0113-0119

1/13(木)
起きてラジオをつけるとバッハの無伴奏ヴァイオリンソナタが流れてくる。コーヒーをいれて、レモンチーズトーストを食べた。バナナも食べた。通勤電車の中で堀切辰一             『布のいのち』を読む。

布のいのち―人の心、くらし伝えて (新日本新書)

 

職場にて、弁当のおかずは炒り卵、鮭の塩焼き、ほうれん草。やがて退勤。映画館で「花椒の味」を観る。冒頭の父親の表情でもう涙が出てしまった。ああやって笑いかけられても、笑い返したり駈け寄ったりできないばかりの半生だった。圧巻の、道教の葬式のシーン。作中人物もあっけにとられていたがいまいちどう捉えられているかわからなかった。香港のゴキブリは茶色い。長女と次女の作り笑いの美しさと悲しさ。

胸がいっぱいになってしまいどこにも寄らずに帰り、風呂。食べたいものが思いつかづハムチーズトーストにバナナを挟んで食べた。なかなかおいしかった。ナッツ等も食べる。

1/14(金)
なかなか布団から出られない。今日は午前休をとっている。コーヒーだけ飲んで病院へ。待合室は無人。診察を受けているとだんだん人が増えてきた。ワクチン接種らしき夫婦も一組いた。ドラッグストアへ寄って、雪の降る中を米を担いで帰った。成城石井に売っているものと似たたまごぱんをヤマザキが出しているのを買ってみた。それを食べる。ラジオでは岸谷香浜田省吾と仕事した時のことを話している。「なんか僕が歌う感じじゃないんだよね」と歌唱を頼まれ、終わった後いいレストランで食事をした。主人も招いてくれて、高価なシャンパンも頼んでくれて「こういう年のとり方したいなー」と思ったという。イメージ通りだ。

昼食は鮭のレモンクリームパスタ。タイムも入れてみた。食べ飽きない味に仕上がった。

出勤、やがて退勤。雪は積もらなかった。

電車内では北原みのり編『日本のフェミニズム』を読んでいた。

日本のフェミニズム

石内都の写真が表紙にも中にも掲載されている。

帰宅、風呂。夕飯はスンドゥブ。別の料理の話の中で、白菜を縦に切るととろけておいしいと今井真実さんがツイートしていたのでやってみた。煮ている間に楽譜に書き込みをしていたら完全に溶けてしまった。食後、彼氏からなめ茸の写真が送られてくる。弁当についてきたミニパック。「こんなん入ってた」らしいが、なぜ送ってきたのかはやりとりを続けてもよくわからなかった。メーカーのホームページを見てみるとごはんですよタイプの海苔やわさび漬け、ラー油しいたけ(!)などの姉妹品が確認できた。煮物用のこんにゃくが何種類もあって面白い。「見た目の面積を稼ぎます。」は直角三角形のこんにゃくについている説明。その後、自分の日記を読み返すなど。もっと得られるものが多い本が枕元に山積みになっているのに。

1/15(土)
コーヒーをいれて、たまごぱんを食べて出勤。

電車内で文学ムック『ことばと』を読む。

文学ムック ことばと vol.3

借りている間に全部は読めないので、後ろから読もう。柴崎友香の小説にいまいち引き込まれない。ある曲を耳にした瞬間に頭を殴られたような衝撃を受けたり、世界が輝きだしたりする。大げさな割に、どこかで見たような表現が続く。音楽以外の要素が多くてついていけてないのかも。

出勤、やがて退勤。スーパー1へ寄り道。かぶ、ねぎ、小松菜、なす、しいたけ、舞茸など買う。帰宅。昼食、昨日のスンドゥブの残りにうどんを投入。卵と海苔も。夕食はフライドチキン、かぶのカレースープ、白飯。食後にカルディの冷凍メリンガータを食べた。クリスマス用に買っておいたもの。ラジオをつけず、洗濯や読書をして過ごした。夕方くらいに千葉雅也が「最近の事件は社会の悲鳴のように感じられる」という旨のツイートをしていた。やがて大学入試共通試験会場で刺傷事件が起こったことを把握。日が変わるくらいに奄美大島トカラ列島津波警報が出る。太平洋側の沿岸部の広い地域に注意報が出て、スマホが鳴りやまないという人も(後に神奈川県は誤って複数回配信されていたことがわかった)。ふと、彼氏が夜釣りに出ていないか気になり連絡。「今日は行ってない」とすぐ返事が来た。

