20240222-25

マルシングループ(居心伝・八剣伝等を展開)の居酒屋マルケン食堂へ行った。大々的に売り出されているのは餃子だが、食堂というだけあってメニューが豊富だった。餃子の王将のレギュラーメニューに加えて創作メニューのおつまみ(ブリのユッケ、なすのナムル、パクチーサラダ等)、もつ鍋、自分で焼くたこ焼き、皿うどんなどもあるといった感じ。とっ散らかっているようだが頼んだものはだいたいおいしかった。餃子の皮のきなこラスクだけが皮に粉が定着せず味が薄くてイマイチだった。「変わった味する」と彼氏。あまり美味しくない時にこう言う。今回は春巻にありつけて嬉しかった。凝った料理が色々あるのに彼氏はバターしょうゆ味のポテトフライや焼き飯を頼んでいた。食べながら、先月の四国旅の土産話をした。高松の古着屋で買ったポロのパーカーの胸元をつまんで刺繍を見せながら、「普通ポロの刺繍はワンポイントですけど、これはまさかの競技風景(笑)」と口真似をする。このコメントは買った後も、関西に帰ってきてからもずっと面白い。こういう事象の常としてさほど面白さは伝わらなかった。

 

犬飼沙絵さんの個展会場であるマルルームからの配信を見る。電子ピアノの楽譜スタンドに大型タブレットが立てかけられていて、海外のコンサート会場の映像が流れている。プログラムにジョン・ケージの「4分33秒」が取り上げられていたという。そこで犬飼さんは耳栓を配布するというパフォーマンスをしている。その横でゲストのルチャリブロの青木夫妻に向かって、動機やその時の様子を説明される。一見緊張感のあるとっつきづらそうな作品だが、説明されるとすんなり作家の思いが伝わってきた。

 

展示会場から和室に場所を移して座談会。「いつもすぐ中断されちゃって何話してるかわかんなくなっちゃう」と犬飼さんがおっしゃる通り、子供がカメラの前にどーんと立ちはだかって出演者に話しかけてきたりする。この中断がとても堪える。ただ中継画面を見ているだけなのに。マルルームは駄菓子を販売したり、子供食堂であったりもするらしい。「子供の遊ぶ邪魔をしたくない」と犬飼さん。私のような人間が中断を苦々しく思い、態度に出すから子を持つ美術家が活動しづらくなる。短い紐の端と端をつなぎ合わせるように話を聞いていると、犬飼さんの子の通う幼稚園の親が展示を見て「住む世界が違うわー」と言われた、という話になっていた。それに対して青木真兵さんが「住む世界が違うなんて人に向かって言っていい言葉じゃないよ」「皆違う世界に生きてるんだから」と言ったその瞬発力が凄かった。