1222-1228

12/22(木)

コーヒーだけ飲んで出勤。ラジオからはフニクリフニクラが流れている。通勤電車の中では『現代手芸考』を読んでいた。

現代手芸考 ものづくりの意味を問い直す

読んで初めて気づいたがこの赤いピラピラすべてに「母」と書いてある。

リカちゃん人形やアイドルのちびぬいの服を作って売っているのを見ると、手作りしないと手に入らないものがまだまだ世の中にはあるということがわかる。久々に、こんなのあったらいいなというふんわりとした胸の高鳴りを感じたりもする。職場にて、弁当は赤飯とマカロニサラダ。午後、上司の設定したグループチャットで揉めに揉め、「要望を撤回します」の一言で強制終了させられかける。こいつには前科があって、意見されたり経緯の説明を求められたりすると「失礼しました。お詫び申し上げます。」などと言っていくつものチャットを終わらせてきた。食い下がると、取り巻きにかばってほしかったのか「全員コメントください」と呼びかける。それに対し「正直こういった場面は後輩に見せたくありません。同じ部署の仲間なのにこういったやりとりを見るのは悲しいです。ややこしい話をチャットでするからこじれるのでは?」というコメントがつく。ある程度話を普通に聞いてもらえて、ただ悲しんでいられるのも特権。同じ部署の上司に時間ばかり取られて意見を聞いてもらえないのは悲しいから怒っている。ログを残しておかないとすぐに有耶無耶にされるし、ログが残る場でも恥ずかしげもなく対話を投げ出されたりする。やさぐれた気分でいると引き出しの奥から映画「メイドインバングラデシュ」のチラシが出てきた。雇い主に向かって、縫製作業場の扇風機をつけろと工員総立ちで怒っている場面の写真が使われている。ちょっと元気が出た。やがて退勤。スーパー2に寄る。5円コピー機を使いたかった。ついでに牛肉バラ、つみれ、かぼちゃ、さつまいも、せみ餃子など買う。チキチキボーンの皮チップスがどこにも置いていない。少なくともこの店舗では発注するのをやめたようだ。あと、シャウエッセンベーコンも見あたらない。おいしいけどよくよく味わうとウインナーで、狐につままれたような顔をして食べていただろう。またやりたかったのに。ブルボンのミルネージュがなかったのでさらにドラッグストアへ寄る。あった。レジ前にやはりブルボンの「しゃりもにグミ」というヨーグルト味の白いグミがあったのでそれと、マスクとカイロも買った。白い風船は先ほどのスーパーにあったのに見送ってしまっていた。職場での悲しいことを中和するために白いお菓子を買い込んで次々に開けて食べる遊びの計画がぼんやり頭の中にある。帰宅、風呂。夕飯はピーマンの肉詰め。先ほど値引きシールがついているという理由で選んだ鍋用のつくねが期待を数段上回る味のよさ。国産鶏使用、レンコン、ニンジン入り。食感もいい。更に鮭のハラスを焼いて、そのフライパンにマカロニとブロッコリーとしめじを放り込んで調理。塩と黒胡椒と粉チーズの味。昨日からずっとマカロニを食べている。

食後、岡上淑子『美しき瞬間』を読む。

美しき瞬間: The Essence of Toshiko Okanoue

コラージュの材料は進駐軍の残していった古雑誌。作品に登場する異形の者の造形がかっこいい。友人の夫の武満徹伝いに瀧口修造を紹介される。この本でも画家じゃなくてお嬢さんだ、そこがいいんだという瀧口の言葉が紹介されている。岡上淑子による詩や語りも掲載されていて、こんなに直接的に女性に言及していたとは。

12/23(金)

