0119-0125

1/19(木)

カーテンを開けたら明るかった。この時間久々の晴れ。コーヒーをいれて、さつまいもと福豆を食べた。通勤電車の中では関谷里美『編むということ』を読んでいた。

編むということ ~フィリピン女性たちと一緒に紡ぐ、これからも。~

著者の「性分」でフィリピンへ突き進んでいく。いくつも超えなければいけないハードルがあるはずなのだが、その印象が薄い。ハードルをものともしないバイタリティ。何をやろうとしても「あらいいわね」と言ってくれる著者の母親がいい。

職場にて、弁当のおかずはベーコンと大根の煮物、揚げ玉の炒り卵。やがて退勤。本屋に寄ってベースマガジンの立ち読み。帰宅、風呂。洗濯もする。洗濯した日は着られないので、寒波の前にダウンを洗っておく。夕飯はつみれと白菜のスープ。はるさめを入れた。はるさめを買って帰ってきて、棚にしまい、今日ははるさめを使おうと献立し、鍋に投入し、お椀によそい、箸を持って椀に向かう度に「ビューだよ!ビュー!」と口に出して言っている。

1/20(金)

コーヒーをいれて、福豆を食べた。5連パックがもうなくなった。

通勤電車の中では金原ひとみ『デクリネゾン』を読んでいた。

デクリネゾン (ホーム社)

体調が悪くなるところの描写に引き込まれる。「エビのミソはレバー」「レモンの処遇」など章題もおしゃれ。

職場についてエントランスでエレベーターを待っていると後輩に「めっちゃ薄着じゃないですか?そんなペラペラのアウター意味あるんですか?」と声をかけられ「見た目の割に意味あるよ」と返す。ハハッと笑ったらメガネが曇って視界が真っ白になった。確かにポケッタブルウインドブレーカーは1月のアウターではない。ダウンは今家のベランダで干され、風に揺られているところだろう。中から順に半袖エアリズム、モックネックフリース、パーカー、ウインドブレーカーなので寒くはない。朝食は自席で、すきずきのクッキー(ディルフェン)。昼食は近所の店のダルバート。おいしくなったように感じるのは、調理担当が変わったのか、レシピを変えたのか。従来比で辛くないので、単に日本人好みの味に寄せられたものが結局口に合っているだけなのか。ものすごくスプーンが進む。興奮してガツガツ食べているとマトンカレーの骨をかみ砕いてしまい、口の中がズタズタになった。やがて退勤。デクリネゾンで主人公が食べていたのにつられてサムギョプサルが食べたい。スーパー1に寄ってサンチュとシソと豚肉とすりごま、あとヒラタケとしめじとじいじいのしいたけ(さほど安くなかったがそう書いてあったので「わーい、じじいじじい」と思ってカゴに入れた)、小松菜、なばななど買う。サンチュとシソを求めて高級スーパーに来店したが、いつも買っているような食パンがないことが地味に調子を狂わせる。タカキベーカリーの3枚入りのものを買った。帰宅、風呂。検索窓にサムギョプサルと入れると「サムギョプサル コチュジャンなし」が上のほうに候補として出てくる。寝ぼけたことを言っている奴が大勢いるものだ、と冷蔵庫を開けると信じられないことにコチュジャンがなかった。検索して味噌と砂糖で近い味のタレを作る。先ほどの候補に「サムギョプサル タレ さっぱり」というのもあって、レシピの検索窓でないものねだりをする奴めと思ったことはなしにしてポン酢も出しておく。先人の通った道は自分の通る道なのだ。サンチュとシソを外食でありえないくらいふんだんに用意できたのと、なすと厚揚げを焼けたのがよかった。ジャニーズジュニアチャンネルでカウコンのパフォーマンスを見ながら食べる。昨日公開された動画が40万回以上再生されていて慄く。各グループのファンが再生リストを作り、中には端末を何台も用意して一日中連続再生している人もいる。音量を絞るとカウントされないとか、リストの中に関係ない動画を混ぜておかないといけないなどの情報が共有されている。昨日までベースマガジンの発売を心待ちにしつつ、記事の内容にも満足したのに立ち読みで済ませたことは知られてはいけない雰囲気だ。熱心に動画を「回し」てある意味ファンの鏡のような行いをする一方で検索よけのために推しの名前はもじった上で思いの丈を綴っていて、奥ゆかしい人達なのだった。

