0901-0907

9/1(木)
ここ最近またお腹が張っていてゆるい。朝食にくるみの食パンとパイナップルを食べたのがよくなかった。電車で酔う。乗り換えの駅で、以前、体調を崩した人がへばっていたのとほとんど同じ場所でしゃがみ込む。この駅にはベンチがすごく少ないことがわかった。その後ひと駅移動してまた途中下車、1時間ほどホームのベンチで休んでいた。マスクもメガネも湿気も辛い。サウナのように汗をかく。立てるようになったら自動販売機で水を買う。というか今すぐ水分補給しないとやばい気がするが、何歩歩けるか。どっちの方向に自動販売機があるのか、初めて降りる駅なのでわからない。少し寝るとすっきりして水を買うことができた。

職場にて、昼食は仕出しの弁当。イカフライのイカが真っ白ではなくて、ワタも混ざった赤紫色のすり身だった。衣には青のり。献立表とセットで楽しんでいるところがある。やがて退勤。スーパーへ寄ってビール券2枚を一番搾り4本にかえた。帰宅、風呂。夕飯は味の素のギョーザ(しそ、みょうが)、キムチやっこ。一番搾り

職場で10月から他県の支店に異動になった人が、家賃補助が少ないという話をしていた。立地で選ぶと不動産屋に「1階でもいいですか?」と言われたという。盗られるものもないし別にいい。男性だとそんな感じで構えられるのかと羨ましく思っていると、淡々と「刺されて死んでたら線香あげに来てください」と続けて話していてぎょっとした。今読んでいるチョ・ナムジュ『彼女の名前は』の中の一節を思い出した。

彼女の名前は (単行本)

「お金がないってことはちょっと残念ですまされる話じゃない、命を脅かされることなんだね。」マンションの3Fに住んでいて、真下の部屋の男にベランダ伝いに窓から侵入された女性の語り。高層がよかったが家賃が出せなかったので3Fにしたという経緯がある。

9/2(金)

9時前に起きた。長寝できるのが嬉しい。昨日夕食後寝て、寝る支度をしてまた寝たのに。今日は午前休をとっている。洗濯機をまわしてタカギベーカリーのくるみ食パンを食べ、病院へ。混んでいなかった割に待った。

待合室で浦久俊彦と山田和樹の対談本『オーケストラに未来はあるか』を読む。

「超」音楽対談 オーケストラに未来はあるか

山田和樹佐村河内守(というより新垣隆か)の交響曲を演奏会でやりたいと語っている。権利の問題で対談当時はまだ取り上げられない。マーラーブルックナーのパロディになっていて面白い楽曲らしい。映画「FAKE」では小人物のように見えた新垣隆だが、ピアノ上手いとかいう消費のされ方ではなくHIROSHIMAでも評価されるといい。

待合室のテレビの情報番組では長袖ニットを着た川島海荷が飲めるサツマイモを飲んでいた。そんなにいっぺんに消費したらもう秋がなくなる。純烈に新メンバー加入。ステージ上のやりとりの映像が流れ、ごついおじさんアイドルに勢いがあることはいいことなんじゃないかと思った。

一旦帰宅して洗濯物を干し、家を出る。慣れたと思っていた満員電車、こうして時間をずらして快適に通勤するとやはり異常な状態だと感じる。チョ・ナムジュ『彼女の名前は』を読む。朝ゆっくり過ごして元気だから読めそうだと選んだが、何篇も立て続けに読むとつらい。近年のアイドルが人差し指と親指で作っているハートは、ステージ上からファンに飛ばすためのものなのだと気づく。片手だと一連の動作がスムーズになりそうだ。

行ったことのないスーパーに寄って幕の内弁当を買い、会社のいつも食べているスペースで食べる。鴨のハムが入っている!総菜のパックからひとつずつ取り出してひとつの弁当箱に詰めたようなスーパーの弁当が久しぶりで喜ぶ。でもちょっと仕出しの弁当に比べて油っぽい。

やがて退勤。最寄り駅に着くと土砂降りだった。走って帰宅、風呂。夕飯はキムチ鍋。

ツイッターにて、数日前に香川照之の性加害が明らかになったことで、柚木麻子を気遣う動きが見られる。私も気になっていた。「擁護してるやつ、100号の肖像画描いたか?」「肖像画捨てます」「でかすぎて捨てられないから燃やすしかない」とツイートされている。今日は知り合い伝いにマシュー(藤井隆)からボイスメッセージが届いたという。

9/3(土)

6時台に起きられたので和歌山へ行くことに。

電車の中ではデビッド・グラハム『ゴルフのメンタルトレーニング』を読んでいた。

ゴルフのメンタルトレーニング (ちくま文庫)

先にあとがき、文庫版あとがきを読んで訳者がやはりメンタルコーチであることと、「ゾーンに入る」という表現を広めたのがこの本であることを知る。

同時に読んでいた佐藤麗生さんのZINEに「ZONE」というエナジードリンクが登場し、この後見た妻木良三展には「ZONE」というコーナーがあった。あとからこうして書き出すとそれだけのことなのだが、展覧会場では興奮した。

9時ごろJR和歌山着。朝ごはんを食べようと駅前をうろうろしていると、ヴィドフランスの店先に、職場の人が食べていたおしゃれなボックスセットがあるのを見つけて入店。駅前を行きかう人らを眺めながら朝食。エビサンドとハーブチキンサンド、チョコクロワッサンのセット。紫キャベツが断面から見えていたりしてとにかくおしゃれ。そしてこのチョコクロワッサンが以前、旅先の朝食バイキングで出てきて気に入ったものと同じ味だった。何の香りなんだろう。ヘーゼルナッツか?

