1021-1027

10/21(木)
寒くて目が覚める。朝食ははちみつトースト。時間に余裕があるので洗濯をする。ベランダから見える空き地にセイタカアワダチソウが生えているのが見えているが、色あせて小さくなったような気がする。暑い暑いと言っているうちに秋が深まっていたようだ。

通勤電車の中でチェ・ウニョン『わたしに無害なひと』を読む。

わたしに無害なひと (となりの国のものがたり5)

回想する語りはせつなさが深まる。ごとうにものWebマンガ「えぶりでいほすと」も、初めのほうの数話のハジメの回想で現在はもうクラブワンを去っていることが暗示されていて、チラシの日付ひとつでチクッとする、と読者がツイートしていたことをメモしておく。また、この書名は収録作のタイトルではない。ちらっと登場するだけだが、こんなに残酷な表現もない。

職場にて、弁当はオムライス。隠し味のウスターソースの入れすぎ。
やがて退勤。帰宅、風呂。郵送健康診断のキットが届いたので検体をとる。NHKFM19時のニュースにて、ショパンコンクールの結果を伝えていた。今まで聞いた覚えがないが、今年は2位と4位に日本人が入賞していた。ツイッターではYoutuberのかてぃんがセミファイナルまで進出したことも話題になっていた。クラシックファンを育成するかてぃん。Youtubeの動画は新規ファンの取り込みに強い。5年くらい前に職場の人が吉田朱里の動画をよく見ていて、「NMBでこの子だけ知ってる。選挙で一票入れようかな」と言っていたことを思い出す。

夕飯はさばの味噌焼き、冬瓜の煮物、白飯。寒いので寝る。

10/22(金)
寒さで起きる。朝食ははちみつチーズトースト。時間に余裕があるので弁当のおかずをつくったりクローゼットからセーターを出してきて干したりする。ZINEに使う写真も撮る。ラジオからはドビュッシーラヴェルが流れている。

通勤電車で林央子『つくる理由』を読む。

つくる理由 暮らしからはじまる、ファッションとアート

 

職場の後輩に元気がなく、とても心配でちょっと引っ張られそうになっている。マンガやアニメのような見事なしょんぼり顔。しかし「親にもあんたの勤め先おかしいって言われてるし転職考えてます」とか言われたらどうしようと怖くて聞けない。想像すればするほどそんな気がしてくる。昼休み、ZINEの原稿づくり。

やがて退勤。帰宅、風呂。夕飯はおでんと辛ラーメンの粉やっこ。作業するから飲まなかった。食後、ZINEの表紙づくり。

10/23(土)
寒さで起きる。コーヒーを入れて、やんやんつけボーを食べる。ラジオではピーターバラカンが喋っていて、まだ7時台。結婚する友人にフォトブックを用意するという企画があるらしく、案内が来ている。画像を作って送る。LINEで作った。

その後ZINEの印刷。駅と反対側のコンビニへ行ってみることに。日差しが暖かい。店へ入ってみると、1キロも離れていないのに駅前の店舗と雰囲気がぜんぜん違って面白い。みんな車で来る。店員は主婦らしきパートで声出しなど熱心。日用品も充実。小数点以下まで値段が表示されているのはいつからなんだろう。コピー機を使う人はいない。試算して行ったはずなのに、コピー機に金額が表示されると「高っ」と思う。少部数なので専門店へ行ってもさほど節約にはならない。ミニストップへ行けばよかったか。数百円の、電車賃程度の差額に対するこの抵抗は何なのか。定価を上げるか?悩む。

帰宅、昼食はしらすスパゲッティ。ブロッコリーも入れた。オリーブオイルとエスビーの粗切りトウガラシで味付け。少量でしっかり味がつくので重宝しているが、なくなった時に廃番になっていないか不安。買い支えるほど消費できないし。食後、ZINEの製本。信じられないような箇所に誤字を見つける。とりあえず完成品ができてほっとする。

15時すぎ、彼氏が家に来る。夕飯は焼き肉が食べたい気がしたが予約するほどでもなく、吉野家ですき焼きを食べようと言うと、その瞬間まで夕飯について何も考えていなかった彼氏がさとしゃぶを提案してきた。マクドナルド理論だ。歩いて和食さとへ。待たずに入れた。例によって三つ葉を頼みまくろうとしたが、メニューからなくなっていて悲しかった。やはり原価計算上許容できなくなったのか。周りを見回すとさとしゃぶではない単品メニューを頼んでいるお客が多い。終わりの始まりだ。

勢いがあった頃のようす↓

三つ葉の退場を嘆きつつ、明太子の天ぷら(とくに説明書きもなく、レンコンの天ぷらの上にのっかって出てくる)、ゆばのお寿司など変なサイドメニューを頼んで楽しむ。これも次来たらもうないんじゃないかと思う。和食さとのお寿司は酢飯の味がはっきりしている。頼まなかったがカレーパンもあった。わっしょくんという熊のキャラクターがかわいい。胴体がお椀に入っていて、頭に蓋をかぶっている。恥ずかしがり屋だそうだが、手足はお椀から突き出ている。

