森美術館問題と性暴力表現
何人かの共著だが、ページによって論考の温度や面白さにムラがある。
感情的になって会田誠をけなしている著者もいるが
タイトルに会田誠の名前が出ていないのがミソ。
前田氏の論考から読むのがいいと思う。問題点が整理されている。
ジューサーミキサーが美術館へ足を運ぶきっかけになった女なので
なんとも居心地が悪い。
古屋兎丸みたいなのが引き伸ばされて額装されて美術館に飾ってあるので見に行こう
くらいの気持ちだった。
ガロの誌上ではなくて森美術館、というところがポイントらしい。「棲み分け派」の前田氏が博物館法とからめて説明してくれている。
男性誌の編集に携わっていた女性、婦人保護施設で働く女性著者のやりきれない感情も吐露されているのがいい。
これを読んでジャンプのサービスショット問題の見方も変わった。
最初は金田一少年の事件簿やはじめの一歩の、無邪気ながら悲しい気持ちになるセクハラ描写を連想したが
今、ジャンプをひらくとあのイラストに出くわす環境が問題視されているのであって
「昔はもっとエグかったよ」とか「じゃあジャンプ読むな」という反応は論点がずれているとわかる。
ただ、あのイラストは割とかわいいと思っている。