20240112

指揮者の燕尾服が翻って赤い裏地が見えた。先ほどのショスタコーヴィチの時には見えなかったように思う。60分を超えたあたりで寝ていた客が目を覚まし始める。二度寝ではきかないくらい長い。というか長く感じる。そろそろ次の展開にいくのかなというところでまたふりだしに戻るような。私も右のお尻が痛くなってきた。そのくせ唐突に終わる。私を含め曲を知っている客が少なかったからか、一度起きた拍手が止んでしまうほどだ。指揮者がタクトを下ろすとホッとしたような空気が流れ、また拍手。こうなってしまってはブラボーおじさんも出遅れていた。やっと終わった。ホッとしたような空気のうち多くは観客のこの気持ちからだろう。もとから空席が目立っていた客席から、カーテンコールの間にどんどん客が帰っていく。残ったお客が頑張ってパチパチする。ここで残るかと、さっきまで寝ていたかは全く関係ないのがちょっと面白いところ。弦楽器までパートごとに立たせてお客の拍手を浴びせた後、指揮者が新年の挨拶。このオケの常任指揮者なのだ。今年はブルックナー生誕200年のブルックナーイヤーです。おそらく今夜、ここが日本で一番早い日程でブルックナーの曲を演奏していると思います。

今、松山に行く計画を立てている。四国でこういったプログラムの演奏会を聴ける機会は少ないだろう。例えば大阪にはプロオケが4つあるのに対し、四国にプロオケはひとつ。