1/21(土)

コーヒーだけ飲んで出勤。持っていく本(長距離移動中に読書を進めたいが出先で重いのは嫌、手元にあるのは2/3くらい読み終えている本ばかり)と服装に迷ってグズグズし続け、もう電車に間に合わないと思われたが大丈夫だった。通勤電車の中ではミューレンと大阪文フリで買った占星術の本を読んでいた。占星術を他人の事情を想像する手がかりにしている。ギラついたところに引いた時に「しし座だからな」ということにして考えるのをやめることが多い。案外我が強いとか、音楽にひたむきに打ち込んでいて技量も高いけど自分より音楽にくわしい人を恋人には選ばないとか。Iさんと山口一郎の話になった時に「ラジオ何回か聞いたことありますけどひとり喋りじゃなくてアシスタント?みたいな立ち位置の女性と共演してて、教えたってる感が好きじゃないです」と言った時に「おとめ座の使命感から」という解釈を聞いてあまり嫌じゃなくなった経験による。

正午、退勤。滋賀へ向かう。瀬田駅前のパン屋でカレーパンとコーヒークリームの入った菓子パンを買い、バスに乗って滋賀県立美術館へ。途中、丘をぐんぐん登って龍谷大学のキャンパスの中に入っていく。校門をはるかに超えたところにバス停がある。冬空の下、葉の落ちた木々に囲まれひっそりした校舎は高校生の時に手に取った、大学案内パンフレットの写真とそっくりだった。そのままバスに乗っているとまた国道に出て、文化ゾーン前というバス停到着。降りたつと14時近くになっていた。巨大な公園の中、そしてまた丘の上に美術館と図書館がある。文化ゾーンという言葉の響きから連想される年季とロマンが、建物から感じられる。雪がちらつく中フードをかぶって、歩きながらパンを食べた。そういうことができるくらいには人気がなくひっそりとしていた。カレーパンは白くてモチモチの生地。菓子パンはビスケット生地。ひねりが効いていてなおかつおいしい。美術館では川内倫子「M/E球体の上 無限の連なり」展を見た。サイネージ、アクリルキューブ、メッシュの布、映像、映像を展示室の壁に投影、床いっぱいに投影。展示方法が多彩で飽きない。コレクション展「川内倫子と滋賀」にもまだまだ作品があり、作家と美術館の関係の深さがうかがえた。祖父の葬儀を撮った作品をスライドショーで見ていると、撮影で訪れたやまなみ工房所属作家の歌う「ハッピーバースデートゥーユー」が聞こえてきたのが印象的だった。

やまなみ

映画「地蔵とリビドー」で向井秀徳が「地蔵しか作んないんだって」と話していた作家。地蔵も展示されており、数十体並ぶとリズムとスピード感が伝わってくる。手元には視線を向けずに次々に制作している映像もあった。

美術館を出て、文化ゾーン内にある滋賀県立図書館へ寄る。大阪府立図書館のような豪奢な吹き抜けのエントランスホール、らせん階段、小部屋に分かれたフロア。棚も充実していた。開架に出ている冊数が多いのか?ラミネートフィルムがツヤ消しタイプでサラサラなのも素敵なポイントだった。「水資料」の部屋を見つけた時には心が躍った。全体的に青っぽい背表紙が並ぶ棚には、海、川、湖、ダム、生物、温泉、そしてトイレの本!賑わっていたのもよかった。また来たい。