今日は通院のために午前休をとっている。朝食は昨日スーパーの総菜コーナーで買ったカリカリポテト。家を出ると階段の踊り場やアスファルトの凸凹の隙間で粉雪がふき溜まって風に震えている。昨日ラジオの天気予報の「普段雪の降らない西日本や瀬戸内海ぞいの平地でも雪が降るでしょう」を嘘だと思っていたのだが本当だった。一日中吹雪いたりやんだりして、風が鳴るくらい強かったので地面から吹き飛ばされて積もらなかった。病院は9時半の予約だったが、受付で30分ほど押していることを告げられる。待合室のテレビで羽鳥慎一のモーニングショーを思いの他楽しむ。音声は絞ってあるが、パネルの「父の官能小説1000冊」「プレミアのつくような週刊誌は漫画家みうらじゅん氏がひきとる」部分がずっと映し出される。高松にあった松本明子の実家じまいの顛末。エッセイを出版したらしい。スタジオのパネルが非常によくできているので、宣材にするか巻頭に収録したほうがいい。やがて診察が始まって終わった。1時間くらいは待つつもりだったがきっちり30分遅れだった。処方箋薬局のテレビでは月亭八光北野白梅町のcomfy designを訪れていた。アンティークプリント専門店。1700年代のポスターを手にして「今から何年前?そろばん習ってました?」と店主に話しかけていたのがよかった。いったん帰宅して折りたたみ傘をリュックに入れて駅へ向かい、職場と反対方向の奈良行きの電車に乗った。病院が若干混んでいて思いついたが、もっと混んでいたことにして午後も休もう。そうしよう。電車は空いていて、奈良に着くころには乗客の大部分が外国人観光客となっていた。吹雪の中菩薩カリーへ。この状況でスマホは取り出せないし、迷ったかもしれないという焦りで発汗。3回ほど来たことがあるのにうろ覚え。強風にのって過去の来訪時よりずっと遠くまでカレーの香りが運ばれてきて、この方向で合っていることを確信した。ダルバートを注文。あいがけを頼んだ後に、ベジプレートにして牡蠣のアチャールをつけるのもやってみたいと毎回考えるがそうはならない。カレーをぶっかけるのがもったいないほど副菜の味がいい。ドリンクのローズミルクはマスト。ここ以外に飲めるところをまだ知らない。菩薩カリーを出ると雪はやんでいて、写真美術館へ向かう間にまた吹雪いてきた。途中で日本家屋のまわりを赤レンガの塀が取り囲んでいるのを見かけた。よく見るとサンタの豆人形がのっていて情報過多だった。入江泰吉写真美術館「藤岡亜弥 New Stories」展。チラシに惹かれて訪れたものの、チラシに使用されている作品をきちんと見ていなくて、部屋の床に横たわるぽぽちゃん人形だと思っていたのは(おそらくニューヨークの)幼児だった。展示室の作品の中にも出先で電池切れのようになって人形化している子が多くいた。広島を撮ったシリーズ。修学旅行生やフラワーフェスティバルの雑踏の中に入り込んでいるかのようだが、どうやってカメラを構えているのだろう。カメラを見ている人は誰もいない。各写真の隣に掲示してあったテキストもとても好みだったのでミュージアムショップでフォトエッセイ本を買った。設置してあったフライヤーによって近くの古民家ギャラリーで展示をしていることを知る。また吹雪の中を歩く。門扉はあいていたが何も掲示がなく、物陰でスマホを取り出して詳細を調べているとスタッフらしき男の人が出てきて入ることができた。すすめられるままに石油ストーブにあたる。古民家をギャラリースペースとして再生しているところで、2階や納屋などまだ手を入れ終わっていないところもあるという。どこかで聞いたような話というか、ならまち界隈であと3件そういう場所を知っている。別々の団体がそれぞれ古民家再生に励んでいるようす。今やっているのはグループ展で、設営はギャラリーのオーナー夫妻によるもの。スタッフの女性に設営や企画のことを尋ねると奥から新聞を持ってきて記事を見せてくれた。奥は改装されてフローリングが敷いてあり、家財道具もあった。展示作品はデジタル作品が主で、あまり空間が生かされていると思えなかった。この批評は入場料を500円払ったから生まれたもののような気がする。吹雪の中ギャラリーを出て、とりあえず大通りに出て大学生に混じって駅方向のバスに乗り、巨大な白菜を持った学生の隣に座った。バスを降り、どこかでお茶を飲んで休憩しようかとも考えたが駅からまた出るには寒すぎて電車に乗る。暖かい車内で腰掛けると回復してきて、図書館へ行くことにした。まだ17時だし。こっちの図書館には久々に来たので棚が目新しい。3ヶ月ぶりくらいでこんなに印象が変わるのは、新刊をたくさん入れているからか、自分の興味が移っているからか。藤高和輝『〈トラブル〉としてのフェミニズム「とり乱させない抑圧」に抗して』。木曜にチャットで牽制されたことを怒っている自分におあつらえ向きのタイトル。アイドルのオタク文化についての本を探していて、前にここに来たのは11月よりは前だとわかる。帰りは定期圏内の駅まで歩いてみたが、もうしないだろう。帰宅、風呂。夕飯はハヤシライス。リュウジのレシピ。検索結果として出てきても避けてきたが、今井真実との対談形式になっていて面白かったので採用してみた。タマネギは輪切り。肉を出したり入れたりするのが面倒。小麦粉がなく片栗粉を使ったので全体的にモニモニした食感になった。コンソメは「僕はパンチのきいた味にしたいから入れる」という言及があったので省く。一昨日からのマカロニ続きと便秘と冷えで胃が本調子ではないがカレーも食べたいし牛肉も使ってしまいたいという日にありがたいやさしい軽めの一皿になった。少しよけてとっておこうかとも思ったがモニモニ完食した。ラジオからは原田マハ原作のラジオドラマ「あの絵のまえで」より「豊穣」。前に聴いたことがあり、好きな作品だったので「あー!あったあった!」などとひとりで大騒ぎした。

