0106-0111

1/6(金)

6時に目が覚めて1時間ツイッターを見る。朝食はコーンマヨトースト。

通勤電車の中ではよしながふみ『仕事でも、仕事じゃなくても』を読んでいた。

仕事でも、仕事じゃなくても

生い立ちも、マンガの技法の話も興味深い。以前ツイッターで「十年以上にわたってよしなが作品を読み続けてきた自分へのご褒美」という投稿を見かけた。わざわざ言うようなことではない気もするがひとつも作品を読んだことがない自分も楽しめる内容になっている。買うにはハードルが高い本を図書館に置いてくれてありがたい。これもわざわざ言うことではなく、そしてツイートしづらい内容である。

職場にて、弁当のおかずはピーマンの肉詰め、卵焼き、もずくスープ。昼休み、バンドキャンプで「experience」欄から適当に音源を流してイヤホンで聴く。Youtubeの広告がエグくて(肯定ではなく否定。エロマンガの性交シーンが音声つきで流れたりする)視聴できないから昼休みの音源としては使えなくなった。午後、他部署、年下、男性社員が書類を自分のところで止めるから私の処理が完了していないことが発覚。外出中にデスクの上(引き出しを開けないという最後の良心)を漁ったら3か月前の書類が出てきた。部長にかけあって全体に指導してもらってもだめだったし、直接言うのも効果がないことが想像できる。おそらくなだめすかして仲良くならないと「書類を止めない」程度の気づかいさえしてもらえない。上に「男性社員」と書いているのは女性社員に対してこういう類の落胆をしたことがないから。やがて退勤。なんだか目と首が疲れている。スーパー1に寄ってさつまいも、しいたけ、プチトマト、春菊を買った。小松菜は欲しかったけどなかった。帰宅。ポストにUさんからの封書が届いていた。風景の写真が入っている!自分が入っているスナップ写真をもらっても捨てるほどの写真嫌い(自分の写りだけがずっと気になるし、なにより気にしている自分が嫌)なので、まず現像された写真を手に取るのが本当に久しぶりだった。もらって嬉しかったのも。風呂。しいたけとプチトマトを冷凍。普段なら何気なくやっているこの作業が面倒に感じる。夕飯はご飯、セロリとネギの豚しゃぶ。今井真実のレシピ。色々入れたくなるのをぐっと我慢してプチトマトだけ足した。塩昆布とにんにくの味。ご飯もすすんだ。溜まった日記を書きたかったがツイッターを見ているうちに寝落ち。

1/7(土)

朝、マヨネーズトースト。昼、タイのドライブインご飯プレート(セロリとなすとギョニソ炒め、ご飯、目玉焼き、フライドオニオン、さといもゆかり和え、福豆)。夜、春菊とさつまいもの味噌汁、豚キムチ、ご飯。 出勤して正午に退勤した。

通勤電車では『現代アフリカ文化の今 15の視点から、その現在地を探る』を読んでいた。

現代アフリカ文化の今 15の視点から、その現在地を探る

紙幅が限られているからか、読者層が薄いからか、どの章も予備知識がなくてもとっつきやすい。昨年3月に福岡で見たインカ・ショニバレCBEの「桜を放つ女性」についても詳しく書かれていた。コレクション展で見られたのは幸運だった。紹介されていた他の作品も目を奪われるような美しさで、ぜひ生で見たい。テキストで込められた意味を知るのも醍醐味だが、あの駆け寄って手を伸ばしたくなるような魅力を忘れられない。

会社の帰りにスーパーに寄って大根、小松菜、ベーコン、豚肉、ちくわ、液体みそ、大豆水煮など買った。あとは帰ってずっと日記を書いていた。

1/8(日)

朝、レモンマシュマロトースト。昼、カレーうどん。夜、うどんカルボ、さつまいも、みかん。 9時から17時までアマオケの練習。

電車の中では田嶋陽子『恋をしまくれ』を読んでいた。

恋をしまくれ―私の体験的恋愛論

この絵も田嶋陽子の絵らしい。ポージングと目線と色と筆運び!70年代?イギリスでは既にパートナーとの問題を解決すべくセラピーを受けることが一般的になっていて驚く。パートナーはセラピーに自慢話や成功体験を語ってしまい機会を生かせない。

練習場にて、Mが他の団員のリュックからカラビナでペットボトルがぶら下がっているのを指さして「あれめっちゃよくない?」と話しかけてくる。あまりにも唐突に、堂々と指さしていたのでその団員とは既にやりとりがあったのかと思ったが、たぶん違う。目に留まって思ったことをそのまま口に出したと思われる。「ZEPPでもらえるやつやん」「別府?」「ライブハウスな」クラシック以外の音楽の話をする時、ほんのわずかにMの瞳に不安がよぎる、気がする。基本的に物知りだがそこだけ疎い。「嵐とSMAPはわかるよ」とSMAPが解散して何年も経ってから言っていた。「うちに余ってたと思う」「ありがとう」もうMの手に入った。思ったことを脊髄反射で口に出す人間の人生のスピードを体感したひとときだった。帰宅して探すと5つも出てきた。私がライブに行き出したころは首から下げるホルダーだった。仕様変更で年々原価が下がっていくのを感じていたことを覚えている。10年ほど前金沢に旅行に行ったとき首から下げていると、知らない女性に「便利そう!どこで買ったんですか」と聞かれたことを思い出した。その時も「ライブハウスでもらいました」と返した。魅惑的なのにいまいち浸透しないアイテムであり続けるZEPPのペットボトルホルダー。

