20240904

珍しいことに駅と職場の間のローソンで朝食のサンドイッチを買った。卵サンドしかなかったが卵サンドは数種類あった。卵焼き、卵だけ、卵とハムとチーズ。卵とハムのサンドイッチを買う。出勤。早食いは得意ではない。タイムカードを押して、持ち重りのするサンドイッチを持って非常階段の踊り場へ出て、扉のスリットの死角にしゃがんで食べた。こんな状況でも外で食事するとおいしい。ビルとビルの間を行き交う人がレゴの人形のようだ。日傘をさしているかいないかが半々。3つ入ったハム卵サンドの真ん中だけ、フレンチドレッシングがまぶされた玉ねぎが仕込まれている!

 

やがて退勤。むらのある雨雲の向こうに、劇的に鮮やかな夕焼け。雲の切れ間から高層ビルをオレンジ色に染めあげる。職場を出て駅とは反対方向の映画館へ。「アニエスV.によるジェーンB.」を見る。予告編ではジェーン・バーキンレトロスペクティブの映像が流れ、本編では歳を重ねた彼女が時にジーンズ姿でアニエス・ヴァルダに笑いかける。UNIさんが日記で触れられていたカバンの中身紹介シーンもよかった。路上にぶちまけられる紙くずやペンの山。カバンの開け口から紙くずが見えているのに、ひっくり返しても紙くず。そのくらい紙が占めている。「カバンの中身を見て私の何かがわかった?」痛快だった。

 

映画館を出て駅に着くと21時を過ぎている。この時間には厚底シューズで更に背の高くなったメイドが客引きをしていて、この人を見ると安心する。メイドカフェから来たことがわかるから。他のキャッチは男女ともに黒っぽい私服で何屋に連れて行かれるかわからず、金のなさそうな女ひとりが声をかけられることは絶対にないのに怯えている。

 

夕食はスシローでとった。740円の富山産ほたるいか3種盛だけを頼むと回転寿司屋と思えない待ち時間が発生。何もオーダーせず座っているだけのように見えて気まずいが、回転寿司屋の客の構われなさがありがたい。スマホも取り出さず思う存分頭上を流れる寿司を眺めた。すべてのシャリが赤米になっていてイカにぎりがピンク色に輝く。完全に気を抜いているとほたるいか3種盛がヒトに運ばれてやってきて驚く。生中も、アツアツのみそ汁もレーンの上を行き交う令和の時代に!皿が長いからだろうか。ものすごく贅沢な気分だ。大きくて立派なほたるいかを堪能。