12/24(土)

二度寝したら11時前になっていた。17時に美容室の予約を入れており、出先の制限時間が決まっていることを思い出して跳ね起きる。朝食はしらすトースト。家を出て駅まで向かう途中、車道の交通量が多くてげんなりした。駅の人出はそうでもなかった。車に乗って家族で出かけている様子。電車内では女子高校生ふたりづれが隣に座っていて、「部活に行ける状況にないので休みます」とグループラインに投稿していた。たぶんこの人らはこの後難波で買い物する。休めばいいし私が高校生の時も同じようなやりとりをEメールでしていたが、グループラインを使っていると文章がどんどん形骸化していってしまうのではないか。大阪城公園イチョウの葉は全部落ちていた。今年は生活圏が少し変わってその中にイチョウスポットがいくつかあって、イチョウが好きになった年だった。12時半頃ドーンセンター着。返却するだけのつもりだったが『アイドルについて葛藤しながら考えてみた』があったので結局6冊借りた。いつ読むのだろう。天満橋京阪モールユニクロにパンツを買いに行く。モールの入り口の花屋の店先にポインセチアが並んでいて、少年忍者のクリスマスプレゼント動画で川崎皇輝が持参したのがポインセチアだったことを思い出した。推していたら買うところだ。ユニクロのレジには店員がいて、カウンターの手前にお札と小銭の投入口とお釣りの取り出し口があって、商品のスキャンは店員がやって、レシートもカウンターの内側から出てくるから店員がちぎって渡すという変則セルフ形態になっていた。セルフレジが登場してから何年も経ったが、店や店舗によっていつまでも安定しない。同じビルに入っているguはどうなのか見てみてもよかったな。スキャンを客にやらせると滞るんだろうなと想像できる。京阪モールをあとにし天満橋駅のホームにつくころにはモールの暖房と焦りで汗だくになっている。そのくせ手は冷えてきたような気がするし、とりあえずダウンは脱ぎたいし、パーカーの裾をパタパタして風を通したりしていたら手袋を落とした。淀屋橋の駅で降りたらなかった。14時カロブックショップ着。ノーブラZINEの納品。カロのカレーの食べ納め。掛まい「2023日めくりカレンダー展」開催中。エアコンの風でドローイングがぴらぴら揺れている。ここに来るまでカレンダーを買う気はなかったのだが製法を教えてもらったら欲しくなり買う。全て作家の手作業だという。印刷はコピー機。年でも月でもなく日めくりカレンダーなのに!カロを出てYoshimi Artsで「gradation:Pink to Red」展を見た。カロのある若狭ビルに出入りして展示のフライヤーやポストカードを手に取ったり、たまに展示を見たりする中でギャラリーにはそれぞれつながりのある作家がいるらしいということがわかってきた。ショーケースのようなグループ展。その後The Third Gallery Ayaで「The Layer,the layer」展を見た。鮫島ゆい、THE COPY TRAVELERS、山崎愛彦のグループ展。変形キャンパスの作品が好きだとわかった。ギャラリーには珍しく作品の横にパネルがあるなと近づいたら絵だった。