0126-0201

1/26(木)

コーヒー、はちみつシナモントースト。駅へ向かう途中の歩道にはおとついの夜の雪がまだ残っていた。最強寒波(最強寒波という言葉を考えたのは自分ですと名乗り出てくれる人がいればどれだけいいか、という内容のツイートを昨日見かけた)は過ぎ去ってはいないらしい。指先がじんじんする。通勤電車の中では「PERFECT SPICE」を読んでいた。

水野仁輔が発行しているフリーペーパー。生成り色の薄い紙、A6、15P。こういうZINEを出したい、憧れのデザインは白い立体。内容も読み応えあり。昨日より今日の方が電車が遅延していた。「お客様多数のため」。ひと駅ごとにドアに何かが挟まって、発車前にもう一度ドアの開け閉めをする。そうやって1分ずつ遅延していった。職場にて、弁当のおかずはツナとしそのチャーハン、れんこんとごぼうのサラダ。午後、後輩どうしの「ぴったりやん」「イタリアン?」というやりとり。私にも藪から棒に「イタリアン」と発言したように聞こえたので面白かった。実際はそうでもないのに聞こえ方を盛って騒ぐ手合いがいる。文脈がこれだけ違えば絶対そうは聞こえないし、実際そうではなかった、のに!と思いながらひとり憮然としていることがあるが、今日は本当にそう聞こえた。やがて退勤。帰りの電車では藤岡亜弥『my life as a dog』『アヤ子、江古田気分』を読んでいた。90年代の子供の写真。全員がカメラを見ていることはなくて、大人か子供か一方だけがカメラの存在に気づいている。それか誰も気づいていないか。「アヤ子、」には文章も掲載されていて嬉しい。展示のキャプションを読んでもっと文章を読みたいと思ったのだ。ギャラリートークでの品のいい明るい語り口でエピソードを語られた時も驚いたが、その件とはまた別の犯罪に巻き込まれている。知ったばかりであり、自分にとってまだまだ未知の部分の多い作家。帰宅、風呂。夕飯は納豆しそスパゲッティ。栗原はるみが一人前に80枚しそを使っていたので景気よく投入した。できる限り細切りにしたのに食べているあいだじゅうモサモサモサモサし続けた。寒いので寝る。

1/27(金)

最近、日によってはスパゲッティで胃もたれするので昨日はよく茹でて柔らかくしてみたのだが調子が悪い。しその食べ過ぎとどちらが原因かわからない。ミルクティーに葛根湯を入れて飲んだ。ラジオのニュースは選抜高校野球の話題。昨年は県大会の順位を無視した選抜が行われたので今年はそのようなことのないように対策するという内容。利権がらみというか、利権そのもの。子供の頃から野球が嫌い(テレビ放送を延長するから)だったが、ますます嫌だ。ニュースでこの位置に食い込んでくるのも嫌だ。ニュースの後はモーツァルトのディベルティメント、ブラームスのドッペルコンチェルトが流れてよかった。チェロコンチェルトに着手、方向転換してヴァイオリンとの二重協奏曲に。友人のヴァイオリニストヨアヒムの存在が大きい。クラシックカフェの短い解説が嬉しい。(どこかで読んだり聞いたりしてその都度忘れているような)オーソドックスな通説だが、朝からちょっとした知識を仕入れて気分を変えられる。家を出て、通勤電車の中では有吉佐和子『女二人のニューギニア』を読む。