帰宅、風呂。夕飯は豚ミンチと納豆となばなのフィデウア。 今夜は聞きたいラジオが3つある。NHKFM「クラシックの迷宮」10周年リクエススペシャル。片山杜秀がリスナーからのおたよりを読んでいる!募集して一番最初に来たリクエストが、片山杜秀が好きでずっとかけたかったが10年間番組に組み込めなかった曲だった。リスナーの層の厚さを感じさせる一幕だ。NHK第1「らじらー!」菅田矢花回。婚姻制度にとらわれたオタクの剥き出しの欲望がキツいという感想をツイッターで見かけた。確かにせっかくメンバー同士でスタジオに入って番組制作をしているのに、中身があれでは時間がもったいない。ニッポン放送オールナイトニッポン0」今野大輝回。共に活動するグループのメンバーが2回もメールを送ってきた。心沸き立つ展開ではあるが、しし座の自己主張の強さを感じる。出せば必ず採用される立場で2通目を送ると、今野ファンのメールが読まれる可能性を奪うことになるが、いいのか?そういう心配をしない人が、大胆でスケールの大きな事を成し遂げられるのかもしれない。

1/22(日)

バランスパワージャンドゥーヤ味、ライスペーパーピザ、ご飯、さつまいも。昼前に目を覚ましてあとはまどろんだり起き上がって食事をとったりした。19時に目を閉じたら次に目覚めたのが0時で驚く。この時ばかりは路上で騒いでいた酔っ払いに感謝。風呂に入り、読書し、石山蓮華のラジオの聞き逃し配信を聴いて4時にまた寝た。

1/23(月)

暗い。今年に入って暗いと感じるのは家を出る時間が早いからだということに気づく。朝食はピーナツバタートースト。ピーナツバターもトーストも高級品だと香りがいい。家を出て、通勤電車の中では大阪文フリで買った『ほんやく日和』を読んでいた。死にかけの老婆の家を訪ねたら既に死んでいたが、姿を現した霊には実体があったのだ…というような暗く、どんでん返しになっているのだがどうでもよくなってくる話。電車が混みすぎて足の置き場がなくそれどころではない。職場にて、弁当のおかずはベーコンと大根の煮物、炒り卵。 やがて退勤。ローソンにネットプリントをしに寄ったが時間のかかりそうな客がいてそのまま出てきた。田舎で他に店舗がないんだから下準備をして一瞬で終わらせろ!真後ろに立ったら譲ってもらえそうな気もしたが、かける圧を自分の中に持ち合わせていなかった。スーパー2に寄って卵、スライスチーズ、ソーセージ、キンカンしらす、さわら等買う。食パン売り場にて、いつもの(価格、銘柄)がなく立ち尽くす。超熟が180円もする。本仕込も150円を超えている。「あった~?」「ない~」女性ふたりづれのお客が話している。わかる。今日ないよな。「これ柔らかいかな~」柔らかい食パンを探しているらしい。口調に、子供か年配の家族のためなんじゃないかというような切実さがあった。帰宅、風呂。夕飯はビュー(つみれと白菜とはるさめのスープ)、ご飯、総菜コーナーにあったグラタンコロッケ。食後、弁当のおかずを作る。

1/24(火)

コーヒーをいれて、しらすトーストを食べた。さつまいもと白い風船と「すきずき」のスパイスチョコも食べた。ラジオからはブリテンのシンプルシンフォニーが流れている。家を出て、通勤電車の中ではミティラー美術館コレクション展の図録を読んでいた。ネットで乾遥香の短歌評論も読んだ。職場にて、弁当のおかずはさといもゆかり和え、さわらときのこの炒め物(マーガリンとポンズの味)、れんこんとごぼうのサラダ(すりごまと「料亭の味」とマヨネーズの味)。