1/9(月)

7時に起きてはちみつシナモントーストを食べ、せっせと読書に励んだ。今日返しにいく。年末に借り過ぎて読み切れていない。NHKFMでは加藤昌則がコルンゴルドのヴァイオリン協奏曲やプロコフィエフのピアノ協奏曲を流していた。その後は小原孝ソナチネを弾いていた。レギュラー番組を流せない時に30分ずつ穴埋めをしてくれるラジオ職人2人。企画もいい。 聴きながら石内都『写真関係』を読んだ。

写真関係 (単行本)

西宮大谷記念美術館での石内都展で展示室の壁に色がついていたこと、「ひろしま」に数点モノクロ作品があったこと、そして現像するところを録画して展示室で流していたことの重要性がわかった。

11時前に家を出て、11時半に図書館の食堂でおろし唐揚げ丼を食べた。鶏は大きく衣は薄くニンニクはがっつり。キッチンの奥にいるセーター姿のおじさんが調理を担当している。この人はエプロンをつけない。呼ばれてカウンターごしにお盆にのった食事を受け取ろうとすると「おおきに!」と威勢のいい声がかかる。食べていると食堂に入ってきたお客のおじさんが「食券機からおつりがこんなに出てきたよ」と正直に申告していて偉かった。私の500円だ。550円で丼に味噌汁もついているし、メニューに味噌汁つきとしか書かれていないのにもやしキムチまでついていることを喜んでいたが、1050円支払っておつりを取るのを忘れていることにこの時気づく。おじさんが正直に申告したおかげでこの食堂に寄付できた。感染症の影響で図書館が休館した時、もう食堂は撤退してしまうかと思われたがまた営業してくれた。ずっと食堂がありますように。14時過ぎくらいまで館内で読み切れていない本を読む。『アートの根っこ』。

アートの根っこ――想像・妄想・創造・捏造を社会へ放つ

青木惠理子がエッセイの中で、べてるの家の話題の後にインドネシアフローレス島の習慣について書いていた。むしゃくしゃした時は怒りのひとりごとを言って熱が内にこもらないようにする。これをスル(seru)という。声、声に出すという意味。ずーっとスルで怒鳴り散らしていても周囲の人はおかまいなし。私が家でひとりで喋りまくっていることに名前がついていることが嬉しくてメモをとった。今落ち着いて考えると私のはもうひとりの私に向かって喋っているようなものなので怒鳴ったりすることはない。

津原泰水『音楽は何も与えてくれない』。

音楽は何も与えてくれない

年末に読んだ時はおっさんの昔話なのに読めるのが不思議で、これが小説家の手腕なのかと感じていたが今読んだら普通に嫌だった。入試の点数が書いてあるともうダメだ。楽器の話のところだけ読んだ。でもクラウス・フォアマンのVOOTAR(フォーター。8弦ギターベース)についても書かれていたので、6弦ベースと4弦ベースと機材と打ち込みドラムで再現演奏動画を作っているアイドルを追っている者としては申し分のない内容だったといえる。

本を返却し、すかすかのリュックを背負って奈良へ。ふうせんかずらでスパイスとお菓子すきずきのお菓子を爆買い。「すきずき」は母方の祖母がよく言っていた。それこそある種のスパイスのような、万人に好かれるわけではない食べ物について「すきずきやからね」と言っていた。好きにならなくてもよさが伝わってきて安心できる言い方だった。「開店セール!」「SALE SALE」「価格で勝負!」と虹色のポップがついている棚から山田耕作の自伝を100円で買ってカウンターでコーヒー休憩をした。モジモジして挨拶できずにいた私にSさんが声をかけてくださったので勢いがついてお店番の方とも話すことができた。工藤直子『のはらうた』のかまきりりゅうじの詩は光村書籍の教材CDの朗読の声で再生される。やたら渋い年輩の男性が情感たっぷりに読み上げるので教室が沸いてしまい、国語の先生がやりにくそうにしていたのを覚えている。

15時半、cojica booksへ。山の上の本棚さんにペーパー(ノーブラZINE7・奈良の一日)を納品。日記を読んでくださっていて、こんなに寄り添っていただける。日記を読んでくださっているから、こんなに寄り添っていただけるのか。書いたものを読んでいただく中で、普段いるコミュニティの中では感じられないような満たされた気持ちになれる。

