1223-1227

12/23(木)
失われた祝日。昨日の夜からつけっぱなしのラジオから上皇の近況が聞こえてくる。今年は魚類の研究のためにたまに御所に行くほかは外出を控え、家の庭を散策されていた。側近から世相を聞いて平和や国民の幸せを願っておられるという内容。研究者だしニュース等は自分で情報収集したいんじゃないかと想像するが、そうでもないんだろうか。大阪府内で海外渡航歴のない人がオミクロン株に感染しているのがわかった、というトピックを聞いて起き上がった。コーヒーをいれて、ハムマヨトーストを食べた。弁当用に焼きそばをつくる。

家を出て、通勤電車の中で『覚醒するシスターフッド』を読む。

覚醒するシスターフッド

雑誌『文藝』の同名の特集号を再編集したもの。射撃場にもレディースデーがあるんだな。

職場にて、人事評価システムへ目標入力。システムを導入したばかりなので全社員手探り状態。ネットから適当に文章を拾う。2010年以前で絞り込むとシステム屋の宣伝記事が消えて捗った。弁当は焼きそば。

やがて退勤。帰宅、風呂。夕飯はチキチキボーン、中華スープ、白飯。チキチキボーンはクリスマスの前借り。食後、楽器を弾く。その後、ZINEの製本。おまけにつけていたフリーZINEがなくなった。100部刷っていたので、そんなにどこへ配ったのかと不思議な気分。ZINEを60部作ったので、半数以上はそれと一緒に旅立ったことになる。値段をつけたほうが手に取ってもらいやすいというか、道筋を作りやすい。でもそれは本屋さんや、SNSで拡散してくださる方々の協力なしにはありえなかった道筋。

その後、彼氏よりLINE。「年末年始は実家に帰るん」。「どないしよ」と返す。先週、給湯室で職場の人に「親は大丈夫やでとか言いますけどわたしは感染りたくないんで…」と言ったのを思い出す。「わかるわ!なんで自分が感染してない前提なんやろね」と返ってきた。親とのやりとり自体は昨年のものだが、思い出すだけで消耗する。正月休み明け、別の職場の人に「うちは家族全員でわちゃわちゃしてたけど何もなかったから大丈夫やで」と言われたのも意味がわからなかった。(運が)よかったですねとしか言えない。今思えば、自分の正月の過ごし方を否定されたくなくて先回りされたか。

12/24(金)
コーヒーをいれて、ハッピーヒッポを食べた。輸入菓子の中でもとくにPLAZAの店内がまざまざと浮かぶような甘い香り。実際に買ったのはカルディ。家を出るまでの少ない時間でなんとか弁当用に目玉焼きをつくる。

家を出て、通勤電車の中でこうざいきよ『財布の中身』を読む。

財布の中身―inside of your secret life (ちくま文庫)

読み進めていくとコメント芸の難しさのようなものが伝わってくる。ただけなすだけになると面白くない。

職場にて、弁当のおかずはさといもゆかり和え、ハムエッグ、おくら。午後、「ここに置いときますよ」に対して「捨てとくから」と返される。こうした返しの何が嫌か。「やめてください(笑)」を欲しがるところだと一度わかってしまうと、自分の中で可視化されて増えた感じすらする。「え!?別に捨ててもらってもええけどな!」と思ったことをそのまま大声で放っておいた。こういうジジイは人の話を聞いていないので言い合いにならない。周りにいる人がギョッとするだけなのだが、「やめてください(笑)」と言ってやるよりまし。あと些細なことで何回も電話をかけてきて急かすボケがおり、あまりにイライラしたので電話をガチャ切りする。結果、寝るまでずっと後悔した。

16時半、早退。カロブックショップへ行きノーブラZINEの追加納品。今年のキタカガヤフリーの話など聞く。当日券はぎりぎりまで出さず、事前予約制。一日券もあるが二時間ごとのチケットで入場している人が多く、入れ替え時間には目に見えてお客が減る。東京の出版社の参加はほとんどなし。飲食の出店は野外。これは従来と一緒だが延期により冬開催になってしまい、寒さとの戦いに。しかし、お客ひとりひとりに時間をとって本の説明ができ、お客も予約して来ているので購買意欲が高く、接客が購入に結び付くことが多かった。出店者どうしでのんびり交流もできたという。そこから、事前予約制、時間入れ替え制をとった美術展では美術館のスタッフとお客双方の満足度がすごく上がっているという話。採算がとれないのが問題。