駅前からバスに乗って和歌山県立近代美術館へ。過去に来たときは路線の関係で城の反対側の停留所で降りていたが、体力温存のためにもできるだけ近くまでバスで行ったほうがいいことがわかった。今回は近くで降りられたので元気。なつやすみの美術館 妻木良三「はじまりの風景」展。各コーナーの入口のパネルの文章はキュレーターが書いていて(「妻木さんは、」「妻木さんは、」)二人三脚という感じだった。大雑把な言い方をすると全部鉛筆でドレープが描かれた作品のように見えるのだが、違いが興味深い。貝殻や石、化石、動物の骨、そして美術館の所蔵作品が間に挟まっていてメリハリがある。ウニの殻をショーケースに入れて真上からスポットライトをあてると、表面のつぶつぶがごく繊細な影をつくる。

美術館を出て市役所の食堂で昼食をとった。ビュッフェ形式で、なすの煮浸し、おくらときのこの梅あえ、小芋のそぼろ煮。フロアが狭く動線は悪いがおかずはおいしいし和歌山城も見える。市役所のトイレの手洗い場に手洗い啓発ポスターが何種類も貼ってあり、それに加えて「隣の人は石鹸で手を洗っていますか」という貼り紙まであってひいた。血の気が。相互監視だ。ポスターには「30秒手を洗いましょう」「30秒はハッピーバースデー2回分」と書かれている。試しに口笛を吹いてみると、1回目のハッピの時点でもうすすぎに入ってしまっていた。古い建物のトイレに口笛が響くとすごく不穏な感じがするのは映画「青い春」のイメージかもしれない。

その後本屋プラグへ行き、和歌山城公園の片隅で忍者に見られながら(観光客案内忍者なのだが他にお客がいない)グリーンソフトを食べ、また美術館に戻って妻木良三と中島智、キュレーターによるトークを聞いた。中島さんが違和感を逃さず言葉を選び続けていたのが印象的だった。17時にトークが終わり、ラーメンを食べて帰ろうとしたが目当ての店は臨時休業。和歌山市駅近くのバーミヤンに入って紹興酒ハイボールとザーサイ、ギョーザ。飲み物とザーサイは店員が、ギョーザは噂の配膳ロボットが運んできた。ご注文ありがとうニャン。帰路へつく。

昨日ゲリラ豪雨阪和線が遅れていたので一日心配だったが、雨にはあわなかった。私が和歌山にいる間に自宅付近でゲリラ豪雨が降った形跡があった。歩道のブロックの間の溝に詰まった苔や土が雨粒ではじき出されて散らかっている。スーパーへ寄って買い物。ネオバターロールを買おうとしたら188円もして驚き悲しみ、一個売りのポケモンパンを買ってしまった。

毎朝お腹を壊しているのだがお灸でなんとかならないか。おへその裏の命門というツボを温めるといいらしいのでおきゅ膏を貼って寝る。

9/4(日)

朝ごはんに昨日からずっと食べたかったドーナツを食べる。お灸の効果か、お腹の冷えがマシ。10時から美容室。その前に放置していた事務仕事をする。美容室では左手で腕時計をつけたり外したりして利き手ではない手の感覚をやしなった。檀上遼さんのnoteの記事の影響。新型コロナの療養期間中に左手で箸を持って食事ができるようになったという!読んだのは数日前だが、記事でも書かれていたとおり日常から逸しないととりかかれないのがわかる。帰って昼食。すき焼き風煮を白飯にかける。スプーンを持って食べ始めようとして、ふと左手に持ちかえる。トントン拍子に上達して嬉しい。たまに右手に持ち替えて動きを確認。スプーンの角度は親指で変えていたのか。集中すればひととおりのことはできるが、ときおりスプーンがお皿にぶつかって大きな音が出てしまう。

練習が始まって終わった。楽器を持った帰路が真っ暗だととても寂しい。

9/5(月)

なんだかお腹が張っているので白湯だけ飲んで家を出た。ここで朝ごはんを食べたら電車に酔ったのが先週の木曜。

通勤電車の中で大友良英と稲葉俊郎『見えないものに、耳をすます』を読んだ。

見えないものに、耳をすます―音楽と医療の対話―

シンギングボウルに似た楽器に水を入れて演奏すると水が天ぷら油のようにパチパチ爆ぜる。人体にも液体が流れているので、同じようなことが起こっているのではないかと話していた。この本も『オーケストラに未来はあるか』も、度々アマチュア礼賛のような話題になり、読んでいて複雑な気分になる。何かで読んだ哲学カフェのジレンマを連想する。専門家とそうでない人が互いに「新しい発見」をもたらしてくれることを期待しあう構図があるというような話だった。ツイッターで「即解散すべきだと思いながらアマオケに参加してしまうのはなぜなのか」という投稿に大いに共感した。