17時前、行きたかったカフェに滑り込み。味はとてもよかったが、食べ終えて席を立とうとしたら店主のバイトへの説教が始まって出るに出られなくなってしまった。一本脚のテーブルのがたつきを調整する際、闇雲にすべてのビスを回すと調整が終わらなくなる。目視してビスをひとつだけ回すべき。という内容を10分くらいかけて詰問しつつ滔々と語っていた。たぶん相手の反応や理解度をみる気がなくて、シナリオの終わりまでやり切ることが大事。その場にいる客よりバイトが上がるまでに満足いく説教をすることの方が大事。人と食事していてああいった場に居合わせるのは絶対に避けたい。学生バイト風なのに目をしっかり見てくれる店員だなと好感をもったが、あのふるまいが監視と説教によって仕込まれたものだとしたらやりきれない気持ちになる。

カフェを出て、なんとなく帰りがたくてぷらぷら歩いていたら振袖姿の女の子3人がアニメイトの入っている雑居ビルに入っていくのが見えた。2人じゃなくて3人が今、行こうということになったのか!?後を追うと3人は狭い階段、着物、草履で苦戦していてすぐ追いついた。ビルを間違えていたようで「すみません!」と引き返して降りてきたので踊り場によけた。アニメイトは盛況だった。BLの棚に女子高生2人組がいて、うちひとりが熱心に棚を見ている。探している作品がないらしい。もうひとりはBLを読まないと見え、棚に手を伸ばすことはないが「なんてやつ?」と声をかけている。探しているうちに他の作品が気になってきたらしく、「かわいい!欲しい」「これも買っちゃおうかな」とどんどん本を手にとっていく。「買い買い、」「バイト6連勤してたやん」と背中を押しているのもよかった。アニメイトではこういった光景を見たり、ツイッターで流行しているアニメ(今はぼっちざろっく)の勢いを見たりするのが楽しい。帰宅、風呂。夕飯は豚汁とご飯。

1/10(火)

起きてコーヒーをいれて、ネオバターロールとシャトードールの豆乳スコーンを食べた。シャトードールの店そのものの匂いがする。レーズンが入った甘くてモソモソした素朴なスコーンで、前回食べ終わってから恋しくなったので昨日2つ買った。家を出て、通勤電車の中では田嶋陽子『フィルムの中の女』を読んでいた。

フィルムの中の女―ヒロインはなぜ殺されるのか (ウィメンズブックス)

電車はすし詰め。自分が回転するとうまく奥へ進めることを発見。自分のダウンジャケットと他の乗客のダウンジャケットがスルスルと音をたてる。この本はA5くらいあるので週明けの今日持って行くか迷ったが、クルクル回っていると360度のうちどこかには本を構えられるくらいのスペースがある。1989年に開いていた女性13人に対して開いていた講座から生まれた本。「赤い靴」は規範から外れ、創造する女性が抑圧される物語。使われている比喩も納得できるものだし、行きつ戻りつして同じ所をなぞるような語り方なのにちょっとずつ違う視点が提示されて飽きない。

職場にて、弁当のおかずは鮭としいたけの味噌焼き、春菊の炒り卵。午後、取引先のくれた和菓子を「これ取った?」と分けようとしたら「あー・・・取ってないですけど・・・」。あまりにもいらなさそうな顔をしていて笑ってしまった。和菓子の苦手なこの人のおやつはじゃがりこだった。やがて退勤。帰宅、風呂。夕飯はスパゲティナポリタン。カルディで買った7枚300円超のスライスチーズはさすがの味。溶けた見た目もツヤツヤ。普段はケチャップを鍋肌でじゅっとさせていたのを、なんとなく麺の上に直接絞った。思った以上に酸味がそのまま残っていて強いが、ケチャップ好きなのでこれもあり。ラジオからは「展覧会の絵」のオルガン編曲版が流れている。食後は日記を書いたり、手紙を書いて過ごす。ノーブラZINEと一緒に友人に送る。2021年から発行しているが、2022年の正月には思いつきもしなかった事。

1/11(水)

週末の季節外れの高温予報に今から怯えているが、家を出たら身を切るような寒さだった。朝食はピーナツバタートースト。パン屋の手作り品は香りがいい。通勤電車の中では『フェミニスト・シティ』を読んでいた。

フェミニスト・シティ

ママ・フラヌール(遊歩者)として都市を闊歩することの困難さが実体験から語られる。電車は今日もすし詰め。クルクル自転して奥まで移動して扉付近で押しつぶされるのを回避し、読書に成功したが正直こんな地獄に慣れたり適応したくはない。昨日の帰りは松葉づえを、今朝は杖をついたスーツ姿の男性を見かけた。このルートを通勤するのは至難の業だし負担も大きいと思う。今日にでも私が捻挫したとして、明日から通勤できる気力と体力があるだろうか。

職場にて、弁当はベーコンと大豆とれんこんの炊き込みご飯、春菊の炒り卵。午後、自席で受話器を首と肩で挟んで話している人の後ろを通りかかると、すっきりと片付けられた机の上で両手を組んでいて思いの外余裕があってかっこいい。同じように受話器を挟んでポケットに手を入れて歩いている人を見たときはアホとしか思えず、さすが中学のツレのメールアドレスがdai2zisekaitaisen@だった奴はイキり方が違うなという感想をもったので何をするかより誰がするか。フラットな物の見方をするのは難しい。やがて退勤。帰宅、風呂。夕飯はご飯、豚汁、あさりこんにゃく。