本屋プラグラジオで紹介されていたので再読。文庫が出たらしい。友人畑中さんの関西弁は自分の祖母や親戚、習字の先生などが使っていたものに近いのではないか。90年代にすでにある程度年配だった人達。頭の中で再生できることを幸運に思う。佐和子は関西弁を話していないのだが、臨場感たっぷりに書き起こせるのは同郷ゆえか。「あんた、ニコニコしたらいけませんよ。女の地位(ステイタス)は低いところやからね、すぐなめられますよ。気ぃつけて。」昼食は近所のカレー屋でとった。「今年はランチ営業をやめたい」とSNSに投稿していたのにショックを受け足が遠のいていたが、やはり好きなお店だった。内装がかわいい。紙ナプキン入れには岡本太郎が大勢顔をのぞかせている黄色いボールペンが刺さっている。写真は奈良原一行(ちゃんとクレジットされている)。岡本太郎展のグッズだろうか。あと、紙ナプキンがはみ出さないようにフロッピーディスクを入れて調整してあった。あさり出汁きのこカレーと無水芝マーラー金柑チキン(以下長すぎて失念)のあいがけ。えのきの副菜、半月切りで食べ応えある大根のアチャール。やがて退勤。電車が遅れていたので試しに30分歩いて別ルートを探る。降りたことのない駅前に沖縄三線の店が!夜こうして賑やかな町中を散歩していると、映画「無垢の祈り」で主人公の女の子が自転車を乗り回していた光景と重なる。母親の育児放棄、義理の父親からの性暴力からほんの一時逃れるため、あと「人(の醸し出す空気)にあたりにいく」ため。監督がインタビューで語っていた覚えがある。後者の感覚は少しわかる気がする。今日という一日を澱んだまま終わらせない。帰宅、風呂。本調子でないのに昼に豪勢なカレープレートを食べてしまい胃もたれ気味。夕飯は豆腐となばなの卵とじ丼。食後、日記を書く。

1/28(土)

7時に起きられた。コーヒーを飲んで、ギョニソマヨトーストを食べた。洗濯もした。アマオケの練習の録音、本屋プラグラジオなど流す。11時過ぎに家を出る。ギャラリーthe three konohanaへ。加藤巧の個展「Recent works 2020-22」。ギャラリースタッフに尋ねられるままに喋っていると、8年前にトークイベントを聞いてツイッターをフォローして以来初めて展示を見ることが明らかになった。ポートフォリオには開催を知っていながら行くのを見送った展示の数々が。美術ファンの行動としてスローすぎる。植樹レベルだ。丁寧に説明していただいて記憶の奥底のトークイベントの内容や光景、タブレットの画面越しに見た情報がつながった。そうだったそうだった、絵描きの中にはこういった動機で筆をとる人がいることを覚えておこうと、アカウントをフォローしたのだった。一時間弱くらい滞在したが、他に誰も来なかった。ギャラリーを出て寒空の下小走りでシカクへ向かい、入店しようとすると店の前でいったん待機するようスタッフから指示を受ける。ギャラリー展示の初日のため、お客の誘導に神経を使っている様子。その割に他のお客は見当たらないが、会場前に店の前、周辺に溜まってはいけないという事前アナウンスのためだった。13時を過ぎてから20代くらいの女性が次々に来店。小さなギャラリースペースなので5人目以降くらいになると13時半からの整理券を渡して出直してもらっていた。「作品集を買って作家さんにサインをもらいたいのですがレジ列に並んで作品を買ってからサイン列に並ぶのでしょうか?」お客も慣れたものだ。「○○の頃からのファンです」「お手紙書いてきました!」連れの男性に「ムリムリムリ、一旦落ち着いてからサイン列に並ぼう」と吐露する人もいた。みんな幸せそうな、作家の接触イベント。それを本屋スペースから眺める私。konohanaとは同じギャラリーでもずいぶん様子が違う。従来比でポップな実験作品の説明の中でギャラリースタッフが「時代にマッチしすぎているので、もうあまりやらないつもりらしいです」と言っていたのを思い出した。シカクを出て電車で九条へ。映画の時間も迫っていたし、何より寒すぎる。昼食は百福のグリーンカレー。ソムタムもついている。またしても週末のスペシャルメニューにつられてダルバートを頼まなかった。百福を出ると吹雪いていて、ぼたん雪の向こうに真っ白なキャミワンピを着た女性が横座りしてスマホに目を落としているのが見える。松島新地の店の引き戸は今日も全開。その後シネヌーヴォで映画「アメリカンエピック」のエピソード3を観た。当時の音源、映像、孫などの関係者による語りで構成されている。女性シンガーが登場して嬉しかった。どことなくラジオ番組「ウィークエンドサンシャイン」を聞いているような感覚になるのは、字幕監修がピーターバラカンだからか。帰宅、風呂。夕飯はおでん。

1/29(日)

