20240125

サザエさんの家のような引き戸に手をかけると意外に軽く、滑るようにカラカラと開いた。後ろでHちんとIMが「ここなんだ?!」「通り過ぎるところだった」と驚く。一応、路面にカレー屋の立て看板はあるし日替わりカレーのホワイトボードも扉の横に出してある。薄暗い店内に他にお客はおらず、青白い蛍光灯の下、カウンターの中にからし色のニット帽を被った店主がぼーっと立っている。飲み屋の間借り営業も今月末で終わり。何度か休業したり移転したりしていたようだが、「もうやりません」とツイッターで表明されている。 やがてメガネが曇って視界が閉ざされていく中、手探りで座席を引き寄せて3人横並びで座る。3種あいがけプレートを注文。黒酢ポークカレー、ブリのココナッツカレー、さつまいもダル。卵の天ぷらも追加した。揚げ油の匂いが漂う。店主の頭の後ろに黒板。夜の居酒屋のメニューが書かれている。もう長いこと開け閉めされていないような卓上の冷蔵ケースごしにカレーを受け取る。古民家カフェのスパイスカレーが盛られているような青緑色の深皿だったのが意外だった。豚もブリもプリプリ。切り方も大きめで食べごたえがある。この店を教えてくれたMが以前私の送った亜洲食堂チョウクのプレートの写真を見て「具が大きめでいいね」と言っていたことを思い出した。IMは店にいる間ずっとディズニーの新作映画の筋書きを酷評していた。スプーンがあまりすすんでいないので口に合わなかったかと不安になったが、菜の花の副菜以外は食べていた。ボードにチャイがあり、値段が空欄だったのを見つけたIMが「ついてるんですか?」と訪ねるが、「ついてないですね〜」「チャイ今日ないんですよ」とのこと。店を出る時にショップカードを記念にもらって帰ろうと手にとったが、1枚しかなくギトギトだったので戻して店を出た。ステッカーだったような気がする。やっぱりもらえばよかったかな。