夕食はカロのチキンカレー。毎回、想像したより鮮やかなオレンジ色だなと思う。玄米がプリプリ。テーブルに切り花が飾ってあるのも素敵。ゼロ年代発行のミニコミモダンジュース』を買う。長年営業されているお店でしか、まず出会えない商品。値札に日付が入っていて、2012年だった。拝みたいような気分だ。今年もお世話になりました。

カロを出て、映画館へ直行すると2本見られると気づいて急ぐ。『全員切腹』。今窪塚洋介ってどんな感じなのか。ポスターの顔は嘘のように若々しかった。短い作品なのでヘラヘラ(あ~こういう役どころは窪塚洋介といえばという感じだな、でも思ってたより活舌も声もいいな)していると長回しシーンも作品そのものも終わってしまった。太鼓の映画でもある。『カムアンドゴー』。リーカンションが好きすぎて頭がいっぱいになってしまった。年を重ねているのも嬉しい。梅田を歩いているのも嬉しい。相変わらずひとりでウロウロしているのも最高だし、連れ立って歩いているのもよかったね。アダルトショップ店内をウロウロ、ディルド見本を右から順にウィンウィン動かしてニヤニヤ、最後に6本全部動かしてニヤニヤ。リムカーワイがこんな感じで撮ったことでリーカンションファンの共通言語を自分も持っているのではないかと心強い。リーカンション好きは観に行けというツイートをしてくれた人どうもありがとう。馴染みのあるところがスクリーンに映ることで刺激される感覚があって、首都圏に住んでいる人はこの感覚をより多く感じているのかということを考えた。上映終了後、舞台挨拶。あることを知らなかった。5人くらいの観客に向けてバーッとたくさん喋ってくれる。感染症の蔓延がおさまる、あるいはひと段落したらまた海外から人が戻ってくるだろう。すでにコンビニ、飲食店で外国人労働者に接客されることが多くなっているのを体感している。日本はどう受け入れるのか興味がある、という話。

久々に終電近い電車に乗って帰る。車内でスーツ姿の男性がスコーンを食べていた。コンビニのPB商品パッケージ。目を細めて凝視するとスコーンと読めた。言われてみればスコーンのにおいが漂っている。飲み物なし。不思議と嫌な感じはしなかった。空いていたからか?おいしそうにシャクシャク食べ続ける。スマートフォンを見ながらポイポイ口に放り込む。シャクシャク。ポイポイ。シャクシャク。こちらが彼の部屋を覗き見ている感覚になるほどくつろいだ姿だった。
帰宅、風呂。

12/25(土)
よく晴れている。昨日雨に降られた洗濯物をそのまま出してあるが、乾いてくれるんじゃないかと期待。コーヒーだけ飲んで出勤。

通勤電車の中で安田『性と欲望の中国』を読む。

性と欲望の中国 (文春新書)

『カムアンドゴー』には性産業、日本のAVファンの台湾人、日本人AV女優をコンパニオンとして呼ぼうとする中国人、そこに派遣される韓国人女性、そして斡旋業者が登場した。タイミングよく関連書籍が手元にあることは、図書館の妖精のおかげだと思うことにしている。

出社したらデスクにブッセが置いてあった。取引先の手土産か。家で食べる時間がなかったので助かる。朝食にする。1年目の後輩の席に同じく1年目の男性社員が年賀状を誰に出すか相談に来ている。どうもハガキそのものを出したことがない様子。これが10年の時代の流れか。でも、さすがに同い年にも「えっどうやって生きてきたん(笑)」と返されていた。

正午、退勤。寝不足と空腹で目が開かない。エイヤ(←外食のハードルを乗り越えるかけ声)とうどん屋に入り、鍋焼きうどんを注文。家族経営ぽいこのうどん屋、前回来た時もそうだったが調理場に息子の姿がない。客席にはマンドリルの絵が飾ってあった。関係者に絵葉書をかく人がいるらしく、店先には水彩絵の具で着色されたポップがいっぱい。どんどん作品制作されるらしく、うどんとは特に関係のない題材の作品がいたるところに進出しているようす。

食べて元気になったので奈良へ。ディアギャラリーナラ、柴田ビル3FでCHISOUの展示を見る。椿井近辺の物件が現在進行形で公開されていっている感じがする。トークイベントを聞きにいくという当初の目的を忘れてふうせんかずらで関係者と喋った。話の流れでここ数年気になっていた、美容室「LINUS」内の「TEIBOBOOKS」棚の本はどうやって閲覧、購入するのか?という疑問が氷解。引き戸を開けて「本棚が見たいです」と言うと案内してもらえ、お客の髪を切る合間に会計の対応もしてもらえた。いい雰囲気のお店で、一緒に行った人は「僕これからあそこで髪切ります」と言っていたけど本当かなあ。ふうせんかずらからLINUS、あるいは柴田ビルへ行って帰ってくるという不思議な遊び方をした。