やがて退勤。喫煙所から戻ってきた上司が「ごっつい雪降ってるぞ!」と言ったのは嘘で、そんなに気をひきたいか、タバコ休憩ばっかり取りやがってと毒づきながら自宅とは反対方向の電車に乗って降りたら吹雪いていた。降り方には波があることを思い出した。やよい軒で夕食。ちゃんぽんを注文すると野菜炒め定食についてくる辛味噌が小皿にちょんと盛られてついてきた。その後映画館で「グレイ・ガーデンズ」を見た。観客は5人程。よりによって真後ろにポリ袋ガサガサ客(老人で複数いる)がいて嫌だったが、耳栓をするとやりすごせた。座席を何回か蹴られたのにどうでもよかったのは映画が騒々しかったからだろうか。しばしばふたり同時に発言するが、字幕はひとり分しか出ない。母娘で家の中でずーっと喋っているだけなのに退屈しなかった。時に言い返し、ボケて、ツッコみ、歌い、踊る。娘イディーがヴァージニア州軍事学校の校歌を好きすぎて笑ってしまった。誕生日パーティーの客人が帰ってベッドの上で飲み食いする生活に戻り、アライグマの開けた穴がどんどん大きくなって、床には紙くずや食べ残しが散乱し、ふたりとも行くあてがない。映画館を出て帰路。快速が何本か運休していたものの無事帰り着く。自宅近くの歩道には数センチ雪が積もっていてよちよち歩きする。帰宅、風呂。ここ数週間フケが出ていて、湯シャンもせっけんもイマイチなのでトラベルセットのメリットの余りを使ってみる。強烈な匂いがする。買って使っていた時は何とも思わなかったので、ここ数年で確実に鼻が敏感になっている。葛根湯を飲んでベッドに入った。路線バスのタイヤにチェーンがついていて大きな音をたてている。

1/25(水)

日本全国雪で大荒れの朝、カーテンを開けると快晴だった。あたりに薄く積もった雪が反射しているのか普段より明るいくらいだ。ここに住んでベランダに積雪するのは初めて。風が強かったことがうかがえる。コーヒーをいれて、レモンチーズトーストを食べた。タカキベーカリーの食パン、カルディのスライスチーズ使用。高級品は香りがいい。お腹が冷えているのでカイロを貼る。お灸と同じように、冷えている箇所は熱さを感じない。寒波がきて大雪が降りそうと報じられた先週、休まず遅れず仕事せずのカス役員が朝礼で「早めの電車に乗るように」と言ってきたのにずっと腹を立てていていつも通りの時間に家を出て電車に乗った。さっき聞いたラジオのニュースの表現を借りると「今日どうしても外出しなければならないという方」でぎゅうぎゅうだった。扉のガラスに押し付けられた右腕が冷たい。積もるのは珍しいので車窓を眺めることにした。途中で急に雪がなくなる地点を見つけた。乗り換えて團伊玖磨『かんう゛ぁせいしょん・たいむ』を読む。紅白で加山雄三が歌うのを見てからずっと読み返したくて奥から引っ張り出してきた。加山雄三29歳当時の対談。楽譜を読むのは苦手で耳のいい人はよくいるが、ピアノコンチェルトを耳コピするとは。團伊玖磨はその行為を大事な「道楽」だと言っていた。いつも通りの時間に出社。この時ようやく昨日から大量の電車が運休し、土曜に乗った路線の電車は数時間立ち往生していたことを知る。職場にて洗顔。家でも洗顔しているが、一切化粧をせずに出社し好きな時に洗顔して頭からクリームミストをかぶるというのを、たまたま化粧し忘れた月曜からやっている。手を洗うように顔を洗っておでこやこめかみをさすると気がめぐる感じがする。弁当のおかずはハムエッグ、れんこんとごぼうのサラダ、きんかん。午後、頭痛。洗顔タイガーバームで対策。やがて退勤。朝からの乱れが蓄積したのか電車が60分、80分遅れだったので別の鉄道会社の路線で帰る。遠回りしたがさほど遅れも混雑もなく、途中から座れた。帰路を探っていて地図上にカレー屋を見つけたのもラッキーだった。帰宅、風呂。夕飯はチゲうどん。白菜キムチは汁物に投入しても違和感なく食べられるが、きゅうりのキムチを使うとうどんからきゅうりのキューちゃんがでてきて変な感じだった。スピーカーからは本屋プラグラジオが流れている。嶋田さんもグレイ・ガーデンズを観ておられた。バースデーパーティーの客、やはり早く帰りたがっていたのか。あまり動じていないのかまんざらでもないのか、はたまた顔がひきつっているのか、虚ろでなんともいえない表情だった。でもクローズアップのタイミングに含みがあった。