1118-1124

11/18(木)

朝食はマシュマロトースト。

家を出て、通勤電車の中で地曵いく子『若見えの呪い』を読む。

若見えの呪い (集英社文庫)

主語もでかいし雑。別の呪いをかけられているような気もする。キャッチーな造語が次々に出てくるので、構造を理解するのにはいいかもしれない。

正午退勤。今日は午後休をとっている。13時ビッグマン前で大学オケの友人2人と合流。久しぶりでマスクもしているからそれっぽい人でも声をかけず、2人組になるまで様子を見る算段だったが、結果まったく知らない2人組に声をかけそうになる。個人の印象、その人らしいと自分が思っていることのあやふやさを思い知ることとなった。もう一度落ち着いてあたりを見回したのがよかった。カフェでランチとケーキ。3人のうち2人に頻繁に交流があると、いい感じに近況やなんてことない話が飛び出して思い出話に終始することがなくていい。ノーブラZINEのことは全く説明していなかったが、イベントに参加した話などすると買ってもらえた。その場で感想をくれたのもありがたかった。瀧波ユカリ『臨死!江古田ちゃん』のNGI活動の4コマは覚えているという。そういえば貸した覚えがある。外出を控える中でアイシングクッキー作りにはまって作り続けているらしく、カフェの壁紙を写真に撮っていた。図案の参考にするという。写真で見せてもらったクッキーは友人らしい青系統のクールな作風で、アイシングクッキーのイメージが広がった。

帰宅、風呂。夕飯は豚バラとトマトの鍋。ポン酢が口内炎に沁みる。食後、「ラミスタ」という言葉を知る。アクリルスタンドのようなもので、ラミネートカードで自作したものをこう言うらしい。ポストにおそうじ本舗のチラシが入っていて、おそうじ本舗の作業服を着た北村一輝のグッズを作って友達にあげようと画策、いろいろ調べていたのだ。ラジオからはブルックナー交響曲第4番が流れていた。N響定期公演。指揮はファビオ・ルイージ。メリハリのしっかりついたパワフルな演奏だった。

11/19/(金)

朝食は昨日の鍋の汁でうどん。午前中は通院のため半休をとっている。9時半病院着。患者の入りはまあまあ。受付の電話が鳴って、おそらく発熱した患者からだった。新型コロナウイルスの感染者との接触の有無を尋ねていた。もうマニュアルが出来上がっていて、慣れを感じさせる口調だった。10時半帰宅。布団を干そうとしたが昨日の夜干した洗濯物がまだ乾いていなかった。チョン・セラン『フィフティ・ピープル』を読む。

フィフティ・ピープル (となりの国のものがたり1)

昼食はささみカツ、ほうれん草、目玉焼き、チーズトースト。

出勤、そして退勤。夜空を見上げると三日月、と思ったら月食だった。帰宅、風呂。夕飯は豚バラこんにゃく炒め。前回はなすびに脂を吸われてこんにゃくに回す分がなくなってしまったが、今回はうまくできた。白霧島も飲んだ。

食後、ツイッターのリプライでノーブラZINEの感想を受け取る。着こなしについて、骨格診断に言及したところがわかりやすかったという。ちょっと風呂敷を広げすぎたかと思っていた箇所だが、残しておいてよかった。わたしは骨格タイプでいうとおそらくナチュラルで、今日やりとりした方はストレート。タイプが違うのでそのまま同じ方法で着こなすことはできない訳だが、嬉しい手ごたえだった。

11/20(土)

朝食はツナキムチうどん。食後、『フィフティ・ピープル』を読み終える。11時すぎ、実家へ。ふうせんかずらの貸し棚を利用することにしたので、学生時代に集めた本を取りに行く。もう手放したと思っていた青林堂の特大コミックなどがまだあり、平成サブカル回顧棚ができそう。目玉は月間鼻毛帽子。数年前はネットで検索しても発刊当時の感想記事しか出てこず、どこかへ散逸してしまったと思われたフリーペーパーだが、今ではメルカリで出品されているのが確認できる。棚に並んでいることが喜ばしいことなんだということにする。