昨日くらいから電車内に生乾きの臭いが漂っている。数か月前、ちいかわのアニメの「ひとりごつ」回の動画のコメントに「生乾きというネガティブなワードに可愛らしいイメージがついた」という旨のものがあって大いに共感したものだが、やはり臭いものは臭い。また酔ったらどうしようという不安もあるし、勘弁してほしい。昨日も一昨日も夕方にゲリラ豪雨が降ったので濡れてしまったのかもしれない。

職場にて、隙を見てポケモンパンを食べる。いちご味の蒸しパン。シールはリザードンだがやけに顔が小さい。キョダイマックスのすがた。キッズはそこまでやりこまないのではないか。もう一度151匹のノーマルシリーズでもいいのではないか。自分が知ってるポケモンのシールが今欲しいだけ。自分が30歳を過ぎてもポケモンパンを買っていることも、そして151匹の中ならどのポケモンにも愛着を感じられるようになっていることも、小学生の頃は思ってもみなかった。ルージュラ超キュート。マルマインとかでもいい。弁当のおかずは鶏むね肉、チーズ、くるみ食パン。やがて退勤。帰宅、風呂。夕飯はツナと白菜の煮物。ショウガとブラウンえのきの味。家ですぐ横になってしまうし自炊のやる気もないので去年の日記を読み返してみると、体調が安定しないのは大体同じだった。電車で酔い、すぐに寝る。

9/6(火)

起きられない。夢の中、出先でスマホのアラームを止められない。何度操作しても無理。音源が現実にあるからだった。食べたら電車で酔いそうなので飲まず食わずで出勤。マスクもウレタンにした。感染予防の意味はないが、今朝だけは乗り物酔いの方が怖い。

電車の中でキム・スム『Lの運動靴』を読む。

Lの運動靴

昨日自分の日記をたくさん読んだので、日常からは遠めの文学にした。地続きではある。

職場にて、昼食は仕出しの弁当。昼休み、TVer情熱大陸を見た。中津のカレー屋SOMAが出ていた、ネットで一週間見られるよ、アプリ入れないといけないけど。とMがメールをくれた。テレビがないこともアプリが嫌いなことも織り込み済みで、なんて楽なんだ。Mはガラケーを使っている私を見て「ラインよけ?」と尋ねてきたこともあり、気を許して情報を渡してしまう。情報を得るためならこんな物言いなどお茶の子さいさいなのかもしれないふたご座だ。あと、「サイケな感じもカレー屋の魅力のひとつだね」と書いていて、サイケ!確かに!サイケ大好き!とまだ見ていないのに興奮した。サイケデリックのデリはデリシャスのデリ。ツイッターで話題になっていてもあまり気が進まなかったのだが、自分に向けられたコメントには力がある。「ランチ営業のみで売り切れたら閉めるのはSOMAの常連だけが受け入れているスタイルではない。リサーチ不足か、誇張しているという事。毎回こういう演出をしているのかと思ってしまう。よく覚えておく」と書き送る。カレー屋にカレー屋が食べに来ているところを見るのはボーナスステージのようで好きなので見られて嬉しかった。

やがて退勤。帰宅、風呂。肩が重い。夕食はオムライス。昨日ツナ缶と間違えてやきとり缶を開けてしまったのでそれを使う。食後、岩浪れんじ『コーポ・ア・コーポ』の無料配信分をWEBで読む。

コーポ・ア・コーポ 1 (MeDu COMICS)

自分でも好きそうなことがわかっていて、作者のツイッターアカウントもフォローしているのに今まで読み進めることができなかった。その時の自分にとって画面の中の情報量が多すぎたのだろうか。気に入ることができてよかった。

9/7(水)

起きてコーヒーをいれ、パイナップルとクロワッサンを食べた。オーブントースターで焼いてもへなへなだった。家を出てチョ・ナムジュ『彼女の名前は』を読む。職場にて、今日は朝から大きい声がポンポン出る日。「ちょっと聞こえません!」とか。いつもは聞こえないままにしている、朝礼のボソボソ発言。台風が温帯低気圧に変わったからか?圧が減った?気がする。昼休み、カレー屋へ行ったら臨時休業の貼り紙がドアに貼ってあった。失意のどん底。こういう時の切り替えに手こずる。スーパーの棚の間で「心がすかすかだ」と思いながらなんとか選び出す。江古田ちゃんがコンビニでこう思うコマがあった。

やがて退勤。帰宅、風呂。夕飯はこんにゃくステーキ、目玉焼き、カレーおかき(オタフクソースパウダー使用)、一番搾り。ラジオからはリスト編曲版のベートーヴェン交響曲第3番が流れている。独奏だからすかすかに感じるところもあるが、グッとくるポイントはちゃんとある。