全員また見たい作家だった。15時半、トイブックス着。ミスドスーパーラブを買いに来た。先日の東京文フリで売り出された本。気になっていたら入荷情報がツイッターで流れてきた。ミスドスーパーラブ(何度でも唱えたいし入力したいタイトル)に限らず棚に入りきらない本が丸椅子に平積みされている。ちくプリ(ちくまプリマー新書)から吉村昭のが出ていることを知ったり、斎藤真理子『韓国文学の中心にあるもの』を買うのを見送ったりする。生活綴方のリトルプレスがいくつか置いてあり、かとうひろみ『小さい本屋の小さい小説』もあった!これも買う。17時前、美容室の最寄り駅着。ファッションセンターしまむら、ではないがデイリーファッションを謡う店に駆け込むと、なくした手袋の色違いがレジ横で売られていた。違う店で3年前くらいに買ったのに、こんなに流通していたとは。使い勝手がよく気に入っていたが、気分を変えるべく近くにあった同型のものにしてみる。税込み429円。17時、美容室着。嘘。5分遅刻した。「クリスマスですよ、なんかしないんですか」に対し「胃がもたれてるんで今晩はふつうのご飯です」「今日大阪行ってきたんでケーキの箱とか袋持ってる人いたらどこのか見てたんですけど、りくろーおじさんの人がいましたよ」とさほど広がらない返しをした。「そういえば子供へのクリスマスプレゼント代が40年前の水準まで落ちたらしいですよ」と言うと「僕が子供の頃じゃないですか!」と美容師が高度成長期からバブルまでの話をしてくれて広がった。学校卒業、就職して美容師になった時がバブル全盛期。つきあっていた彼女が証券会社勤務。つきあいだした学生時代からは考えられないほどの格差が生まれ破局。「当時はなぜ別れないといけないのかって悩んでましたけど、今はそらそうやと思いますね」。80年代の音楽やファッションに豊かさを感じていて、古着を買い求める話。豊かなのはわかるけど当時を知っていてそこに回帰するのとはまた違うんだろうな。「今日はデザイン系のショートのお客さんが多かったから機嫌がいいのかもしれないです」。絶対そうで、「ほら、球体になりましたよ」「バウンドしそうでしょう」と2回ずつ言われた。直毛に生まれてよかったわ。今夜は鍋。豆腐はドラッグストアで買う。スーパーのクリスマス商戦を回避。インスタントコーヒー湿気る問題、これもゴールドブレンドのスティックコーヒーで回避。ラテじゃない、ただ小分けにしてあるだけのものがちゃんとある。思ったより詰め替え用との価格差がない。帰宅、風呂。鍋にはせみ餃子とつみれを入れた。ツイッターではマイナンバーカードを図書館カードとして使う動きが問題視されている。自治体によってぬるっと始まっているらしい。

12/25(日)

日中に焼きリンゴを食べ(シナモンかけ忘れ)、夜はマカロニサラダとライスペーパーピザ(しらすピーマンレモンバター)、さつまいも、かぼちゃ、バンザイ山椒とスーパードライ。一歩も家から出なかった日の夜もビールはおいしい!スーパードライの味に慣れてきたのもある。朝はけっこう早く起きて、読書と日記を書くのとツイッターを交互にする一日だった。