着くなり、親がわたしの分の地域振興券を換金して2800円くれた。昼食はそばと天ぷらの定食。今回は自分で選んだ訳ではないが(地域振興券を使いたいのだという)、母親の飲食店に対する文句がストレス。きっと文句なんて言っているつもりがないと言うだろう。満席でもないのに待たせるのは平日ガラガラで休日の店員の手際追いつかないからだ、ご飯大盛無料なのにご飯なしで22円しか割引されないのはおかしい、うな丼が写真より小さい。息をするように文句を言う。角田光代も母親との旅行記でそんなことを書いていた。書いていて気付いたが、母親への不満は息をするように文句を言うことなのかもしれない。わたしの選んだ服、選んだ学部、楽器を続けること。そして社会人になってからは、何にいくら払うかの考えがことごとく違った。高い、損してると言われるのが常。もう自分の中で損得勘定(あるいは、損得勘定をしないこと)が済んでいるのにイチから説明しなければならず、説明した内容には耳を貸してもらえず(「なんでよ、」「そうじゃないやろ」)。自分の選択を尊重されていない感じがして本当に嫌だった。これを避けようとすると参加したイベント、受けた取材については最初から話す気にならない。自分にとって大切ならなおさら。今回も貸し棚代について「高い」と言われ、そら来た、と立地と管理と販売条件を考慮すると破格だと返すともう何も言ってこなかった。思ったより冷静に説明できたが、理解してもらえたかというと怪しい。「また怒るから折れてあげた」という感じ。しかし今回、自分の選択ではないところでもまあまあ不愉快だった。これは覚えておいたらいいかもしれない。どうしようもないことだが。

14時帰宅。昼寝。風呂だけはいつもと同じ時間に入った。夕食は黒糖ネオバターロールNHKFM「クラシックの迷宮」はジャジーな曲を流していた。21時、「SANBONRADIO」の韓国文学回を聴く。『フィフティ・ピープル』も紹介されていた。エンターテイメントなとっつきやすさもあり、読み応えもあると絶賛されていた。わたしもそう思う。クオン以外にも韓国文学を出版しているところが多数あることを知る。配信終了後、ごとうにものWEBマンガ「花のつれしょん」を読む。

11/21(日)

朝食はチキンカツとじ丼。玉ねぎやだしが少なかったからかとじられず。食後、木村さくらのマンガ『ぼくと先輩』を読む。薄い本はいいなあと思わせる内容、製本だった。世界観が確立されていながら、その世界にどっぷりつかりきっていない登場人物もいるので入っていきやすい。昼寝。どこにも出かけられなかったという残念な気持ちに、感染症対策の基本は逆行動だというホクホクした気持ちが薄い膜のようにかかっている。風呂だけはいつもと同じ時間に入った。夕食はグリコのドライカレー。

食後、ふうせんかずらの貸し棚の値札作り。処分する前に自分の蔵書と向かい合うことが目的なので、利益を出す気はあまりない。もってけドロボー価格を乱発すると、棚や店が荒れ気味になったりするんだろうか。今自分がせどらーだとして、ひと箱古本市とか、こういう貸し棚は狙い目だよなと考える。誰かの手には渡ってほしいが、せどらーに爆買いされるのは嫌だな。

寝る前に山口真美『自分の顔が好きですか?』と

自分の顔が好きですか?――「顔」の心理学 (岩波ジュニア新書)

顔のとらえ方、認識の仕方の話。

辛酸なめ子『電車のおじさん』を読み終える。

電車のおじさん

ツイッターの通知が立て続けに来たので通知欄を見るとはてなブログ公式ツイッターにこの日記を紹介されていた。あろうことか糸井重里の発言にブチ切れて駅のホームのゴミ箱に文庫本を捨てたところがピックアップされていた。もう10年も前の話で、日記のほんの一部なのに。はてなブログが選択肢にない人はこういう事態を避けているんだろうなという出来事だった。