7時に起きられた。白湯を飲んで、目玉焼きトーストを食べた。食後、楽器の練習をした。飽きたら配信ラジオ「当たりのこえ部」を流した。「固有名詞(今までの推し)の羅列が自己紹介になると思ってるんだよね」。昼食にしいたけチャーハンをつくって食べた。マーガリンと醤油の味。今日はアマオケの練習。電車の中では『推しって呼べない』を読んでいた。シカクで買ったZINE。好きなアイドルや俳優を何と呼ぶか。自分との関係性をどうとらえるか。自分の行動が相手に影響を及ぼすことをどう考えるか。タイトル通りの葛藤を抱えた書き手によるエッセイと論考。 練習が始まって終わった。帰宅、風呂。夕飯は豚こまとさつまいもと小松菜の炒めもの。醤油と酒とはちみつの味。いいちこのお茶割りを飲んで、アーモンドとドライトマトも食べた。

1/30(月)

6時過ぎに目を覚ましてカーテンを開けたら外はまだ真っ暗だったので閉めた。白湯を飲んでフレンチトーストを食べた。焼く前にマーガリンを塗ってみたが、塗らなくてよかった。Aぇ!groupのラジオ音源を流すと末澤が「正門のパーカーのヒモなんでそんなんなってるん」「二郎系はなんで二郎で家系はなんで家なん?」と相変わらずなんでなんでと言っていてよかった。家を出て、通勤電車の中では『自由なタイ料理 ガパオ』『締め切りの練習#9』を読んでいた。

シカクで買ったZINE。どちらも本文が表紙に侵食していて、好物なので絶対手に取ってしまうデザイン。caloのIさんの言う「タイのドライブインご飯」をつくる時のような即興性と、押さえるとうまくいくポイントを探る内容だった。ガパオは。締め切りの練習は、読みづらい印象のあった作家の文章がさほど気にならなくなっていた。職場にて、弁当のおかずはあさりと小松菜の炒り卵。辛ラーメンの粉の味。やがて退勤。スーパーで助六かバッテラを買ってイートインコーナーで食べるか、ラーメン屋に入るか。サバ6製麺所が近くにあったことを思い出して駆け込み、サバ寿司とつけ麺のセットを注文。バズルのピースがはまったような気持ちよさがあったが、普通につけ麺を頼むとぬるいということを忘れていたため自分の想定したのと違う夕飯になった。つけ麺を知らない人のような失敗。まぜそばよりぬるくなるとは。ここぞという時にしか「虚無」とか言ってはいけないということにしていて、これが虚無だ。有線のチャンネルはおそらくゼロ年代のヒットソングで、嵐「Love so sweet」、今井美樹「Goodbye Yesterday」、175R「ハッピーライフ」、少女時代「Gee」が流れる中黙々と食べた。その後コンサートホールへ行き海外オケの演奏会を聴いた。指揮者はチョン・ミン。ミョンフンと顔がよく似ていた。観客がぼーっと拍手しているとパッと振り始めて緊張感があった。指揮棒の先がより尖って見えるようなキレキレの動き。下手側の端の席からステージ上を眺めていると、一番最初に舞台に入場してきたヴァイオリニストの男性が微笑みながら顔を完全に客席の方に向けて歩いている。かなり端に座っているのに目が合いかけるということは、端から観客の顔を一人ずつ見ているということなのか。この人は曲間に退場せず、出入り口近くに立って客席を眺め回していた。知り合いを呼んでいるのかもしれない。最後は設営の邪魔になってスタッフにはけるよう注意されていた。団員全体の所作におおらかさを感じた。客席まで香水の香りが漂ってくる。大阪の後は鹿児島と東京を回るらしい。他公演の主催が演奏会場なのに対し、鹿児島公演の主催は九州労音。「九州労音やって」と唐突な感想を漏らしてもHは労音を知らないところから私のつたなくうろ覚えな説明を受け止めて「へぇ、九州は盛んなんですかね」とあっという間に追いついてくる。帰宅、風呂。23時前にベッドに入れたことが嬉しく、寝転んで枕に頭がのった瞬間ダブルピースした。

1/31(火)