トーチwebで大白小蟹「雪を抱く」を読んだ。

to-ti.in

自分の身体はどこまで自分のものなのか、ではなく、自分のものだったことなど一度もない、という絶望から始まる物語。母親の仕送り、夫の感涙に内包された、母体としての自分の身体への視線に対する違和感。ハンドクリームを勝手に「おすそ分け」された手。

今日、Aさんから妊娠していると連絡があった。「お願い」というタイトルで、感染状況によっては参加状況を工夫します、というような内容。Aさんに対して少なからず好意を持っているのに「今抜けられたらキツいな」が感想として先にくる。チーム内の人の「勝手ながら○○さんにも連絡しておきました」に対して「ほんとうに勝手な行動では?」とひっかかる。現場を回すためには○○さんにも知っておいてもらったほうがいい、というくらいの関係性。Aさんに「うけたまわりました」と返事を送る。なんとなく、おめでとうございますは入れなかった。Mが「安全を最優先してください」「余計なお世話かもしれないけど階段よりエレベーターがおすすめ」と返していたのでふーんと思い、「Mのように具体的なアドバイスはできませんが大体同じ気持ちでいます」と書いておいた。

1/16(日)
なかなか布団から出られない。コーヒーをいれて、バナナトーストを食べた。楽譜に書き込みなどしていると家を出る時間が近づいてきた。早めの昼食、小松菜とウインナーのペペロンチーノ。今日はアマオケの練習。駅でオケの人を見つけて一緒に行く。耳にイヤホンが入っていて悪いなと思ったが、「ごめん何か予習とかしようとしてる?」「行って弾いて帰るの繰り返しで雑談できないと疲れちゃって」「嬉しくなって声かけちゃった」と思ったことを全部言って交渉し、付き合ってもらった。楽しかった。練習中、指揮者の先生が「あの時のチラシ、まだとってあるんだ」と言うのでマスクの下で泣いた。2年前に中止した演奏会のチラシのこと。わたしは結局捨ててしまったのだが。練習終わり、「今日は楽しかったです、また会いたいです」と言って先生は帰っていった。本番はまだ先。辿り着けるかどうか。誠実で悲しい挨拶だ。また泣いた。帰りの電車の中では松田青子『女が死ぬ』を読んでいた。

女が死ぬ (中公文庫, ま51-2)

物語の中のお約束をひっくり返し続ける。文庫の小ささにこの装丁のバランスが絶妙。単行本はこんな感じで、改題されていることもあって印象が全然違う。

ワイルドフラワーの見えない一年

帰宅、風呂。夕飯はオイルサーディンのリゾット。ラジオからはチャイコフスキー交響曲第五番が流れている。随所で弦楽器のポルタメントが効いている。オケは東京フィルハーモニーだった。20時半、Uさんのスペース読書会に参加。新卒で正社員になり、そのまま働き続けているような人が採用活動を担当することが多く、就職活動をしている人のイメージが現状に対してすごく乏しい。

Youtubeで音源を探す場合、ナクソスミュージックライブラリで下調べするとオケ、指揮者、録音年、楽譜の版、CDのジャケットなどが整理されていて捗ることがわかった。Mに「ねえこれYoutubeのリンクとか持ってない?」と言われてもう一度探した成果。勢いづいて、ツイッターでナツイちゃんが「椎名林檎aikoが酔って殴り合いしたのをどこかで確かに読んだのに見つけられない」という旨のことを言っていたので探す。これは見つけられなかったが、平井堅のカラオケパーティーの存在を知ることができた。椎名林檎aiko清水ミチコ一青窈三谷幸喜など参加。当時は話題になったらしい。

1/17(月)
ぜんぜん布団から出られない。しかもなぜか気分が暗かった。無視してコーヒーをいれて、たまごぱんを食べた。ラジオからは武満徹の歌曲「〇と△の歌」が流れている。「地球は丸いぜ」「リンゴは赤いぜ」作詞も作曲武満徹らしい。意外だ。