11/22(月)

雨。コーヒーをいれて、黒糖ネオバターロールを食べた。家を出て、通勤電車の中で万城目学・門井慶喜『ぼくらの近代建築デラックス!』を読む。

ぼくらの近代建築デラックス! (文春文庫)

職場にて、弁当はドライカレー、ピーマン、かぼちゃ。昨日の夕食と全く同じ。

やがて退勤。帰宅、風呂。ちょっと楽器を弾く。右手と左手がうまく連動しない。小指のパワー不足。左手の形が崩れないようにしたい。22時前、彼氏が大阪王将でテイクアウトしたおかずを持ってやってくる。炊いておいたご飯と一緒に夕飯。酢豚、ニラ玉、から揚げ、揚げシューマイ、春巻、エビチリ。彼氏は「春巻はいらんねん」と言って手をつけなかった。今では好物だが、なんとなく揚げ物の中での春巻に別枠感があるのはわかる。

友人から冷蔵庫のドアに貼った北村一輝マグネットの写真が届く。「生活の中心に貼りました」。離乳食の食材早見表の上でおそうじ本舗のロゴ入りの作業服を着てほほ笑む北村一輝。気に入ってもらえたようでよかった。

11/23(火・祝)

親知らずが痛んで目が覚める。昨日左耳の中が痒かったのは疼きが広がっていたからなんだろうか。懐中電灯に電池を入れて口の中を照らすと、頭だけ出ていた親知らずの露出範囲が広がっていた。コーヒーをいれて、メロンクリームコッペパンを食べた。その後、Wi-Fiルーターの取り換え。こういったことは彼氏がいる時にすることにしている。その後、実家から運んできたマンガの虫干し。12時ごろ家を出て、奈良駅まで電車。駅のホームで「先週はこれでいけた(上着がいらなかった)のに」と言いながらトートバッグからウインドブレーカーを出して羽織っていると「今日から寒いって言った。何回も言った」と彼氏が珍しくちょっと大きな声を出していた。今日は風が強く、しかも冷たい。

人波に揉まれつつ東大寺の交差点まで歩く。歩道沿いの鹿は口元に近づけられても鹿せんべいを食べない。春日大社の参道に入るといくらか歩きやすくなり、鹿もせんべいを食べていた。宝物館にさしかかるあたりでは若い個体が目立ち、うち一頭に目を輝かせながら走り寄ってこられて驚く。案内地図の看板を見ると旧志賀直哉邸がささやきの小径を抜けたところにあることがわかり、数組の家族連れとすれ違う以外は人も鹿もいない小径へ進んだ。落ち葉の絨毯が見事。どこを切り取ってもカレンダーにできる。鹿苑(?)へ迷い込むとさらに神秘的な風景が広がっていた。駅から数分でこんなところに来られるとは。わたしなら一日ここにいるけどな、とシカの自分を想像した。

志賀直哉邸着。他のお客の気配はするものの、大邸宅なので出くわさない。順路が始まってすぐ、早速2階の窓からチケットの半券を落とす。開け放たれた窓からは2階と思えないほど見晴らしのよい景色が見られた。近くに高い建物はなく、近所の家々の庭もそれぞれ壮観だった。1階の書斎にさしかかった時、彼氏が窓の外を指さし「見て」と呼び寄せるので見ると、庭の小径の脇の苔の上に群青色の半券が落ちていた。浴室にはシャワー、台所には木製のドアがついた冷蔵庫、サンルームやダイニングなどもあり、予算がふんだんにあって大工もノリノリで仕事を受けたんじゃないかと想像させるような豪華さ。彼氏がテーブルの上にあった大学ノートの表紙をペラッとめくると、「志賀さん」「志賀さん」と慕うファンの書き文字が躍っていた。イラストも多数。ゲーム「文豪とアルケミスト」に志賀直哉が登場するらしい。

