0202-0208

2/2(木)

起きて台所に立ってプレッツェルを食べながらフライパンをゆすってちくわのカレー炒めをつくった。弁当のおかずにする。ラジオからはワーグナーローエングリンの何かが流れている。スケールの大きな曲は気分を変える。家を出て駅へ向かっていると、いつもすれ違う集団登校の小学生の中に、魔法瓶の水筒を斜めがけにした子がちらほらいるのが目にとまった。私が子供の頃、真冬には持って行ってなかったような気がする。しかし切り替え時期もはっきりしない。頭の中に傷だらけになった銀色の魔法瓶が浮かんだ。コップと底、紐は赤色だった。キャラクターや模様はついていない。妹の水筒も傷だらけだった。通学路が長く、転ぶ度に深く長い傷がついていく。妹のは全体がショッキングピンクで、コップは当時の流行の浅い形だった。英字のロゴのシールも貼られていた。思い返せば上履き入れや手提げ袋にも同じような傾向があって、私のは子供向けでもちょっと上品だった。上の子だからだ、と気づいた。母親が張り切ってちょっと凝ったものを選んだのだろう。

通勤電車の中では工藤美代子『写真妻』を読んでいた。

写婚妻―花嫁は一枚の見合い写真を手に海を渡っていった (1983年)

太田明日香『言葉の地層』にピクチャーブライドで和歌山からカナダに移住した女性の孫が登場する場面があったのも記憶に新しい昨日、図書館で見つけて借りてきた。日本で困窮していたか。出身地はどこか。明治か大正か。カナダに行ってからの暮らし向き。傾向を読み取ろうとするが、語り手の数だけそれぞれの結婚生活がある。職場にて、昼食は赤飯、ちくわのカレー炒め、味噌汁。やがて退勤。スーパーに寄って卵、食パン、セロリ、あと福豆の五連パックをふたつ買う。1月中旬に買ったのと同じもの。あの後探してもこの容量の小分けパックはなく、また買うためにこのスーパーに来た。入口近くの一番目につくところにいちごが出回っていたが見送り。金柑が棚に並ばなくなるのも近そう。今シーズン中にまた買うかどうしようか。帰宅、風呂。夕飯はご飯、ぶりすき。下処理でふった塩のことを忘れていてややしょっぱかった。食後、職場の('Д')氏の生年月日をホロスコープ作成サイトに入力して自分なりに見てみる。弊社は総務の手違いで社員の大部分の生年月日が全社に流出していてこういう時便利。平成の顔文字の使い手であり、同い年の('Д')氏。牡羊座に火星があるのにあんなに怒りを見せないなんて恐ろしい。ノーアスペクトの天体を持つ人のイメージがちょっとはっきりした。その後、マンガ「ガチ恋粘着獣」が無料公開中なので20話くらいまで読んだ。

ガチ恋粘着獣 ~ネット配信者の彼女になりたくて~ 1巻 (タタンコミックス)

絵柄も筋書きも過激ですぐ読むのをやめようとしたが、りんめろが早々に常識人になって読みやすい。もみ合いになり組み伏せられた後「配信まだついてる」と嘘をついて配信者の気を逸らし、スタンガンを押し当てて一気に優勢になるところが痛快だった。表紙でこんな状態なのに本編中で戦闘能力MAXになる。

2/3(金)

コーヒーをいれて、レモンチーズトーストを食べた。通勤電車の中では伊藤亜紗『目の見えない人は世界をどう見ているのか』を読んでいた。

目の見えない人は世界をどう見ているのか (光文社新書)

