0604-0620

柏澄子「彼女たちの山」

彼女たちの山 平成の時代、女性はどう山を登ったか

年代もキャリアも違う、各個人史が興味深い。登山家に求められる能力は多岐にわたる。他人の発案にうまく乗り集中し、夢中になる能力もそのひとつ。山と渓谷の連載をまとめたもので、そういえば立ち読みしたことがあった。

 

decoi0222.hatenablog.com

 

田中東子編著『ガールズ・メディア・スタディーズ』

ガールズ・メディア・スタディーズ

 

『怒りZINE』

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佐山聡子「新しいトンポリに気をつけろ」。パワハラって言葉が一般的になればなるほど、嫌な予感が募ったがやはりこういったことが起こっていた。まず自分の為に、部下からの強い調子の言葉をねじ伏せるのに活用。怒りの経緯や、権力構造については考えたこともないんだろうな。

私の上司はバカすぎて職場が特定されるレベルなのではないかと思っていたが、カス上司にはカス上司なりの一般化された論理があり、自信満々で披露しているようなので共有するといいかもしれない。
・「私も上司に聞き入れてもらえなかったこと、たくさんありました。でも会社って、そういうものだよ?」そんな事しか言えないのにタメ口をきくな。あと笑いかけるな。
・「まず権限という言葉の定義について確認したい。」と煙に巻かれる。「結局お前らが持ってる権利のことだから用法間違ってなくない?」という気持ちだけが残った。
・「何か勘違いしてない!?」と怒鳴られる。してないと思いますよ、と話を続けると「そもそも、『納得いきません』とか『不信感があります』とか!役員に言う言葉じゃないよ!?」お前がお前に強いてたルールは知らんけどなと思って黙っていると、「俺も腐っても役員なんやから。そういうこと言われたら腹たつよ。」と勝手に納得していた。私はお前に対して死ねという気持ちを持ってここにおるけどな。年功序列のゲタ履いたアホ、さっさと死ね!
・話の最後の方に、「でも、嫌なことをされたら怒ります」と言うと、「何か俺が悪いことしてたら教えてほしい」。マジで無駄な時間やったなと思って「その都度お伝えしています」と返した。

こういったやりとりを経て異動させられた後、同じ部署だった課長がいろんなところで私のことを「結果的に異動してよかった」「水を得た魚のようにイキイキと仕事してる」「部長は相変わらずだし、俺も異動したいくらい」と言っている。殺人が法で禁止されていてよかったな。同じ部署だったときお前は「まあまあ」「どうどう」と言って抑圧してきたんやけどな。水に流してもらえると思ったか?それとも脊髄反射の中間管理職しぐさだったとかで、もう忘れてるか?

私と同じタイミングで異動させられた同僚は先週いっぱいで退職した。異動先で引き継がれる仕事もなく、ちょうどいいタイミングだから転職するという。異動先の部署ではイニシャル呼びで私とやりあった役員のことをバカにしているらしい。「あの人らがいなくならないと何も進められないからね(笑)」と。悪い評判を聞いてもっとスッキリするかと思ったが何も嬉しくない。管理部門だから一時的にでも切り捨てている場合ではない。土壌は腐り、耐えられなくなった社員が辞め、労力や経費は無駄遣いされ、業績は下がる。

げじま「書店のセルフ検閲に抗議した話。」で、「怒ったらいいことがありました。」と結ばれているところが素晴らしい。

 

シルヴィア・ヴァスケス=ラヴァド『夜明けまえ、山の影で』

夜明けまえ、山の影で エベレストに挑んだシスターフッドの物語

登山とフェミニズムについて興味があり、数冊読んだところでこの本を手に取れたのは幸運だった。ペルーからアメリカへの移民の、性暴力サバイバーの、レズビアンの、アルコール依存症の、登山家の当事者による語り。時に驚くほど率直で、親しみを感じるエピソードも多数。過去と現在、ペルーとアメリカとチョモランマを行き来する巧みな構成。ぜひ多くの人に読んでほしい。

クォン・ナミ『ひとりだから楽しい仕事』

ひとりだから楽しい仕事

村上春樹三浦しをんの作品を韓国語に翻訳したこともあるという。ゼロ年代に日本文学ブームがあったとは。

 

パフスクール発行『日本Lばなし第1集』『第2集』

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今の盛り上がりの後のバックラッシュについて、当然来るという前提で話されている場面もある。ウーマンリブのアクティビストの発言は静かでいて重みがある。

pafschool.thebase.in

葛藤を乗り越え、新たな葛藤のただ中にいる登壇者の方々。それぞれの幼少期の写真が胸に残る。

栗原葉子『ママ・ボーイの韓国』

ママ・ボーイの韓国

90年代初めの本。ヨン様ブームのさらに前。家父長制、兵役、受験戦争、アカスリ、キムチ。当時の市井の人々とのやりとりが記録されていて面白い。図書館の竹中恵美子寄贈の本コーナーで見つけた本。

ルイス・P・フランケル著『女性の怒りと憂うつ』

女性の怒りと憂うつ―セルフ・エンパワメントのすすめ

この手の本で提唱されている発想の転換はもう済んでいて、「そうだそうだー」と思うことも多いのだがこれは違った。例えば守りようがない締め切りを上司に設定されたとして、口では「ハイハイ」と言って締め切りは破るのは受動的攻撃行動。私の常套手段になりつつあるな、と読んでいると「怒りをごまかすために用いる方法です」「あなたの品位を汚してしまいます」と続いてヒヤッとする。また、実例というか練習問題が豊富。「どうしてそんなことしたいの?」「もう一度よく考えて」(びっくりしてしまったので、反論を準備する時間を確保しようとしている)。カッコ内の解説が痛烈。

