(タオルではなくて)ハンカチ

前回トイレに行った後に

 

「しまってほしい」と伝えればいいのではないか?なぜ言わないのか?と考えたが何だか言いにくいのだった。
中途採用で職場に25才の男性が入ってきた。

ひょろっと背が高くて、色が白くて、声が細い。事務所の空気が悪いのか長い身体を90度にかくっと折って意外にも豪快なクシャミをよくする。その際口には(タオルではなくて)ハンカチをあてている。

前任者ができすぎた人だったので(その慧眼でもって転職していった)前任者恋しさにマイナスから点つけをしてこちらに聞かせてくる人がいて悲しい気持ちになった。「あんなになよっちいのに学生時代はバンドマンで、ボーカルだったらしいんですよ~」うるせえ!わたしはロキノン系ひょろひょろバンドマン大好きだって言ってるだろ(言ってない)!!!!!!
入社したばかりで判断がつかないことも多くおどおどしがちの彼に話しかけると、ほっとしたような顔をして意外にたくさん話してくれる
と後輩が言っていた。わたしはそれを柱の陰から見て、後日ブログのネタにするだけの人間
 
「この間エレベーターの扉が開いたら乗り込み口に彼がいて、壁にもたれてケータイいじってました。まだまだここで見せてない姿があるんだなと思って。どんな人なんやろ」
何を期待するでもなく、こういう姿を見たらこのくらいの余白をもった感想でとどめとくっていう後輩のさじ加減にしびれた。
後輩は自分と気の合わない人のことを「色ちゃう」と形容して、そのまんまにしておく。「ああ、ちょっと色ちゃうかった」「うーん、ちょっと色ちゃう」最初聞いた時は そんなにすぐに考えるのをやめてもいいのかよと思ったがこれはこれでバランスのとり方としてありな気がしてきた。