目の見えない人の住んでいる世界を面白がるというポリシーを持って発信されていて、読者も面白がれるようになっている。

職場にて、同僚の丸投げ無茶ぶり調査を補助するために手持ちの資料をもとにテンプレートを作ってチャットでこっそり差し入れた。ジジイに見つかると「間違いがないか精査する」と取り上げられ、そのまま返してもらえないため。今週はよく話し、よく働いた。これが週間星占いで愛の週を迎えた太陽魚座が発揮する水星みずがめ座の愛だ。昼食は近所のカレー屋の「カレーライス」。ダルとキーマのあいがけ。「ダルバート」を注文すると(ダルの他には)選べるのはチキンカレーかマトンカレーのみ。この店のキーマカレーを食べてみたかったので「カレーライス」にした。キーマカレーにはぜひともスパイス卵なり目玉焼きなり卵をトッピングしたいがこの店にはない。残念だが、創作スパイスカレーのお店にはない節操を感じる。パクチーをトッピングした。米をバスマティライスに変えるのを忘れて胃が米でパンパンになった。後ろのテーブルの男性ふたり連れは「ターリー」を頼んでいた。ナンも白米もついたセット。カレーはバターチキンとほうれん草。ナンは+100円でチーズナンに変更。運ばれてきてから「ナンつきチーズ」という単語が聞こえてきたのが面白かった。逆転するくらいチーズが入っているのか。ぜひ見てみたいが振り返れない。夜に来て、このナンつきチーズとキーマカレーを単品で頼んでお酒を飲むと楽しそう。やがて退勤。帰宅、風呂。胃にはまだひき肉と米が残っている感覚がある。楽器の練習。本屋プラグラジオを流して洗濯物を干す。また楽器の練習。音源と一緒に弾く。疲れたからやめようとしたら次の動画が始まり、関係ない動画だろうと思っていたら別に取り組んでいる曲の音源だった。YouTubeに調教されている気分。夕飯は梅わかめうどん。食後、小腹がすいたのでドライトマトと福豆を食べた。書いている今思い返せば数粒撒いておいてもよかったのだが、その発想はまったくなかった。

2/4(土)

6時半。昨日ツイッターのタイムラインに流れてきた「ながさき本屋夜話」のアーカイブを流し始める。今から流しておくと家を出るまでにけっこう聞けるかも。カレー屋のカレーでお腹を壊すのをまたやった。自分で作った料理でお腹を壊すときは大体辛くしすぎた時なのに、カレー屋のカレーは辛さに関係なくお腹を壊すことがある。香辛料か?たしかに結構重かったけどあのキーマカレーがだめなのか。ロッダグループのギャミラサの場合は、どうしてもあの一皿のせいだとは思いたくなくて幾度もお腹を壊した。コーヒーをいれて、にんじんとさつまいもを食べた。ピーナツバタートーストも。家を出て、通勤電車の中では『るるるるんvol.3鏡』を読んでいた。前の席に座っている男性が新聞を読んでいて、縦長にするためにクシャッと握った右手の横に強制性交罪の構成要件見直しの記事が見えた。出勤。正午、退勤。彼氏と合流して少し歩き、見つけた「肉屋のビストロ」をうたうお店に入った。ショーケースに丸太のようなソーセージがゴロゴロ入っている。ランチメニューの煮込みセットを注文。ビネガー煮込みとはこういう味か。ベーコンとソーセージと鶏、あとカブなどの野菜が入っていた。隣の人とビネガー煮込みの経験値が同じくらいで、煮汁を飲んで「酸っぱい」「飲むもんじゃなかった」と驚いていたので飲まずに済んだ。店を出てしばらく歩いてもその後の行先が決まらず、しばし彼氏と駅で路線図を眺める。「新世界行ってスマートボールしよ」と言うのでそうすることに。しかしスマートボール屋は満員で台が空きそうになかった。通りには観光客がいっぱい。たこ焼き屋に長蛇の列。15時前になっていたので動物園にはいかないつもりだったが、前を通ったときにまだまだ入園客がいるのを見て入る。今まで天王寺動物園に行った中で一番人が多かった。工事中で立ち入れないエリアがたくさんあり、密集していたのかも。長らくニホンザルのいないサル山を撤去、離れたところに群れをもうひとつ作って水鳥の横で飼われていたペンギンには新しいペンギンハウスを。コアラのいないコアラ館はまだあった。こちらもだいぶ年季が入っている。すすけた看板文字の「ヒヒハウス」の中では野外展示を終えた小型のサルが白菜やゆで卵を食べていた。隣同士で似たような見かけのサルであっても木の葉を与えられていたりした。園内情報誌をゲットし、他の動物園に比べて立派に見える慰霊碑に飾ってある写真で最近亡くなった動物に思いをはせる。自分が展示以外の楽しみをわりと持っていることがわかった。グッズ売り場で散財。ドリルのタオル、キーチェーン。ドリルは日本国内では天王寺動物園にしかいないのでグッズが豊富。縁起でもない話だが、一匹しかいないので亡くなるとこのグッズもなくなってしまうだろう。

