20240209

ネオンきらめく中之島の交差点で、目的地のフェスティバルホールを目の前にして信号待ちをしていた。梅田方面へ向かう車線にはタクシー乗り場と見まがうくらい、空車のランプが連なっている。外国語が聞こえてきたので目をやると、2メートル近い長身の男性が3人連れ立って信号を待っている。髪色は金髪やブロンドで、ひとりはキャップをかぶっている。信号が青に変わり3人が歩き出すと、全員燕尾服を着ていることがわかった。コンサートの出演者がフェスティバルホールの楽屋に戻っていくところだろう。大フィルなのにな、と考えたところでバビ・ヤールに出るのかと気づく。スウェーデンから男性合唱団を呼んでいるのだ。

休憩時間が終わってバビ・ヤールの演奏前。隊列を組んで続々と入場は続いた。思ったより多い。脅威のハーモニー(大フィル公式ツイッターより)と絶賛されるオルフェイドレンガーだが、パンフレットの解説文(広瀬大介)によるとバビ・ヤールではパートごとに分かれてハモったりはしないらしい。全編斉唱。このストイックな楽譜の狙うところが存分に活かされた演奏だった。四楽章の冒頭で一斉に囁くところ。異様な響きがして素晴らしかった。