家を出て、通勤電車の中でキム・ハナ ファン・ソヌ『女ふたり、暮らしています。』を読む。

女ふたり、暮らしています。

タイトル通りの清々しさに満ちている。物件は物件、家事は家事。

弁当のおかずは、カップのわかめスープ。

やがて退勤。スーパー1へ寄り、豚肉、にら、スコーン、茶色い食パンなど買う。カルディーでコーヒーも。彼氏用に早めにバレンタインチョコを買っておきたいが、適当なものがない。とりあえず抹茶チョコ。しかしこの条件にすると輸入ものがだいたい消えてしまう。和の商品は「もへじ」から出ているが、カルディの企画商品のパッケージの好きじゃなさは何なんだろう。何年か前のようにスーパーの催事売り場でキャラクターものでも探そうかな。その方が多少あげた時に話せる気がする。

帰宅、風呂。夕飯は豚肉ともやしの卵炒め。マヨネーズとオイスターソースの味。
ツイッターにて、ランニング用のメンズブラを着用した感想を見かける。姿勢もシルエットもよくなった。着圧が重い布団のようで落ち着くという内容。寝付いてから、生理痛のため腹ばいになって寝る体勢を探す。寝汗をたくさんかいた。

1/18(火)
生理だと布団から出られる。コーヒーをいれて、はちみつシナモントーストを食べた。パイナップルも食べる。LINE嫌いだなーと思いながら友達申請をする。ラジオからは幻想交響曲が流れている。五楽章が始まるところまで聴けた。会社など行かず最後まで聴いてその後に予定されているという怒りの日聴き比べも堪能したい。

家を出て、通勤電車の中で『パパのオウム』を読む。

 

冒頭の表題作で早速泣く。マスクの下で。短く、心温まるがベタではない。

午後、「カレー屋の正月(スペシャル)プレートって、これやったら普段出してるチキンカレーが食べたかったなーって味の時ない?」とMにメッセージを送ると、「二度と食べられないのが残念だから限定メニューはあまり注文しない」と返ってきて以外だった。刹那的な、享楽主義のイメージがあった。二度と食べられないのが残念という立場と相反するものではないが。

やがて退勤。風が冷たい!帰宅、風呂。夕飯はニラ鍋。食後、読書。文面のやり取りに一度ひっかかりを感じるとすぐ心を閉ざしてしまう。初耳警察みたいなところもある。寝ているときの乾燥対策に、無用の長物となっていたウレタンマスクをつけると快適だった。

1/19(水)
起きてラジオをつけるとハイドン交響曲が流れてくる。コーヒーをいれて、スコーンを食べた。家を出て、通勤電車の中で久保田茂子・南禎鎬『私の愛、ナムジュン・パイク』を読む。

私の愛、ナムジュン・パイク

パイクとの恋のかけひきに失敗し、他の男と結婚することになってしまった茂子。穏やかだが、どこか鬱屈とした結婚生活の場面。ジョン・ケージが登場して、ただただマッシュルーム大好きで面白かった。いつかのツイートで見た通りだ。

職場にて、弁当のおかずはかぶと豚肉の炒め物。ポン酢としょうがの味。昼休み、上記の本に登場したチェリスト、シャーロット・モーマンの映像をYoutubeで見る。舞台度胸がすごい。顔色を変えずに淡々とパフォーマンスする。クラシックのレパートリーを演奏している姿が見てみたくなった。

やがて退勤。帰宅、風呂。夕飯は豚キムチ丼。食後、ずっと放置していた携帯電話会社の乗り換え手続きをぽんぽんと進められた。その後webちくまの朴沙羅と上間陽子の対談を読む。

www.webchikuma.jp

面白かった。こういうときに「化学反応」とかいうのも思考停止というか、いまいち実感が伴わないというか、「頭を殴られたような衝撃」と同類のあまり好きではない表現。頭を殴られたことのある人間はそんな表現をしないのではないか。ともかく、上間陽子さんの、著書とは違う印象のやりとりが見られた。相手が言ったことに反応して対談に奥行が生まれて面白くなっているのだから、それはやはり化学反応なのだろうか。
眠かったので早めに寝る。