動物園を出た後はあべのハルカスへ行き、HARBSでケーキを食べた。彼氏がテレビで見たという。バナナのケーキを堪能。空くのを待って催事場でシルバニアファミリーの展示を見たりしていたので店を出たのは18時頃になっていた。その後あべのキューズモールへ行きユニクロのカタログをゲットしたり韓国雑貨屋で薬菓を買ったりするのに付き合わせ、台湾カフェでルーローハンと豆花のセットを食べた。デートらしいデートを久々にしたが、何の話をしていたかよく思い出せない。今書いていてしみじみ思うのが、彼氏の何か素敵なことをしてくれるというよりはとにかく嫌なことをしなさと言わなさにすごく救われている。

2/5(日)

9時から18時までアマオケの練習。昼食はコロッケ屋ののり弁。また絶対買う。のり弁の最高峰。のち送別会。結婚式の二次会並みのコンテンツ盛りだくさんな会だった。メッセージつきの写真スライドショー、景品つきクイズ大会。映像コンテンツを見せるより会話したほうがいいのではという考えを持っていたが、しっかりクイズ大会ではしゃいでしまった。しかも、「わたしジャニオタなんで」と言っている人(この時点では誰であるかは言わないというバランス感覚に年季を感じる)にどうしても気になって「誰が好きなん」と聞いてしまう。更に、自分がジュニアにはまって矢花が好きであることも喋ってしまう。あの場ではAぇ箱推しとかでよかった。嘘ではないのだから。酒の席での自分の振る舞いが予想の数倍みっともなくて後で落ち込む。酒だけが原因でもない気がする。最後の集合写真撮影時、声を出してげらげら笑っていた。こうすると顔を作らなくても笑顔。撮ってくれた店員が無言で己のタイミングで10枚くらい撮るスタイルで面白かったのでその笑いをそのまま出した。その後「なんでずっと笑ってたんですか~?」に「無言だなと思って…」と返すと「お葬式とか苦手な人でしょう」と言われる。こいつの洞察力は何なんだよ。「冠婚葬祭全部無理」と返し、「人間向いてないですよ」に「早く辞めたい」と言い放って会場を出た。なぜ主賓のいる会のあいだ中ずっと自分で手一杯になってしまうのか。

2/6(月)

起きて開口一番恥ずかしい恥ずかしいと口に出して騒ぎながら身支度をして、お湯を沸かして飲んで福豆を食べた。家を出るとメガネが曇って視界が銀世界。集団登校の小学生達が霧の中から突然現れる。通勤電車の中では『きらめく拍手の音』を読んでいた。

きらめく拍手の音 手で話す人々とともに生きる

著者以外のコーダからも様々なエピソードが語られる。エキスポ参加のためのアメリカ旅行での父親の描写の距離感がなんともいえずいい。

職場に着くまでにセブンイレブンに寄ってお昼を買った。レジ袋「いりません」と答えると年配の女性が手際よく持ち手のないビニール袋に商品とおしぼりとお箸を包んでくれた。結び目を手に持てるようになっていて、側面にはマチがあり、完全にレジ袋の役割を果たしている。さっさとお客に立ち去ってもらわないと捌けないのだろう。職場にて、昼食はチキンとゆで卵のチリドッグ(380円)、たことブロッコリーのバジルサラダ(260円)。やがて退勤。帰宅、風呂。髪が伸びて乾かすのに時間がかかるようになってきたのでドライヤーを頭上に固定して読書しながら乾かすというのをやってみる。長押に小物干しハンガーをかけて、隙間にドライヤーを挿しこむ。ベッドに座り、掛布団で高さを調整するとうまくいった。発明だ。夕飯はご飯、豚バラとにんじんの炒め物。食後、ジャニーズJr.の動画サイトアイランドTVにアクセスするといつもの光景ではあるが各種アーティスト写真が目に入り、別に言わなくてもよかったのに矢花が好きなことを昨日の飲み会で口走ってしまった事を思い出してまた悶えた。

2/7(火)

寝て起きるたびに徐々に恥ずかしくなくなっていく。コーヒーをいれて、ピーナツバタートーストを食べた。弁当のおかずをつくって詰めた。今朝は昨日より暖かく、上着を一枚減らした。電車の中では手袋を外し、ダウンのチャックを開けて熱がこもる前に逃がす。荒井裕樹『凛として灯る』を読んでいた。