その後アパアパカフェで休憩。ベーグルサンドセットとジンジャーエールで早めの夕食。たまたまテーブルも広く使えてラッキーだった。昨日とってきたフライヤーを眺めて過ごす。常連のお客が店主とぽつぽつ話すのが聞こえてくる。「みんなポンポン音源出すけど、ひとつ作るのがどれだけ大変か。副業もしてるだろうに信じられない」←これは覚えておいたほうがよさそうなのでメモ。「優しいから関係者をただで入れてあげて、客席がぱんぱんになる」そういう現象があるのか。その後各所の対バン情報を読み上げて「いいな~!」「いいな~!」と言い合っていてとてもよかった。店内には折坂   悠太が流れていた。前回来たときは中村佳穂。

昨日も今日も本を買って、読むのが追い付かない。読む時間を確保すべくミスタードーナツへ。空いていて過ごしやすかった。帰宅、風呂。平山亜佐子木嶋佳苗の長大な記事を見つける。ゼロ年代2ちゃんねるの盛り上がりが懐かしい。

12/26(日)
9時に起きる。スパゲッティナポリタンをつくって食べる。カルボナーラをつくった時店っぽいと思ったが、やはり麺だ。ポポロスパよりカルディの麺のほうが何かそれっぽい香りがする。今日はアマオケの練習。

電車内ではすぎやまこういち『体験作曲法』を読んでいた。

すぎやまこういちの体験作曲法

ドラクエの仕事をする前に執筆されたもの。幼少時代は父母と唱歌の三部合唱をして遊ぶ。砂地で防空壕が掘れないため空襲警報下でも合唱しつづける。すごい環境だ。しかもその年齢で独立したパートを!?と驚く。中学時代に聴いていたレコードは父親が反物と交換して入手してくれた4枚のみ。すべてベートーヴェン交響曲の1番、6番、7番、あと何かのソナタ。6番はスコアつき。プレーヤーの性能上低音が聞こえないのでコントラバスパートを自分で歌って響きを補ったという。

練習が始まって終わった。練習が終わり、廊下に出してあった楽器ケースに楽器をしまおうとした時、ケース内に冷気が満ちていた。クーラーボックスか、冷蔵庫のようだった。勝手に楽しくやるのがうまくなった気がする。雪がちらつく中帰宅。風呂。夕飯はさつまいもご飯、豚汁。ひき肉を使った。

12/27(月)
モサモサの腕毛を剃る夢を見ていた。そういう人の腕を昨日目にしたからだが、当該人物の言動について「生涯学習とは何なのだろう」みたいなことを考えていても夢に見るのは腕毛。視覚情報の容量は大きい。コーヒーだけ飲んで出勤。

通勤電車の中で藤本和子『ブルースだってただの歌』を読む。

ブルースだってただの唄 (ちくま文庫)

冒頭、下層の中で下層が再生産されていくという構造の話。

職場にて、弁当はさつまいもご飯、ブロッコリー、おくら、チキチキボーン。もう心の中では正月休みに突入しているが、明日も昼食を用意しないと。

やがて退勤。帰宅してラジオをつけるとリュートのための古代舞曲とアリアが流れていた。高校生の時に取り組んだ曲。なつかしい。校地にて年末に大同窓会が開かれる旨ハガキが来ていたが、行く気はない。風呂。夕飯は白菜とツナと厚揚げの煮物。煮汁で汁なし辛ラーメンもつくって食べた。ラジオで就職活動支援ミニ番組が始まり、「学生時代に力を入れたこと、『ガクチカ』」と聞こえてきたので気分が悪くなりラジオを切った。形骸化はなはだしい。久々にCDをかける。リュートのための古代舞曲とアリアを選んだ。食後、凍えながら各所に連絡。彼氏から「結局実家には帰るん」とLINE。全然検討する気が起きない。親は家でマスクなんかしないだろうし、滞在時間を短くするか。それでは中途半端か。今日19時のニュースによると、オミクロン株はデルタ株に比べてワクチンが効かないらしい。その後、アリの巣の話。隣の部署で電話をとっていた人が異動になり、鳴りっぱなしになっている。巣から働きアリを取り除くと怠けていたアリが働きだすというが、わが社はそうではない。夜中、石井ゆかりと真木あかりの占いを読む。5月から7月にやっていたことが効いてくるという。日記を読み返すと、図書館が休業して本屋に行くようになり、本を買っていた時期。ZINEを読んだり、刺激を受けて自分でつくり始めたのもこの時期。なるほどね。