0106-0112

1/6(木)
雪が降っている。コーヒーをいれて、レモンチーズトーストを食べる。雪はちらつく程度だったので傘をもたずに出勤。

通勤電車の中で現代女性作家読本『山本文緒』を読む。

山本文緒 (現代女性作家読本)

インタビューの中で自分の過去の作品のことを「荒唐無稽」と言っていたらしいが、論文の中の筋書きだけ見ると本当にそう。でもそれだけではないのがいいところで、荒唐無稽な印象は薄い。

会社の最寄り駅に着いたら雨が降っているかと思ったが、雪のままだった。職場にて、弁当のおかずはチンゲン菜とひき肉の炒り卵、さつまいもご飯。午後、おやつにコロロというグミを食べた。こんなにブドウの皮を作りこんであるとは思わなかった。グレープ味じゃなくて、コーラ味にしたほうが変なグミとして楽しめたかもしれない。何日か前に「友達が乳首に似てるよって言ってたから買った」と訳のわからないことを言いながら彼氏の口に入れたが、経緯が混線することに慣れたのかそのことについては深追いせず、黙って食べていた。

やがて退勤。スーパーへ寄ったが、何も買わずに出た。帰宅。とりあえず何かお腹に入れたいのでデーツを食べる。箱に直接実が入っているので取り出す度に虫がついていないか気になるが、今のところ出くわしたことはない。風呂。夕飯は辛ラーメン鍋。春菊、わかめ、あさりが入っている。麺を半分残しておいて汁なし辛ラーメンにした。ギョニソ、卵、スライスチーズを入れてビールも開けた。ラジオからはSKY-HIのインタビューが流れている。ド正論を堂々と話すが、語彙が豊富で退屈しない。事務所は一軒家で、母親が所属アーティストに料理をふるまったりする。起業してすぐにオーディション番組で注目されたためまだ会社として守りの部分が弱く成長痛が起こっている。マジ新興零細企業。オーディション番組はテロップやナレーションを極力減らしてドキュメンタリータッチの作り方をした。意見を通せるのは私財を投じたから。

その後山本文緒『おひさまのブランケット』を読む。

おひさまのブランケット デビューセレクション (集英社文庫)

おどけ方が独特(驚いて「マグニチュード8だわ」と返すなど)だが、時代なのだろうか。男性キャラの造形は他の山本文緒作品に出てくる人と統一感がある。その時代の中でもちょっと古風。

1/7(金)
起きたらギリギリの時間だった。コーヒーだけ飲んで出勤。

通勤電車で井口淳子『亡命者たちの上海楽壇』を読む。

亡命者たちの上海楽壇: 租界の音楽とバレエ (オルフェ・ライブラリー)

上海のオーケストラの運営が日本人で固められ、団員はほぼロシア人、ドイツ人。日本人奏者が二人だけいる。井上靖の作品に「貧血と花と爆弾」というのがあって、メニューインの公演を企画する人々がえがかれているらしい。

貧血と花と爆弾―他二篇 (1956年) (角川文庫)

電車内で「もしよかったらお座りください」という丁寧な声掛けを目撃。お年寄りでも子連れの人でも、いったん座るとかえって立ち上がるのが難儀なのか断る人をよく見かける。断る余白を残しておくのは大事だと思った。

職場にて、昼食はQUTTAのトマトクリーム味。弁当を作るのを忘れ、昼休みに外出して職場近くのスーパーで買いに出たのだった。プチのきなこウエハースのパッケージに白目を剥いて涙を流している人物(鬼滅の刃のキャラ)のイラストがあしらわれていて気が進まなかったが49円なので購入。鬼滅鬼滅(もう下火だが。ここは賞味期限が近い食品が流れてくる格安スーパー。)に辟易する気持ちも2時間ほど時間を作って一本映画を見ればひっくり返るだろうとは思う。彼氏は映画を見たとかで、煉獄さんのことをかっこいいと言っていた。座ったまま死ぬとも言っていた。最近は呪術廻戦が8巻まで無料だったとかで、マンガのほうは無課金のままガシャポンをまわしたりUFOキャッチャーをしたりして五條というキャラクターのグッズを集めている。ほかにココア、コーヒー、カップスープなど。カップ麺ではあるが、弁当が冷え冷えになる季節なのであたたかい昼食はほっとする。