凜として灯る

冒頭から花森安治が、手塚治虫が、米津知子の行動をけちょんけちょんに言っていて元気がなくなった。しかし、多摩美術大学石内都と共に活動していたことが書かれていて活気づく。何より米津知子がのびのび活動していて顔がほころぶ。

職場にて、弁当のおかずはハムエッグ、小松菜と油揚げの炒め物。午後、上司に呼び出される。日々意見ばかりしているので心当たりがありすぎたが、どれも違った。4月1日付で異動。異動先は支店長が原因で事務員が定着しないところ。わかりましたと言って部屋を出て自席に戻り即その支店の社員にチャットで裏をとる。読みは当たっていて、一連の退職玉突き事故の原因も支店長だ。私が行かないとさらに穴があくはずだが「4月からここカオスなんであれやったら断っていいと思いますよ」と情報をくれる。「ここは一回崩壊すればいいんですよ」その時まで断るという発想はなかったが、チャットをしているうちにその支店への異動を断る決心がついた。 

やがて退勤。帰宅、風呂。夕飯はぶりチゲ、ご飯。早々に寝た。

2/8(水)

コーヒーをいれて、昨日の私から今日の私に託された弁当のおかずをつくる。フレンチトーストをつくって食べた。食後、鏡リュウジ、青石ひかり等知っている占星術師の名前を手当たり次第に検索窓に入力。鏡リュウジは「スピード感をもって仕事ができる」お、いけそう。異動を断るのは仕事なのか?というのは置いておく。青石ひかりは「3月に試練の星土星が入ってくる」「快楽におぼれてやりすぎてはいけない」毎週読んでいる石井ゆかりと真木あかりに加え、しいたけも鏡リュウジも背中を押してくれる内容だから注意事項が書かれたものを探していたが、いざ目にすると怖い。でも青石ひかりは「誰でもよかったからあなたでも何とかなったのでは」「本当にあなたが引き受けなければいけないことなのか」という内容のツイートをしている。そうだそうだ。

今朝は昨日よりいちだんと暖かく、ダウンを着ないで家を出た。

通勤電車の中ではマルジャン・サトラピ『刺繍 イラン女性が語る恋愛と結婚』を読んでいた。自分もお茶会に参加しているように楽しい。

刺繍 イラン女性が語る恋愛と結婚

職場にて、断る、断ると心のうちで唱えているが、異動を命じられたこともなく断り方がよくわからない。とりあえず「お断りします」とメールを送っておく。今まで送ったどのメールよりも速く返信が来てまた部長に個室に呼び出される。「上とまた会議するけど、よっぽどの理由もないのにこういうことをするとどうなるかわからないけどそれでもいいのかな?」そんな抽象的な脅しがあるか。「上」の花いちもんめのようなふざけた会議を経て、しょうもない理由で異動させられ、異動先で潰された社員は数えきれない。親の介護等の嘘はつかなかった。普通に断ったらどうなるんだろうという興味があった。あとこいつ、規約を確認せずにこの場に来たんだな。「どういう理解をしてる?」お前も知らないだろ。「等級が一個下がるとか」確かこれは転勤のところに書いてあった。「それでは済まなくて、解雇されるかもしれないよ?」嘘つけ。なぜタメ語なのか。脅された事よりそちらが気になる。録音しているが、これを提出する場がこの会社にはない。はい、はい、と答えていたので本題は終わったが、お断りしますメールに「私が出していた意見に返答してもらえないままだが、これで終わりと思うな」という内容の文句を書いていたのでその話になった。「『納得いきません』とか『不信感があります』とか、役員に対しての言葉遣いじゃない」と怒られている(本当に文章が読めない人間で、単語に反応しているだけだったのかという虚無感が私を無言にさせた)間、今まで石化していた課長がウンウン頷いていた。こいつだけは許さない。どうやるかわからないが、絶対に殺す。先に消えるのはお前だ。弁当のおかずはギョニソとセロリとピーマンの炒め物。またミックススパイスを入れすぎた。辛くて涙が出てくる。デザートに金柑(米と一緒に炊く)を入れていてよかった。やがて退勤。帰宅、風呂。夕飯を用意する気が起こらず、中華わかめと金柑とさつまいもとカマンベールチーズと福豆を並べて食べながらレモンサワーを飲んだ。飲み終えて歯みがきをし、ベッドに入るとすぐに眠ってしまった。