帰宅。行き帰りがとにかく寒かった。カーディガンではなくパーカーなど機密性の高い上着を着ればよかった。スーパー2に寄って大根、こんにゃくなど買う。満腹で買い物がはかどらない。

10/24(日)
昼前に起きる。なにか温かいものを飲みたかったのでお湯をわかして白だしを垂らしてみた。たまにはいいだろうという味。寝たり起きたりし、15時にピザトーストを食べた。白ワインを飲み、チーズ、ミックスナッツ、チキチキボーンの鶏皮チップスを食べた。この味を求めてチキチキボーンを買っている、という香ばしさだった。彼氏もパクパク食べていた。日持ちもするし素晴らしい。買ったのは昨日。

お酒を飲んだらまた眠くなってしまい、とりあえず予約炊飯だけする。こうしておくと平日の夜と同じ時間に炊きあがる。ゴロゴロしていると彼氏がネットニュースの新庄剛志を見て、「整形ばっかりして変な顔になってる」と言う。整形と整形の間にはそれなりに間隔があって、ここはうまくいった次はどうしようとか思案している時間が流れているはずで、妙な言い回しだと感じる。でも、ネットニュースを見る市井の人の感覚としてはそんなものかもしれない。米が炊けそうになると起き上がって料理をする気分になれて、弁当のおかずに今井真実のあさりこんにゃくを作る。しょうがとにんにく、醤油と味噌の味。チンゲン菜のクリーム煮も作って夕飯にする。食後、また寝る。

つけっ放しのラジオから村山由佳の声が聞こえる。もう日付が変わっている頃だ。夢うつつでいると、「山本文緒さんが亡くなられましたね」と語り出したので目が覚めた。知らなかった。「言葉にできないような感情を書き出すのがうまい」というようなことを言っていた気がする。「自転しながら公転する」を読んだばかりで、展開があまりにも若々しくエネルギッシュだったので病気で亡くなってしまったことが信じられない。内容と体調を結びつけるのはおかしな気もするが、パワーに圧倒される読書体験だった。

 

 

ツイッターで検索すると追悼コーナーを作っている書店やファンが既刊をずらっと並べて写真に撮っていて、この10年ほどに読んだ作品を思い出す。一般職OLが総合職の同期の昇進を見て「ああそうだ、こいつら出世するんだよな」と思う、というような場面があって、心構えができたのだ。実際目にしても「ああそうだ、こいつらこんなでも出世するんだよな、のやつだ」としか思わずに済んだ。

寝る前に、ZINEの内容について不安になってくる。イベントに友人を誘ったところ興味をもってくれ、今日詳細を説明したところだった。また、昨日即売会の設営などについて調べている時に見た、「自分はオタクじゃないと思っているオタク女の服装」「人と一緒はイヤなオタク女の服装」という風刺画が思い出されて元気がなくなる。ZINEの中では服のことも語っている。

10/25(月)
今日は石井ゆかりの占いによると大興奮の日、らしいのだが、こんな日に?と疑いたくなるような鬱々とした天気。あたりは暗く、しとしと雨が降っている。ピザトーストを食べる。NHKFM「かけるクラシック」でリスナーから寄せられる蘊蓄が辛くなってきた。マンスプレイニングとクラシック音楽の、嫌な相性の良さ。上野耕平の笑い声が救い。ポケッタブルパーカを出してきてはおって家をでる。さっきまで圧縮されていたのでしわしわだが、風を通さず暖かい。濡れてもすぐ乾く。

通勤電車の中でチェ・ウニョン『わたしに無害なひと』を読む。韓国の男きょうだいの歪みについて、たくさんの作家がとりあげているのを見てきたがこれは一際迫力がある。

職場にて、後頭部に寝癖を見つけるが「横になって寝ているんだから寝癖がつくこともあるだろう」と自分ではないような鷹揚な感想が出てきた。誰だろう。弁当のおかずはあさりこんにゃく、卵焼き。昼休み、ラジオを聞いてみたら意識を職場の外へ出せてよかった。ゲストはあたらよ。貫禄を感じさせるスタジオライブ。

午後、総務部の社員に一年目の後輩が呼び止められているのを見かける。役員との懇親会のための日程調整。様子を見るということを知らんのか。不要不急にもほどがある。

やがて退勤。今日は一日中雨が降っている。帰宅、風呂。夕飯は麻婆春雨、白飯。食後、日記を書く。床があまりにも寒いのでベッドの上に机を乗せて毛布をかけてコタツのようにすると机に向かえた。その後、明日図書館に返す本を読みきるべく読書。布団に入って、布団から出ている手はストーブの熱気で暖める。毛玉だらけのウールの五本指ソックス。季節の移り変わりに置いていかれそうになりながら衣替えを済ませ、昨年の装備や工夫を思い出してなぞる。今夜はルーターの電源を切って過ごす。