午後、職場の廊下にもう2年近く貼られている、「3つの密を回避しましょう」というイラスト入りのポスターを見て「最近聞かないな」と思う。タケダユリコ(←幼稚園のクラスメイト)と小池栄子に阻まれて小池百合子が出てこない。三密回避も自粛もワクチンも、たちどころに新型コロナウイルスを滅することができるわけではないのだ。ようやく社会に浸透してきた感じがする。

いったん帰宅して奈良へ。若草カレーで夕食。盛り付けが少し変わった気がする。おじやのような優しさがある一皿。いつも夢中で食べ終えてしまいナッツオイルで味を変えるところまでいかないのだが、今日はかけられた。ふうせんかずらで棚の整理。3冊しか追加納品していないのに大いに悩む。店内には同じく棚を借りておられる女性がひとりいた。この方の棚はすっきりしているが、私物を並べず商品として仕入れているという。フリーマーケット状態のわたしの棚を楽しんで見てくださり、本屋さんの話などした。お会いできて嬉しかった。帰宅、風呂。厚着をしすぎると夜中に起きてしまう。足は余熱を放出しているという記事を見て、裸足で布団に入るとよく寝られた。

1/8(土)
9時ごろ起きた。コーヒーをいれて、はちみつシナモントーストを食べた。図書館へ行って本を返し、また借りてきた。『文藝』も読んだ。

文藝 2022年春季号

国内(韓国内)では公表しないでと母親に頼まれたというイ・ランのエッセイ。訳者の斎藤真理子が言葉をうしなったという家族の近況。金原ひとみ伊藤比呂美の対談も興味深かった。

一旦帰宅して遅めの昼食。オイルサーディンとトマトのスパゲッティ。18時からアマオケの練習。練習前にパン屋で三日月型の食事パンを買い、休憩時間に食べた。食事パンはいつ何と食べるものなのか。ハンバーグもビーフシチューも米と食べたいのだが。練習が始まって終わった。ポトフかな、と帰り道で思った。Mが練習に出てくるために妻子の好物であるポトフを作ってきたと話していたのだ。

奏者も指揮者も女性だけ、演奏も衣装も化粧もバッチバチにキメる、というコンセプトの演奏会をアマチュアで企画してやった人がいるらしく、SNSアカウントをしばらく眺める。コンサートミストレスの女性は過去に様々な団体でもドレスの露出の多さを突っ込まれてきたとインタビューで語っていた。いたなあそういう人。わたしは一般的なステージ衣装さえちゃんと用意せず済ませているような人間だが、理想通りの衣装で演奏できる場があるのはいいことだと思う。

1/9(日)
7時前に起きた。コーヒーをいれて、昨日買った黒糖蒸しパンを食べた。今日は9時から18時までアマオケの練習。電車内では岡田暁生『音楽の危機』を読む。

音楽の危機-《第九》が歌えなくなった日 (中公新書)

面白い。第一次世界大戦当時と比較したりしつつ、実験音楽やジャズにも触れていて守備範囲が広い。

昼食はスパイスカレー。正月プレートじゃなくていつものチキンカレーがたべたかったなという味だった。企画商品を出し続けるのは難しい。この店はスパイスカレー店には珍しく、やよい軒とかにいるような雰囲気の女性スタッフふたりが回している。店長が朝仕込んで、日中はスタッフだけで提供しているようす。これはこれでよそにはない安定感があっていい。思ったことをすぐ言い合う。「さっき入店せずに帰った人チキンカレーが食べたかったんかな」とか、「これおいしいけど、なんかカレーかって言ったらちょっと微妙」とか。確かにエビマスタードカレーはそういう味だった。

練習が始まって終わった。言うのも角が立つが言わないと直さないので、ちょっとした間違いを指摘すると「うん、前言ってたよね」と知ってる風を装いやがった。今目の前で間違えたやろが!こんなところで優位に立とうとしてどうする!無意味!意味があると考えているとしたらもっと嫌だ。不愉快。もうこいつには何も言わない。指揮者の先生が変わった指揮棒を持っているなと思ったら、子供用のお箸らしい。「これちょうどいい!」と先生。デパートで買い求めたらしく上品な佇まい。指揮棒も既製品でないものを試したりするんだな。持ち手がないので数回手から抜けて落としていた。

