20231203

古本市出店2日目。朝の小西さくら通り、昨日は野球帽を脱いで道沿いの神社の鳥居の前で佇んでいるおじいさんがいて、今日は爆笑のあまり組んでいた腕がほどけてしまい、組みなおすカップルがいた。人見知りもそうだし、場そのものに慣れるのに時間がかかるので、2日間通してイベントがあるのはありがたい。この日ずっと、2日目楽しいなあ、ちょっと場に慣れたなあと思いながら過ごしていた。出店で椅子に腰掛けるとか、中座するとか、接客中でない他の出店者と立ち話するとかのタイミングがわかるようになってきた。

山の上の本棚のSさんが私の出店の前を通り過ぎると、毛糸のマフラーについていた枯葉が『ある日、突然、目が覚めて』の上にふわっと降りてきた。小指の爪の先ほどの小さな枯葉だった。そのままにしておいてもよかったが、売り物の上なのでつまんでよけた。

休憩室でツイッターを見ると、大津のイベント会場に出店しているぽんつく堂さんがノーブラZINEを目当てに来てくださった方がいるとリプライをくださっている。昨日はこのたねまき古本市でご一緒していて、ZINEがあまり手に取られることもなく私が出店でボーッと立っているところを見ておられたのだろう。手に取られたあとも黙っているので向かいのブースのうさぎの本棚さんが何度も口添えしてくださった。休憩室でミジンコブンコのブッダボウルをおいしいおいしいと言いながら食べ、ディアギャラリーナラの建物のこれまでとこれからの話を聞いて出店に戻ると、黄緑色のノーパンZINEを手にとっているお客さんがいた。自分よりずっと歳下に見える。この方は私のツイートを見てここまで来てくださったそうで、場にそぐわない大声で「えぇ?!」と言ってしまった。手売りをあまりしないこともあり、ZINE関連で知り合った人にこの世代の人はまだいない。自分より歳上の本屋さんや作家の方に応援されて3年売り続けて今日会えたのだ。ノーブラZINEを作る動機が、勝手なことをしている人を見て規範(がもしあるのならそれ)から解き放たれてほしい、特に自分より下の世代の人に。なのでかなり達成感があった。

帰宅してSさんが昔制作されたZINEを読む。Sさんの書かれたものをほぼ読んだことがなかった。知り合って3年ほど経った今、これを渡されたということについて考えるひとときだった。私の相関図があるとして、思いもよらぬ方向から矢印が向いていて、矢印の横に何事か書かれているのを想像した。先ほどのお客さんしかり。