アイドルについて葛藤しながら考えてみた ジェンダー/パーソナリティ/〈推し〉

香月孝史「絶えざるまなざしのなかで」で引用されていたやりとり。衝撃的だったので孫引き。文中で言及されているようにアイドルの発言はすぐに流れていってしまう。論考にとりあげられ書籍としてまとまるのは意義のあること。

秋元真夏「私からしたら、誰も見てないふたりの空間なのに、ダル絡みされて『やめてよ〜』とかツッコんで戯れてるほうが謎だよ」

中略

生田絵梨花「ふたりの関係性がショーアップ用になっちゃうと、たぶんお互いが演じ始めちゃうんだよ。そうなると、本当が何かわからなくなってきちゃうでしょ。私は真夏との関係性に嘘をつきたくないから。」

松本友也「もしもアイドルを観ることが賭博のようなものだとしたら」。シンガーでもギタリストでもダンサーでもお笑い芸人でも役者でもない上で、日々「挑戦」するアイドル。「アイドルなのに」と予想を裏切られた時のファンの快感。特技であるとか、専門教育を受けたとかキャリアを知っていてもいつまでも驚いてしまうのは見に覚えがある。

夜、ジャニーズジュニア冬の大運動会動画が配信される。克樹のイジられ方が雑だったり誇張しすぎだったりして可哀想で普通に引いてしまった。普通に、と書いたがファンの解釈はこれ以外にも様々だった。大人数の動画では発言を拾ってもらえないことが多いからラッキーとか、同じグループのメンバーが放置するから笑いのセンスのある関西のジュニアがフォローしたんだとか、不憫に見えるが克樹はメンタルが強いから気にしてないとか。佐野の「な~んでやんないのぉ~!?」は佐野でも克樹でもないただ過剰な人だったからムカついた(そんな言い方誰もしてないやろと怒る。ここで自分ごとになるのが魚座なんだろうか)。斗亜の「なんでやってくれるの!?」は斗亜であり克樹だったから笑えた。

12/26(月)

寒暖差も激しいし電車はすし詰めだし職場の人間関係もおしまいなのだが、なるべく空いた扉からご乗車して読書をし(シモーヌ「インターネットとフェミニズム」特集号)

シモーヌ(Les Simones)VOL.6

耳栓して淡々と溜まった仕事をこなし(先週サボったから)、昼休みは手製のオムライスを食べてバンドキャンプでゴアトランス(goa tranceで検索して一番上に出てきた音源)を聞き、午後からは賞味期限切れのミルミルを飲み(記憶より乳の味が濃い)(こんなに乳で賞味期限切れてしまって大丈夫か)、部屋が暑いので何度も窓を開けたり閉めたりしてブラウニーとみかんを食べ、定時まで平和に過ごした。帰ろうとしたら喫煙所からゾロゾロ出てきたおっさんに「勉強会は?」と口々に言われるが「帰ります!」と言って振り切った。時間外に開催して出てもらえると思うなよメール一本ですむような内容のものを。しかもお前らが喫煙所にいる時間でアーカイブ視聴完了するし。「アーカイブ見ます!」でよかったな。やがて退勤。帰宅、風呂。夕飯はセブンイレブンで買った冷凍の中本の汁なし担々麺。追いメシもした。明日演奏会に行くのでメイン曲の動画を3本見た。改めて見るとチョン・ミョンフンは指揮棒を振っている時、基本的には顔が静かでかっこいい。コーダになったらちょっと笑うのもいい。

12/27(火)

最近寝る時間にかかわらず6時前に目が覚める。読書。たぶん昨日の中本でお腹をこわしているのでホットコーヒーを飲んでしばらく様子見する。味はおいしかったのだが。何も食べずに出勤。

通勤電車の中ではマリアン・ノリエガ・ラクウォル『キッチンからカーネギー・ホールへ』を読んでいた。

キッチンからカーネギー・ホールへ~エセル・スタークとモントリオール女性交響楽団~

唯一無二のオケではないところが意外だった。立ち上げることより継続するのが難しいのは時代もオケの種類も関係なく同じ。夫の職場の社員食堂を練習場所として借りるために夫を介さずに上司に直接電話!交渉成立しても2週間そのことが言えなかったというエピソード。涙なしには読めない。