 

□しそ
5日に100枚入り198円パックを買う。ぶっかけうどんに入れたり、ゆかりふりかけと一緒にごはんに混ぜたり。何かのレシピに細切りの方法が指南されていて目から鱗だった。何枚かまとめてギュッと丸めて筒状にしてから切るとうまくいく。14日にせみ餃子を1パック全部いっぺんに焼き、しそとみょうが、付属のたれをかけて食べた。スーパードライも飲んだ。しそ、みょうが、そして昨年の暮れの職場のお歳暮のお裾分けのスーパードライを使い切って気持ちがいい。

□レモン

レモンフレーバーが流行。この勢いでカルディの他、普通のスーパーでも冷凍スライスレモンが買えるようになってほしい。我が世の春。浮かれてスターバックスに入ってフラペチーノを飲んでくつろぐ。郊外の21時過ぎのスタバはひとりで作業している人しかいない。この日は午後休をとってドーサを食べにいき、帰って昼寝して、サイゼリヤイカスミパスタとにんじんサラダの夕食をとり、アマオケの練習に出た。昼寝のお陰で調子よく過ごせた。帰り際に一緒にアマオケに参加している友人からストリップ鑑賞の誘いも受けた。「なんか〇〇ちゃんがハマってるらしくて、話して聞かせてくれたんですけどあんな目キラキラした人久々に見ました」。

□ダノンいちじく味

毎年買っている。今年も買えた。いつまでもいちじくの時期がいつか覚えられないが、買えている。

■慶太郎ガールズ

ヴァイオリニスト服部百音の、優雅な見かけによらないアグレッシブな情報パンパン宣伝ツイートに誘われて関西フィルハーモニーの定演に足を運ぶ。確かな演奏技術、探究心、旺盛なサービス精神。10歳からステージに立っている人の圧巻のパフォーマンス。立ち姿に華があり、「この人も帰ったら髪をほどいてメイクを落とし、風呂に入って寝巻に着替えて布団を被って寝るのか…信じがたいけど…」と素朴な感想が浮かんだ。指揮者は原田慶太郎。派手で大げさに感じられる指揮で心が離れかけたが、よく見るときっちり拍を出しているし譜めくりのさりげなさが見事で見入ってしまう。ギャップが面白くてマスクの下でずっと笑っていた。前の席に慶太郎ガールズと思しきファンの女性3人組がいた。休憩時間に爆笑していたので多分そうだと思う。

■「これで一人前やね」
職場にて、子供が生まれた男性社員に対しての声かけ。今まで認めていなかったということの裏返しだし、これからも独身あるいは子供をもたない人は一人前と認めないという宣言でもある。全然視界に入りたくない。職場なんだから職能を指標にしてほしい。そう考えるとアマオケ村は演奏技術が強力な指標になっている。上手な人に取り入ろうとしたり、マンスプレイニングをしかけてきたり、マンスプジジイどうしでクラオタカードバトルをしたり。隣のビルのデュエルスペースへ行け!と鬱陶しいがそれらが政治的に実を結んでいるようには見えない。マンスプジジイ、独身だからこういった声かけ関連で嫌な思いをたくさんしたんだろうな。

■「Eve, Psyche & The Bluebeard's wife」

環状線の車内でブラックピンクの大阪ドーム公演の帰りと思われる女性らを見かける。コーディネイトにピンク色を取り入れる、金やピンクのヘアカラー、カーゴパンツ。ジャニーズ、坂道アイドル、ロキノン系のバンドなど様々なファンの群れを見てきたが統一感がありつつ思い思いにおしゃれで活動的な感じ。見ていて気持ちがいい。かわいかったなーという印象が数日続く。YouTubeでブラックピンクのパフォーマンス動画を見てみるがさほどピンと来ない。ステージの規模が大きすぎるのかもしれない。関連動画としてルセラフィムの新曲のダンスプラクティス動画が出てくる。。ファンには「イブプシュケ」と呼ばれるこの曲のイブ、プシュケ、青ひげ公の妻はいずれもタブーを破ったとされる女性。作詞はメンバーによる。という情報を得て俄然興味が湧く。才能やパフォーマンスで目を惹くメンバーとは別に、常に宮脇咲良が気になる。HKT卒業後、韓国で確実にキャリアを積み、メンバーに慕われている。あんなに小さかったさくらたんが。鹿児島出身なんだよね。ご当地アイドルとして秋元康が仕掛けたとおりに、いつまでも気にかけてしまう。

■「ウリナリ!」の記憶

ポケットビスケッツのラストシングル「Days」のPV撮影時に千秋がハイヒールを床に固定されていたのを「ウッチャンナンチャンウリナリ!」で見た記憶がずっとあった。なぜかというと「My Diamond」歌唱時のように足を上げ下げ(「ダイヤモンドみたいに強いソウル作らなくちゃ」の間に16回)しないための措置。バラードだから。自由にパフォーマンスしてもらえばいいのに…と釈然としない。しかし、「なぜかというと」から先が記憶違いだった。まさに私が見たPV撮影回の「ウリナリ!」の動画があって、答え合わせすることができた。野外で夜明けまでの数時間、撮影をするにあたってロボットアームにカメラをセット。そのロボットの動きはマネキンを置いてプログラミングするのだが、立ち位置が変わると追尾できなくなってしまう。そこでメンバー全員の靴をステージに固定していたのだった。ピアノ椅子に座っているウッチャンまで。多少パフォーマンスしづらそうではあるが、記憶よりずっと伸びやかな千秋の歌声が印象的だった。