帰宅、風呂。夕飯は担々麺。ジャージャー麵の素とそうめんと牛乳で作ったが、材料不足がそのまま出た中途半端な味だった。20時半からUNIさんのオンライン読書会にリスナーとして参加。前から気になっていたが参加してよかった。「ヒトをプロデュースしないとヒトとしてカウントしてもらえないのか?」「『フェミ~!』いやいや待て待て、人間人間」ボヤきにセンスがあるのでしばらく頭に残る。悲しい内容だが、悲しい悲しいと言い合える場があるのは助かる。わたしの職場でそういうことを言うと地動説を最初に唱えた人のような扱いをされるのだ。家族も無理。友人も厳しい。

4時半くらいに目を覚ます。父、母、妹と車に乗って旅行している夢。ハンドルを握る父親がチョケて海に飛び込んだりする。飛び込んだら潜水艦になるという仕様になっているようだ。妹がガハハと笑い、わたしもつられて爆笑。楽しい夢だったのに起きたら悲しくなってしまい、ぬいぐるみを抱いてまた寝た。

1/10(月祝)

10時ごろ起きた。カフェオレをいれて、トーストとほうれん草の炒り卵を食べた。よく晴れていたので布団を干し、洗濯もした。家を出てお金をおろしに郵便局へ。ゆうゆう窓口には5人以上の列ができていた。スーパー2で買い物。冷蔵庫がすっからかんだったので5000円分くらい買った。冷凍のとろろがあったので試してみる。レジ前でマスクをカゴに入れた。KF94風の形で、30枚880円。オミクロン株のウイルスは飛沫?に含まれるウイルス量が多く、二度目の接種から時間が経ってしまったのでワクチンの効果も薄く、再びマスク頼みの状況になっているという医療従事者のツイートを見かけていた。いつもエコバッグの容量が足りない。コンビニ袋ひとつ分くらい。そんなわけでコンビニ袋も持参したらちょうどよかった。食パンがかさばるんだと思う。帰宅して総菜コーナーのフライドチキンを昼食にする。大根サラダのパックをあけて酢をかけて簡易なますを作って付け合わせにする。ここ数日食べたかったメニューなのにやや胃もたれ

また家を出て、天満橋のドーンセンターへ。

電車内では市川佐都子『バッコスの信女』を読む。

バッコスの信女―ホルスタインの雌

通っている図書館に戯曲の棚を発見。三分の一くらい宮藤官九郎だったが、話題作があったので借りてきた。壮絶な筋書きとセリフで、劇場で見るとさらに衝撃的だろう。合唱パートのスコアもついている。「妖精の問題」も収録されているが、この作品は近々ロームシアターで公演があるらしく、年末にチラシが手元にあった。「ブス」の「ブ」の部分をノーブラZINE5の原稿に使った。「ゴキブリ」の「ブ」だったかな。

天満橋着。ドーンセンターの図書館はひっそりと営業していた。棚はとても充実している。新刊が借りられる状態で並んでいて、取り合いになっていない。通っている図書館では15件の予約が入っていたキャロライン・クリアド=ペレス『存在しない女たち』がすぐに借りられた。

存在しない女たち 男性優位の世界にひそむ見せかけのファクトを暴く

Uさんがツイッターのスペース機能で読書会をひらいていた作品。毎週一章ずつやっていて、昨日は五章だった。十章以上あったので手元に用意しておくのなら買わないといけないが、それは読んでから考える。おとつい十冊くらい借りたばかりなのにまた十冊借りてしまった。一日に読むページ数を決めるか、ルーターの電源を切るか。テレビ番組「生理CAMP」の本は館内でざっと読んだ。経血カップもよさそうだが、できれば経血はトイレに行ったタイミングで便器に出したい。

帰りの駅でひとりだけ振袖姿の女性を見かけた。帰宅、風呂。まだ腹具合がおかしい。コップ一杯の牛乳が消化に影響するようになったのか?子供のころ給食で毎日飲んでいても、大人になってその習慣がなくなるとお腹をこわすようになる人がいるという。早々に布団に入り読書。イ・ドウ『天気が良ければ訪ねて行きます』を読み終える。

天気が良ければ訪ねて行きます

吉本ばななみたいだなと思ったが、こういう作品のことをヒーリングロマンスというらしい。帯に書いてあった。配信番組「SANBONRADIO」で本屋プラグの嶋田さんがおすすめしていた通りの魅力があった。グッドナイト書店のリアリティとtoibooks風味。いかにも面白そうな架空のリトルプレスの新刊情報。主人公の恋人への呼びかけが「君」。