10/26(火)
今日はよく晴れている。布団を干そうとしたら物干し竿が濡れていて、昨日雨だったことを思い出した。走っている電車は人で埋まって黒々としている。チーズトーストにレーズンをのせて食べた。時間があったのでストーブの前に立って読書。実家でも父親がリビングで、台所でこうしてストーブの前にただ立っていたことを思い出しながら。手は後ろで組んでいた。ラジオからはスメタナ弦楽四重奏ドヴォルザークのスラブ舞曲が流れていた。ブラームスシューマンともドヴォルザークとも付き合いがあったことを、何度読んだり聞いたりしても不思議な感じがする。

通勤電車の中で、フルーツ&ベジタブルズ 東アジア蔬果図の系譜 の図録を読む。京都の泉屋博古館で行われた展覧会の図録。リアルなもの、ニーズに応えて現物より彩度を上げて色をつけているもの、勢いあるデフォルメがされたもの。間口は広いが奥深い。

職場にて、弁当のおかずは麻婆春雨の卵とじ。午後、インターネット開通。ろくに見通しも知らされないまま二ヶ月もFAXと電話だけで仕事をしていた。やがて退勤。図書館とカルディに寄る。豆乳ビスケットと袋麺をいくつか買う。もうハロウィングッズは片隅のワゴンに追いやられている。向かいの雑貨屋ではクリスマスツリーやオーナメントが売り出されていた。ちょっと信じられない気持ちでそれを眺める。

帰宅、風呂。夕飯はパクチーラーメン。トマトとせみ餃子を入れた。久々に食べたが、記憶よりおいしい気もする。ZINEを作って出店する事を連絡した友人から返信が来ている。行けないが購入したいという。少なくとも一冊は人の手に渡ることになった。ツイッターのアカウント名は本名からかけ離れた突拍子もないもので、ブログで書いている日記の内容も元からの知り合いへの近況報告とは言い難いもので、ネットプリントで思想をくり広げ、面識のない方からメッセージをもらって興奮するこのごろ。しかし今日、古い付き合いの友人に買って読みたいと言ってもらえて心の奥にポッと灯りがともった感じがした。

ラジオからは岡崎体育の「おっさん」が流れている。嫌いな中年男性が多く「おっさん無理」と感じては「主語が大きい」と自分をなだめているが、この歌はカラオケで歌ってみたいと思った。メロディもアレンジも作為的だが、ここまでくれば様式美では。様式美なぞり芸という、岡崎体育の様式美。歌詞も嫌な目配せとか、甘えとかがなくいい感じだ。ユニコーンのおっさんソングも流れた。こちらは世田谷ベース的なおっさんで、ほっといてくれという感じの歌詞でよかった。

10/27(水)
寒さで目が覚める。ラジオをつけるとバッハの平均律チェンバロ演奏が流れてきた。二度寝。起きあがってクローゼットから冬物の布団を出してきて干す。昨日は風呂の暖房もつけた。昨年、こんなに一気に切り替えしないと過ごせなかったか?朝食はピザトースト

家を出て、通勤電車の中で『サイン音の科学』を読む。

サイン音の科学―メッセージを伝える音のデザイン論 (音響サイエンスシリーズ)

擬音語表現における母音の中で一番周波数が高いのはi。低いのはo。「ピピピピ」より「ピリリリ」の方が短い音だが、周期中に無音部分が存在しない。このあたりのことは同シリーズ内の『音色の感性学』に詳しい。面白いのでメモ。

電子レンジの終了音(昔の機種ではあるが)のように「チンする」などと、動詞化するほど擬音語が一般化している例もある。(実際には、現在の電子レンジは「チン」というサイン音は、あまり使われていない。)

一人暮らしを始めたときに買ったハイアールの電子レンジはさほど昔の機種でもなかったが「チーン!」という景気のいい音がして、宅飲みをすると居合わせたうちの誰かが必ず復唱してくれて楽しかった。あれは自分の家の電子レンジとは似つかないレトロな音を面白がっていたのか。

職場にて、Windowsパソコンがマイクロソフトのツールを使わそうと誘導してくるのを完全無視すべく設定をいじる。デスクトップのアイコンも非表示にする。弁当のおかずはあさりこんにゃくと大根の醤油漬け。どちらも今井真実のレシピ。醤油漬けには花山椒が入っていて、大根との相性かとてもフルーティないい香りがする。昼休み、しばらく見ないうちにYoutubeの広告を聞き流すのがきつくなっていて、サウンドクラウドで音楽を聴く。

やがて退勤。帰宅、風呂。洗濯もする。夕飯はチンゲン菜とベーコンのクリーム煮、白飯。今日は一日岡崎体育「おっさん」が頭の中で流れていた。同じくらいキャッチーな曲で上書きしようかな。たこ焼きマントマンのオープニングとか。NHKFM「ミュージックライン」のゲストはSKY-HI。開始早々(我々4メートル離れてシュールな空間になってますねの時点)南波さんと歩調が合っている感じがする!広げるところは広げる、締めるところは締める。

 

今週のお題「読書の秋」