職場にて、昼食は近所の店でダルバート。ターリーかカレーライスにすればキーマカレーが選択できるのだが、この店のキーマカレーを食べてみたいという思いを胸にしつついつもダルバートを頼んでしまう。副菜の引力がすごい。ダルバートではチキンカレーとマトンカレーが選択できる。やはり近所にもう一軒カレー屋があるのだが、先日「ナチュールワインが動いて嬉しい」「来年はカレーランチ辞めれるかも」とSNSに投稿していた。それをカレー好きのMに書き送ると「客に言うことじゃないよな」と返ってきた。淡々と受け止めたつもりでいたが、そう言われて初めて自分がショックを受けていることがわかった。やがて退勤。某大学オケの定期演奏会を聴きにコンサートホールへ。当日券を買い、チケットカウンターの横に設置された机でチケットにボールペンで個人情報を書く。ペンは箱に入れて大量に用意されているが、とくにペンを消毒するようにはなっていない。する必要性もさほど感じないが、書き終わった途端に隣にいた知らないジジイが手を出して「ホイ」みたいな声を出して私の注意をひき私の使っていたペンを受け取ろうとしてきたのは嫌で無言でペンを渡して立ち去った。なんやお前は。「どうぞ」くらい言ってもよかった気もするが、「ホイ」に対してそれほどの親しみは持てない。KとHと合流し、コンサートが始まって終わった。会場にいたTも一緒に近くの店で夕食をとった。Hが「コンミス譜めくりをしていたし、譜めくりが間に合わなかった時は同じプルトの人と暗譜でしばらく弾いてから休みの小節でめくっていた。あの曲目で譜めくりをする余裕があるのも、適切な判断ができるのも落ち着きがあるということですごい」「こういうところばかり見てしまう」というようなことを話していた。演奏会のステージには奏者の数だけドラマがある。あとはKの家族旅行の話。車に乗り合わせて親戚の家ツアーをした後、母親の趣味で吉方位旅行をすることになっている。福井に、それも三泊四日しないと開運しないらしい。帰宅して洗顔と歯みがきだけしてベッドに入る。冷えてお腹が張って痛くて中腰で帰ってきた。

12/28(水)

仕事納めの日。今日は大掃除や終礼などがそれにあたるが、ちょっとしたものであっても社内行事という社内行事が全部嫌なので全体的に記憶が薄い。スイッチを切って過ごす。通勤電車内ではデイン・ハッケルブリッジ『史上最恐の人喰い虎』を読んでいた。

史上最恐の人喰い虎 ―436人を殺害したベンガルトラと伝説のハンター―

殺害された人436人。人間を主食にしていたと考えると、捕まるまでの期間と計算が合うらしい。殺伐とした気分の日には殺伐とした本を。昼食は近所のラーメン屋でとった。トマ(ト)とん(こつラーメン)を注文。リゾット用追いメシ追加。太陽のトマト麺をちょうど単価の差分くらいグレードアップさせた味だと思っている。生活の中に嬉しい選択枝。店員は3人の女性で、キッチンの調理担当からも威勢のいい声で接客される。威勢も滑舌も声の通りもよく、時にホール担当に適切な指示を出し、店外の待ちの状況を尋ね、お客に対する声かけもテンプレぽさがない。夜に来れば並ばずに済むことを知っているが、昼に来てよかった。メニューの後ろにこじゃれたデザインのフリーペーパーが置いてあって、手にとって発行元を確認すると「曹洞宗」の文字が見えて「宗教だ!」とスッと戻す。戻してから、やはり気になってもう一度手にとって読む。「宗教だ!」とは。宿坊があったり写経会を開催していたりする寺の紹介記事やコラムが掲載されていた。やがて退勤。パン屋に寄るとシュトーレンが買えた。スライスして小分けに包装して200円でレジ横のカゴに入っていた。帰宅、風呂。夕飯はパン屋のドーナツ。食後、年間ベスト本タグに便乗しようと読書記録であるこの日記を一年分読む。