21時ごろにお腹がすいたのでつみれ汁とキンパを食べた。引き続き読書。寝る前にツイッターを見ると指揮者の新田ユリさんが「2週間後、ステージに立てますように。」と投稿していた。公演のお知らせの文面の末尾。悲痛だ。

1/11/(火)

ランチバイキングの途中でSASUKE風のステージに挑戦する夢。カラーリングや照明はSASUKEだが難易度はアスレチック。わたしの見る夢の限界という感じだ。昨日の朝のツイッターはなんだか夢の話をしている人が多かったことを思い出す。朝の時間に余裕があって二度寝したからか。予定が流れてしまった人なのか。今朝は雨。これで乾燥注意報続きの日々もひと区切りとなるか。昨日の残りのキンパを朝ご飯にした。コーヒーも飲む。

通勤電車の中で津野いづみ『ふだん着のブティックができた』を読む。

ふだん着のブティックができた (就職しないで生きるには 5)

職場にて、弁当のおかずはフライドチキンの炊き込みご飯。

やがて退勤。ドラッグストアに寄って電球、オリーブオイルやマヨネーズなど買う。帰宅、風呂。夕飯は明太クリームうどん、ほうれん草、キンパ。その後読書。キャロライン・クリアド=ペレス『存在しない女たち』、除雪の章。車道から除雪するか歩道から除雪するか。かつてスウェーデンで車道から除雪されていたのは、決定権が男性にあったから。移動手段に車を使っている人はデータ上男性の方が多い。通勤は必要な移動、では子供の送り迎えや買い物の移動は?この本の訳文(神崎朗子)、自然で読みやすい。「残念な議員」の原文は何なんだろう。その後、『ふだん着のブティックができた』を読み終える。吉祥寺の「タイガーママ」開店までの奮闘記。何も知らずに借りてきたが、1/20に閉店するらしい。たった今、店の床のレンガを関係者でワイワイ言いながら貼っているところを読んだばかりなのに切ない。夏場は厚みのある生地(←→「セミの羽のような」シースルー生地)のトップスを一枚で「ペロッ」と着た方が快適だし、洗濯もしやすいというのに同意。

1/12(水)

コーヒーをいれて、バナナシナモントーストを食べた。

家を出て、通勤電車の中で『足をどかしてくれませんか。』を読む。

足をどかしてくれませんか。——メディアは女たちの声を届けているか

小島慶子が「石碑に刻んで掲げてほしい」と書く、自らが局アナでなくなったときにかけられた言葉。

電車内では座れた。リモートワークしている人が多いのだろう。職場にて、弁当は鮭ときのこの炊き込みご飯。

午後、集合写真を撮ろうということになる。集合写真は嫌いなのでその度に嫌だなと思い、撮っている間は早く終わってくれと祈っている。「はい、みんなでやるポーズ決めてください」と指名されて最悪だった。「棒立ちでいいんじゃないですか」と返すと、撮った後に「ちゃんと決めてくれないとダメじゃないですか~」と言われた。こいつは以前「LINE嫌いだから極力やらない」と話しているときに「ヤバいじゃないですか改善しましょうよ~」と言ってきたこともあるのだ。頭の回転も速いし仕事もできる人なのだが、とりあえずこいつの視界から姿を消せないだろうか。とても不愉快。

やがて退勤。帰宅、風呂。料理中に『存在しない女たち』トイレの章を読む。天満橋のドーンセンターの女子トイレの大きさ、本当に清々しく嬉しかった。おとつい、駅の改札近くでティンバーランドのブーツを履いてイキり散らかしている若い男性を見かけたが、長年にわたって何人目にしても怖い。あの歩き方はオーバーサイズのブーツを履いているからなのか。裸足でもあの歩き方をするんだろうか。NHKFM19時のニュースにて、新規感染者全国で一万人を超える。東京2,198人、大阪1,711人。夕飯は肉団子スープ、鮭塩焼き、白飯。

食後、ヤンマガWEBで『10DANCE』を読む。

10DANCE(1) (ヤングマガジンコミックス)

キューバ育ちで英語を話すと不本意ながら舌ったらずでかわいくなってしまう、という男性の英語セリフのフキダシに全部ハートのスクリーントーンが貼られている。