あまりにも満員電車が満員なので数本前の各駅停車で行ってみようと思い立ち、白湯だけ飲んで家を出たが20分も余計にかかった割にはやはり満員だったのでもうしない。職場にて、耳栓をする。朝食がわりにビスケットを食べると咀嚼音以外何も聞こえなくなる。これくらいがちょうどいい。何年も前に10歳くらい年上の人が会社を辞める挨拶まわりの時に、なんか最近視力が悪くなったのか何も見えないけどどうせロクなものが見えてこないから「これでええねん!」と言っていたのを思い出した。昼食は仕出しの弁当。やがて退勤。スーパー1へ寄ってぶり、豚バラ、菊菜、さつまいも(紅まさり)、しいたけ、ブラウンえのきなど買う。帰宅、風呂。夕飯は先ほど買った味つきの切り身を焼いてたらのムニエル。ミニちんげん菜(かわいいから買った)ときのこも一緒に焼く。食後、きのこの下処理や弁当のおかず作りをする。ガリレオガリレイバンプオブチキンのカバー音源を流すと、藤原基央に比べて滑舌が良いためあやふやだった歌詞が次々に明らかになって面白かった。前に気まぐれに「FLAME VAIN」の音源を流したときも、ラジオから天体観測が流れてきた時もそうだったが、基本的にバンプはながら聴きができない。正座とかしてしまう。9mmもそうかも。正座はしない。どちらにせよ浸ってしまう。

2/1(水)

起きてコーヒーをいれて、プレッツェルとさつまいもと金柑を食べた。家を出て、通勤電車の中では雑誌『INSECT』の家事特集を読んだ。

IN/SECTS vol.15

いつもなぜかこの雑誌の記事を好意的に読むことができなくて、数パーセントは批判の気持ちが常に入った状態でページをめくり続けてしまう。この手の特集の、男性の反省文を読み飽きたところで今週の占いをチェック。昨日から職場でやけに積極的に発信できているのはどういうことなのか。身をまかせていていいのか。石井ゆかりも真木あかりも「愛を感じろ」という旨のことを書いているのでたぶん大丈夫。職場にて、弁当のおかずはさつまいも、にんじんと豚バラの炒め物。白だしとすりごまの味。ちょっと脂がしつこい。午後、「何か思うことがあればなんでも言ってください('Д')力になれるかはわかりませんが」というメッセージをもらう。こんなに温かい文面なのになんでも言う気にはならない。嫌われたくないからか。この('Д')はどういう文脈で使うものだったか。同世代から記号で構成された顔文字が来ると嬉しい。管理職のセンスゼロの指示のせいでこの人の仕事が増えているのに「今回はこういう方法をとられたみたいです。何が正解とかはないですからね」というコメントの後だからだろうか。明らかな間違いをかばってみせるのはなぜなのか。やがて退勤。滅多にないことだが途中まで職場の人と一緒に帰った。駅のホームで「あいつマジ小物じゃないすか!?」と大声を出したらメガネが曇って視界が真っ白になった。石井ゆかり、真木あかりが口をそろえて書いた(占い師の業務の大部分を占めている、のかわからないが大事なポイントではありそうなライター稼業)愛の日々だ。ハードコア星占いの人のハードコア犬占いという連載を見つけて読んだら魚座の欄では瞑想を勧めていた。職場の人と別れてフジオフードシステムが経営するとんかつ屋に入店。隣はさち福や。夕飯はヒレカツ定食。その後図書館へ。21時前に図書館を出て大阪城公園の中を歩いていると、マラソンランナーがいくつも群れをなして走っている。今月末の大阪マラソンに出るのかもしれない。駅に近づくにつれて大阪城ホールのライブ客が増える。若々しい恰好の女性ばかりだが、十代の人は見当たらない。どこを見てそう思うのかわからない。首のつくところを出さずに防寒しているからか。子連れの人もいる。後から調べるとビーファーストのライブ客だった。朝の情報番組でオーディションの模様が放映されていた覚えがある。公園内ではストリートライブも行われていて、ハイトーンの髪色の男性が5人くらい横一列に並んで歌っていた。足元にステージが組んであるのかちょっと高いところにいて、クラス写真くらいぎゅっと寄せ集まっている。大阪状ホールから流れてくる人だけではなく、最前列は熱心なファンが占めて盛り上がっている様子。これも後から調べるとCDを一万枚目指して手売り中で、FMからつでレギュラー番組を持ち、サンテレビ等に出演しているアイドルだった。次回からストリートライブは事前告知なしのゲリラ開催になるという。あれがストリートライブの最大規模で、基本的には新規獲得のための活動なんだろうな。帰宅、風呂。