯。風呂に入ってすぐ寝たかったので先に夕飯を食べたが、はかどらなかった。日記も書けない楽器も弾けない。ツイッターを眺めるだけになった。ラジオからはバイロイト音楽祭の模様が流れている。この時期の風物詩だが、4時間くらいずーっとワーグナーの歌劇が流れ、展開を知らない者には時間の経過がまったくわからない(でも流しっぱなしにしている。風物詩だから)。私にとってラジオはペースメーカーであるようだ。

12/14(水)

九龍ジェネリックロマンス方式でフレンチトーストをつくって食べた。マーガリンを塗って卵は食パンの上で軽くほぐしてオーブントースターで焼く。食べる前にグラニュー糖をふる。塗り、ほぐし、ふりにムラがある方がおいしい。作り方はあやふやだが、カフェでグラニュー糖を入手できたタイミングがつくるタイミング、というエピソードが心に残っていて真似している。皿が汚れないのもいい。ラジオからはアイネクライネナハトムジークが流れている。カラヤン指揮、ベルリンフィルの演奏。アマチュアの定番曲だからこうして不意打ちで名演奏が流れてくるとうますぎてびっくりする。どこがどうとは言えないが。通勤電車の中では上羽陽子・山崎明子編『現代手芸考』を読んでいた。

現代手芸考 ものづくりの意味を問い直す

民族衣装から刺繍をはがすということ、その土地に根ざされた文化に目を向けず制作技術だけを学ぶということ。瀧口修造の書いた「岡上(淑子)さんは画家ではありません。若いお嬢さんです。」という紹介文。職場にて、弁当のおかずはコロッケ、にらかに(カマ)玉。午後、向かいの席の社員が「僕なんか間違ったこと言ってますかぁ?」と得意先とじゃれ合っているのが聞こえてきてウッとなった。「裸足で鳴らしてみせろ」の中でも父親が2回も言っていた。最悪だ。あの映画のせりふや人物像は全体的に芝居がかっている印象があるのだが、父親の嫌さに段違いのリアリティがあった。ガチ説教の中で使ってくるやつはとくに大っ嫌いな言葉。私も言われたことがある。「間違ってはないけど不愉快ですね」という返しを思いついたので物陰で声に出してトレーニングを積んだ。やがて退勤。寒くて耳が痛い!フードをかぶって帰宅。風呂。洗濯。夕飯は納豆チーズ味噌汁、みりん干し、菜飯。ラジオからはドヴォルザーク交響曲第9番が流れている。その後は夜のプレイリスト(松任谷由実)、アルフィーのラジオ(高見沢は570本超ギターを所持。「俺も読んだよ、車輪の下は危ないよ」)。

 

12/16(木)
寒い。コーヒーをいれて、ピザトーストを食べた。ラジオのニュースを聴きたくなくてAぇのヤンタンを流してみた。通勤電車の中では佐川恭一『アドルムコ会全史』を読んでいた。

アドルムコ会全史

トイブックスで買った本。店主が帯にコメントも書いている。造本かっこいい!能力の高い人がガンガン人殺しをしていて景気がいい。バトルロワイアルのようだ。ダッシュ記号の使い方しかり。昨日からメガネが曇って、ホームを発車して数分間は裸眼でしか本が読めない。職場にて、弁当のおかずはウインナーとなすとピーマンのソース炒め、卵焼き。昼休みはクランアイリーンを聴きながら読書の続きをした。けっこう休まった。やがて退勤。帰宅、風呂。晩酌して日記を書くつもりだったが、眠かったしいい感じに体も温まっていたので何もせず眠ってみることにした。ベッドの中で眠気がくるのを待つのが久しぶり。これが20時頃。目覚めたら25時時半だった。この時間にラジオをつけると有線のように楽曲が流れ続けていい。朝の4時前にインスタントのククスをつくって食べた。