志賀直哉邸を後にし、東大寺へ。修学旅行生でいっぱい。集合写真に鹿をフレームインさせるためにカメラマンが鹿せんべいを砕いて撒いている。土産物屋には連れだって鹿の角カチューシャを購入するブレザー姿の男子生徒らがいた。思わず指で空中に三角形を描いて「カーストの頂点におる奴のすること」と彼氏に話しかける。「それはそう」と同意していた。自分のいたクラスのカーストを思い出して若干心が冷えたが、その後ひとりで鹿せんべいの大量買いをしている学ラン姿の男子を見かけて元気が出た。指をいっぱいに伸ばしてせんべいを持っている。レンタルショップでCDやVHSビデオをたくさん持っている人がこういう持ち方をしていた。1000円分くらいか。売り場から歩き出してすぐに数枚フリスビーのように投げる。背筋をしっかり使い、堂々としたフォームだった。その動きを見て人ごみの中から彼に注目したのだ。買ったらどうするかあらかじめ考えてあった人の動き。その後、そのへんにいたカップルのせんべいがなくなりかけているのを見て数枚分け与え、どこかへ向かって雑踏の中を走り去っていった。その日見たどの生徒よりも楽しそうだった。

JRの駅近くのうどん屋カレーうどんを食べた。

帰りの電車の中で前野ひろみち『満月と近鉄』を読む。

満月と近鉄 (角川文庫)

同じボーイミーツガールものでも、ちょっとしたさじ加減で気に入ったり気に入らなかったりする。これは楽しく読めた。17時すぎ帰宅。冷えて肩がこわばっていたので葛根湯を飲むと楽になった。夕飯はさつまいもご飯。風呂に入って寝た。

11/24(水)
親知らずの痛みは何もしていない時は痛まないくらいになった。頬を膨らませたり、口を大きく開けて下唇を巻き込むと痛い。コーヒーをいれて、はちみつシナモントーストを食べた。家を出ると、今日も風が強い。アウターをもう一枚買うかどうか迷う。通勤電車の中で森本武『考える方法』を読む。

考える方法―解決の思考・創造の思考・思考なき思考

横書きになっていると読みやすい。あるいは、自分が賛同できるような主張をしている本を手に取っているだけなのか。

職場にて、弁当のおかずは揚げシューマイ、春巻、鮭フレークとネギの炒り卵。やがて退勤。スーパー2へ寄り道。手羽中、もみのり、いりごま(奮発して金ごま)、ピザトースト、ちくわなど買う。冷凍のあさりのむき身があった。この店では初めて見たが、継続してもらえることを願う。インスタントコーヒーは奮発してゴールドブレンドにしよう、そうしようと決めて行ったのに500円以上することにたじろいで498円の少量詰め替えエコパックにしてしまう。今ある瓶は他のメーカーのものなのに、またはした金のために危ない橋を渡ろうとしている。パッケージの説明の通り詰め替えられるのだろうか。UCC(298円)はとりあえずもう買わないとして、ドトール(398円)、カルディ(398円、少量?)は特に不満がないけど置いてある店が限られていて、うまく買い続けることができない。実家のようにゴールドブレンド一択にすべきか。やはり実家の味に戻ってしまうのか。

帰宅、風呂。夕飯はトマトとブロッコリーと生ハムのスパゲッティ。オイルサーディンのスパゲッティにしようと麺を茹で始めて、この瓶が自力では開封できないことを思い出した。へなへなと台所の床にくずおれる。前に買ったときも同じ事態に陥り、

 

 

後日彼氏が来たときに開けてもらった。おいしかったのでそのことを忘れてまた買ってしまったのだ。予定も手元も狂って粗切りトウガラシを入れすぎる。生ハムの食感、風味から内頬とか歯茎を連想してしまい、調子が出ない。

食後、古本の貸し棚利用の準備。屋号をかいた簡単なバナー画像を作った。画像の加工はLINEが使いやすい。ネットで探し出したお絵描きブラウザよりペイント機能の感度もいい。彼氏のトーク画面で作成して送ると「なんやこれ。今度はホラー本でも出すん」と返ってくる。